先生
……………
鉛筆が紙の上を撫でる音しか聞こえない部屋で
俺(達)は
補習を受けた
先生
止め!
俺はドキドキしていた
皆とは違う理由で
先生
………
赤ペンが紙の上で弧を描く
先生
……よく頑張ったね
周りは渡された紙を見てガッツポーズをしている
満点か合格範囲だったのだろう
俺も満点だった
だからなのだ、満点であることは問題はない
でも、怖い だから、怖い
先生
……時折
湊太
っ!
先生の俺を呼ぶ声
またか?
また、「言われる」のか?
…嫌だ
嫌だ
嫌だ!!
先生
部活、何に入る?
湊太
っ!
湊太
……は?
湊太
(今なんて……)
先生
?だから部活だよ、部活
湊太
(あ……そうだ、部活、忘れてた)
湊太
えっと、実はバレー部に入りたいと思っていて、
先生
へぇ!!経験者なの?
湊太
あ、ハイ中学でやってました
先生
へぇ、継続する程、楽しかったんだね
湊太
…そう…ですね
湊太
(楽しかった、か…)
先生
じゃあ、この紙に書いてね
湊太
ハイ
先生に渡された入部届けに自分の名前と部の名前を記入する
湊太
(今年はどんなチームメイトがいるかな…)
こんなことを考える
湊太
(無駄だな)
自嘲しながら記入する
_____
??
………………
帰っていく集団の中で一人湊太を見つめている人がいる
湊太は気づいていない
後で知らされることとなるのは__