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hikari

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hikari

5 - STORY 5

♥

226

2025年07月01日

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こんにちは

えぇと、実は書きたいことが山ほどあったのに

序盤でかなりのタップ数を使ってしまいました

本当はもっと進展させたかったのに………

prちゃんの言われた通り

この日の夜屋上に来てみた

実は夜来るのはあの日以来振り

それには理由があって、勉強してたのと

光を見たいと言ってたatは夜来ないと

勝手に思い込んでいたから

毎日来てるなら俺も来ればよかったと

少し後悔した

何故なら昼はみんなで会って以降

atは姿を見せなくなっていた

何日振りかに会うその姿に

嬉しさと緊張が隠せない

mz

こんばんは

at

その声は、mz?

mz

当たり

嬉しいなぁ、と喜ぶアイツの隣に

今日は車椅子で来た俺が隣に着く

独特なキィキィと音が聞こえたのか

アイツは驚きながらも手を動かし

コツン、と手が車輪に当たると

確認するかのようにその場にしゃがみ

両手でそれをしっかりと触った

at

車椅子?

mz

そうだよ?

at

良かった、ダイブしに来た訳じゃなさそうで

mz

もう飛び降りなんて考えてないよ

ふふっと笑うatを見て

久しぶりの笑顔に嬉しさが込み上げる

何でその感情が出たかはわからないけど

mz

そういえばさ…………

at

ん?

mz

atはどこか、悪いの?

mz

しばらくここ(病院)にいるって言ってたから

at

俺?実はね、そうなんだよ…………

mz

えっ…………?

笑顔を浮かべるもその真剣な口調に

不安が募る

治らない病気とかだったらどうしよう

聞いたことを少し後悔した

at

何だと思う?

mz

えっ!?

at

当たったら300点あげる

mz

それ点数もらって何になるの?

at

んー?じゃat王の称号あげる

mz

えーやったー

at

めっちゃ棒読みw

mz

まさかだけど目が悪いとか言わないよね?

at

えぇ!?当たり!凄い!

mz

いや、凄くないだろ

俺の心配返せよ

と言いたいところだけど

感の鋭いatの事だから

さっきの俺の緊張が伝わったんだろう

だからこんなふざけた感じにしてくてたんだ

その優しさがひしひしと伝わる、けど

mz

で?

at

え?

mz

本当は?

at

何も無いよ、目の事で入院してるだけ

mz

目の事………?

mz

prちゃんみたいな定期検査だけじゃないんだ

at

それもあるけど

at

今回は別件も入ってまして

ふぅ、とため息をつき口を紡いだatの笑顔は

どこか苦々しいものを感じた

その理由を今俺が

軽々しく突いていい気がしなかった

凄く気になるけど…………

もしatが自ら言ってくれるなら

その時を待とうと決めた

それだけの信頼関係に

早くなりたいと思うこの想いは

何なんだろう…………

at

ねぇmz!

閃いたようなその口調は

話を切り替える為なのか

無理のない明るい声だった

at

俺もmz王の称号欲しい!

mz

…………え?

at

何か問題出してよ!

at

お願いっ!

相手にとってはただの話の機転なんだろうけど

何故かその言葉が嬉しかった

もっと俺を知って欲しかったし

もっと知りたいから………

mz

んーじゃぁ…………

目の見えないatにとって

どんな問題がいいんだろうか?

感覚でわかる簡単な問題、か

mz

俺の身長は何cmでしょう?

mz

ピタリ当てたらmz王って事で

at

それmzの事触ってもいい?

mz

でないとわかんないもんね

mz

いいよ

するとatはずっと触ってた車輪から

片手を反対方向に動かし

両側の車輪を掴むと

くるっと方向を変え向かい合わせにした

at

これ正面向いてる?

mz

うん、向いてる

at

支えるから、ちょっとだけ立てる?

そう言って差し出されたのは左手

mz

いい、よ

『手を繋ぐ』事に緊張を取られてしまい

何も考えてなかったけど

右足を怪我しているのに

俺が右手で繋いだら…………

mz

ぅわっ!!

at

おっと!

案の定バランスを崩し転けそうになると

察したatは自分のところに凭れるように

手を引き俺を抱きしめた

at

ごめん!大丈夫?痛くない?

mz

だっ………だいじょぶっ

at

よかったぁ、転ばなくて!

at

本当にごめんね

やらかした、と心配の混ざる声で

本当に申し訳なさそうに謝ってくれるのはいいんだけど

俺の心臓がバカみたいに跳ね上がってるのは

恐怖を感じただけではない事に

気付いてしまった…………

at

これしか助ける方法思いつかなかった

at

急に抱きしめて、気分害してない?

mz

な………ないっす///

at

本当!?じゃちょっとこのままでもいい?

mz

へ…………!?

mz

い、いーよ///

atの腕の中は暖かくて包容力が気持ちよかった

atが言ってた、触れたらわかるその人の色

俺でもそれがわかるくらい

優しい暖かさと安心感が伝わった

ずっと包まれていたい感覚………

ただatが抱きしめていたい理由は

そんな俺のふしだらな想いとは違った

at

んん~………?

抱きしめた腕がゆっくりと俺の身体のラインをなぞる

背中から肩、首、後頭部を伝い

頭のてっぺんに手をポンと置いた時だった

at

わかった!!

mz

………?

at

163cmだっ!!

その瞬間、そう言えばそんな事していたと

現実に引き戻される

でもこれが凄いことに………

mz

えっ、ガチ………?

at

もしかして当たり!?

mz

うん………ピタリ

at

やったぁ!

抱きしめれていた腕が一瞬

ぎゅっと強くなる

ゲーム的感覚で嬉しいのか何なのかは

今の俺には読み取れなかった

at

これでmz王は俺だっ!

mz

おめでと

いつまで抱きしめられているのだろう

この謎のドキドキが伝わる前に

離れなきゃマズイのに

無邪気に喜ぶatが微笑ましくて

それが伝えられない………

そんな俺には気付かないままatは

不思議そうに俺に疑問を投げかけた

at

mzってバスケやってたんだよね?

mz

そうだよ?

at

の割には身長が小さ…………むぐっ!

言われる前に俺はatの頬を

思いっきりつねって言葉を塞いだ

mz

それ以上言うな

at

ふぁい…………

mz

人が気にしていることを………

mz

小さくてもエースだったんだ俺はっ!

at

しゅぃましぇん………

つねっている手を離すと痛かったのか

片手を離し自分の頬を労わるように摩ったが

もう片腕はまだ俺を支えてくれている

at

ごめん、立たせっぱなしだったね!

at

辛いよね?座る?

常った俺を怒る訳でもなく寧ろ気を使うなんて

どこまでも、優しい奴………

mz

…………うん

離れ難いと思うのも

ずっとこの空間に居たいのも

俺を支えながらも一生懸命手探りで

見えないのに車椅子を探す姿も

mz

……………好きだなぁ

at

え…………?

車椅子に手を掛け俺がゆっくり座ろうとしても

atの手は座るまで離れず支えてくれた

mz

atの事

at

嬉しいなぁ

この好きが友情なのか恋愛なのか

正直わからないから

すんなりと言葉に出来て

相手も受け入れてくれたんだと思う

今はまだ、それでいい

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