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hikari

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hikari

6 - STORY 6

♥

247

2025年07月06日

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お久しぶりです!

今回色々ツッコミどころ満載です

mzが手話めっちゃ覚えてたり

手話なのにprちゃん関西弁だったり

その辺はまぁ、ご了承ください!

次の日の午前

俺も検査があったので屋上には行けなかった

昼食が来るまでの間

俺は昨日の事をぼんやりと考えていた

mz

好き…………か

果たしてこの感情に答えを出すべきなのだろうか

俺もatも一生ここにいるわけでわない

遅かれ早かれいずれは

2人共この病院を後にして

別々の道を歩んで行くのに

この答えが邪魔になってしまわないだろうか?

でも無視して後悔しないだろうか?

そんな無限ループの自問自答をしていたら

ドアがトントンと鳴った

mz

はい?

今この病室にいたのは自分だけなので

返事をしてみるも返答はない

その変わりにドアが開く音がした

返事なしに入ってくる人に恐怖を覚えながら

そこに視線を向けてみると

答えは簡単だった

mz

prちゃん!?

まさかの来客に思わず声を出してしまったが相手には届かず

目が合うとprちゃんは少し照れくさそうに

よっ、と片手を上げた

mz

(よくここがわかったね)

pr

(看護師さんに聞いた)

mz

(で、どうしたの?)

pr

(あぁ、上、来なかったから)

mz

(け、ん、さ、あった)

pr

(そっか)

ん…………それだけ?

謎に沈黙が走る

あ、いつもお互い喋ってないから沈黙なんだけど

mz

(それだけで来てくれたの?)

pr

(あぁ………えぇと………)

いつもは力強くパンパンと音が鳴るほど

はっきりと手話をするprちゃんだけど

今日は心做しかモジモジとしてる

なんか、あったのかな?

俺はどう伝えようか悩むprちゃんの手を

そっと包むように上に自分の手を被せ

視界に入るように小さく手を動かした

mz

(ゆっくりでいいよ)

するとprちゃんは意を決した様に

俺の目を見て小さく手を動かした

pr

(昨日の俺の手話、見た?)

mz

(昨日の…………?)

昨日どころかprちゃんは毎日手話だ、 毎日見てる

う~ん、と悩んでいると

pr

(やっぱいいっ!)

と言った時点で閃いたので

慌ててprちゃんが立ち去るのを腕を掴み引き止めた

mz

(akの事………?)

恐る恐る手話で答えると、どうやらビンゴらしく

prちゃんの顔は熟したイチゴの様に真っ赤に染まってしまった

mz

(恋愛として好き、なんだね?)

pr

(言わないでっ!!)

pr

(お願い、やから………)

mz

(言わないよ、けど)

mz

(伝えないの?)

pr

(そんなん、迷惑やん)

pr

(耳も聞こえん、喋りも出来ん俺が好きなんて)

pr

(迷惑すぎる)

mz

(そんな事ないと思うけどな?)

pr

(何でそう言えるん?)

mz

(俺はそう思わないから)

pr

(…………?)

mz

(付き合うとかは別にして)

mz

(もし俺がハンデある人に告白されても)

mz

(迷惑だとは思わない)

mz

(寧ろ、嬉しいかな)

pr

(嬉しい………?)

mz

(うん、だってさ)

mz

(ハンデがある事を乗り越えてまで)

mz

(前を向いて、好きになってくれて)

mz

(伝えてくれるって)

mz

(凄く勇気がいる事だし)

mz

(俺らなんかより桁違いな)

mz

(大きな一歩だと思う)

mz

(それを自分にしてくれるなんて)

mz

(凄く嬉しいじゃん)

mz

(それだけ頼ってくれてるのも嬉しい)

pr

(そう………なんか?)

mz

(少なくとも俺はそうだし)

mz

(akもそうだと思うよ)

俺の言葉を素直に受け取ってくれたprちゃんは

納得と拒否の間で彷徨う様な

不思議な顔で悩んでいた

そんなprちゃんの手をトントンと叩いた

mz

(嫌だったらいいんだけど)

mz

(akを好きになったきっかけってあるの?)

ふぅ、と溜息をついたprちゃんは

ゆっくりと手を動かした

それは入学して数週間経った時の事

お互いのパートナー初顔合わせで

全員での自己紹介が終わり

教壇で先生が手話混じりに話している

隣に居たパートナーtgは

先生の手話を真似しながら話を聞いていた

反対隣を見ると金髪の男が

話も聞かず一心不乱に何かを書いている

pr

(なんやコイツ………)

それが第1印象やった

書き終えたのか顔を上げたそいつは

俺の方を向きその紙を笑顔で渡してきた

俺の名前はak まだ手話出来ないけど、めっっっちゃ勉強するから 出来るようになったらお友達になってください!!

pr

(は………?)

これは新手のイタズラか何かだろうか

今まで散々イタズラやイジメまがいな事はされてきたけど

こんな事は初めてやった

しかも友達になりたいなんて

pr

(初めて言われた…………)

その言葉に喜びを感じなかったのかと言われれば嘘になるけど

疑いの方が大きかった

pr

(こんな耳も聞こえん言葉も喋れんやつと友達になったって、しんどいだけやん)

そう言う意味で俺は手紙で返事をした

俺は辞めといた方がいい

するとすぐその紙を返された

俺は辞めといた方がいい ⤴ もしかしてpr君ヤンキーとか!?

pr

(はぁ!?何でそーなる?)

俺は辞めといた方がいい ⤴ もしかしてpr君ヤンキーとか!? ⤴ 耳が聞こえんヤンキーなんてザコやろ

そう返すとakは耳が聞こえん俺でもわかるくらい

大爆笑していた

で、多分先生に怒られてた

なのに凝りもせずまた紙をよこしてきた

マジpr君おもろいっwww 絶っっっ対友達になるから! 見とけよーーー!!

この手紙で俺をからかっているとは

不思議と微塵も感じなかったので

俺はラスボスか何かなん?

そう返すと今度は先生に怒られないよう

一生懸命笑いを堪えていたが

恐らくふふっと笑い声が漏れたんやろう

隣のatが不思議そうな顔していた

pr

(ホンマ、変な奴)

この時俺は何ヶ月振りに

口角を上げたことを今でも覚えとる

pr

(akが何でそうしてくれたのかはわからんけど)

pr

(atの事もしながらホンマに手話を覚えて来てくれて)

pr

(友達になって欲しいって伝えてくれた)

mz

(そんな事があったんだね)

pr

(大体みんな俺をハンデ者として見てて)

pr

(助けになるからとか、手伝うからとか)

pr

(だけどっ…………akはっ…………)

動いていた手が震え

その綺麗な瞳からは大粒の雫が零れてきた

pr

(人として、見てくれた………)

pr

(俺をっ………1人の人としてっ………)

うんうん、と頷く俺にprちゃんは

『お前もやけど』と小さく教えてくれた

mz

(じゃー俺も好きってこと?)

pr

(akと一緒にすんなボケ)

そう言ったprちゃんの手からは

封を切ったようにakの好きな所を語った

耳の聞こえない自分にも分かるくらい

少しオーバーな喜怒哀楽だったり

毎日他愛もない話をしてくれたり

友達としていじっていじられて

『普通の高校生』として接してくれる

そんな当たり前の事が嬉しいんだと

pr

(気付いたら、好きになってた)

mz

(prちゃん、やっぱり伝えない?)

mz

(そこまでするakが迷惑なんて思わないよ)

pr

(そう、なんかな)

mz

(prちゃんなりに精一杯伝えてみようよ)

pr

(俺、なりに………?)

mz

(うん、prちゃんてさ………)

俺の伝えたい事を理解したprちゃんは

戸惑いながらも了承するように頷いた

午後屋上に行くとat以外全員いた

mz

kty!?

kty

あーmzち!

mz

あーじゃねぇよ!

mz

お前、インハイは?

kty

3回戦負けだった!

mz

それ先に報告しに来いよ

kty

確かに!

そんなktyのポンコツっぷりに

みんな笑い和やかな雰囲気になった

そんな時チラリとprちゃんからの視線を感じたので

俺が笑顔を返すとprちゃんはこくん、と頷き

彼はakの服を引っ張った

ak

(どーったの??)

pr

(…………)

ak

(p~のすけ?)

pr

(聞いて、くれる?)

prちゃんの言葉にakはその黄色い瞳を

不安の中にも安心をさせるような

それは自分にも相手にも当てはまるように目を細める

ak

(勿論)

優しく微笑むakに飲み込まれない様に

prちゃんは手を握り見つめ返すと

口を開けた

pr

…………ぁ"あ"…………ぃ"っ"………い"ぃ"……

ak

えっ……………!?

初めて聞いたprちゃんの声に

そこにいた俺以外全員目を見開く

恥ずかしくて溶けてしまいそうな顔を

溶かすまいと意志を持ったprちゃんは

涙を零しながら続けた

pr

あ"ぁ"ぁ"っ"い"ぃ"ぃ"ー"っ"

ak

もしかして…………

ak

俺の名前呼んでくれてるの…………?

pr

う"ゅ"ぅ"ぅ"っ"…………ひ"ぃ"っ"

その瞬間akは

ぼろぼろと泣きながらprちゃんを抱きしめていた

ak

すごいっ、p~のすけっ、すごいよっ、

ak

ありがとっ、うれしっ、うれしぃぃっ

akの声は届かなくとも

気持ちが届いたprちゃんは

akの身体をぎゅっと包み返すと

2人の口が同時に動いた

『だいすき』

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