次の日
体育館にて
────
キュッキュッ
ダン ダン
体育館の床にスパイクシューズが擦れる音とボールを打ち付ける音がする
チームメイト1
ナイッサー!!
湊太
はぁはぁはぁっ
仁
時折、ちょっと良いか?
湊太
(?誰だっけ?)
湊太
(えーと、確か糸みたいな名前だったような……)
湊太
………
仁
…時折?
湊太
あっ、すいません、何ですか?
仁
あぁ、自己紹介と部活でのルールをまだ教えてないと思ってな
仁
ほら、お前、一日目休んだろ?
湊太
えぇ、そうですが…
仁
だから、その時皆に伝えた事項、お前は知らないからね
仁
今でも良いかな?
湊太
僕は全然構わないですけど……
仁
よし!決まりだな!
仁
おーい!お前らー!ちょっと集まってくれ!
主将の声に気が付いた皆は集まってくる
順々に自己紹介をされるが
湊太
(いや、そんな覚えらんないわ)
丞
俺は三年の千歳 丞(たすく)、S(セッター)だ、よろしくな!
丞
あ、後俺、副主将やってるから、何かあったら言ってくれると嬉しい!
湊太
あ、ハイ、よろしくです
人が良さそうな笑顔
湊太
(でも、それが怖い)
悠真
俺は二年の一之瀨 悠真!WS(ウィングスパイカー)やってっから!よろしく!
優人
狡いぞ!悠!
仁
お前らなぁ……
仁
まったく…
丞
ははっ、良いじゃん、良いじゃん仲間として見てるわけなんだからさ
仁
はぁ、お前まで……
仁
まずまずな、お前が三年としての落ち着き無いから、二年も同じようになるんだ!
丞
ごめんごめん~
仁
はぁ
仁
お前ら!ちゃんと自己紹介しろ!
主将の声で我にかえった二年生の二人は今度は、背筋を立てて名乗る
優人
スンマセン!
優人
俺は二年の稲城 優人だ!よろしくな!
湊太
あ、ハイ
湊太
(小さいな、この人……)
湊太
(…もしかして──)
湊太
あの、「稲城さん」……ですよね?
優人
ん?
湊太
ボジション……L(リベロ)ですか?
優人
そうだけど…
湊太
(あぁ、やっぱり)
優人
……それは、
湊太
?
優人
それは、俺が小さいからか?
湊太
えっ
優人
小さくても関係ないと思うぜ、俺はな。
湊太
(違うんだけどな……)
湊太
…イエ、そうじゃなくて、
優人
?
湊太
その…あなたが試合に出たのを観てて、
湊太
あなたの居たチームの人達は、何だかとても安心してプレーしてたなぁって
湊太
だから思ったんです
身長が重要とされる、この「バレーボール」というスポーツの中で
L(リベロ)は小さくても関係ない
皆の背後を死守する
その人が居てくれるだけで心持ちが全然違う
だから__
優人
……っそうなんだよ!だから俺は誇らしいんだ!
優人
よくわかってるな!お前!
湊太
えぇ、だから
湊太
カッコいい、と思ったんですよ
L(リベロ)というポジションも
それを「誇らしい」と胸を張って言えるあなたも
優人
!!
そこまで言って気付く
湊太
あっ!
湊太
(何、知ったような口きいてんだ…)
湊太
すいません……
優人
……
優人
いや、すげぇ嬉しい!
湊太
!
優人
ありがとうな!!
破顔した顔
湊太
(あれ?何故だろう…何かとても…)
温かい気持ちになるのは
湊太
(千歳さんの時もそうだったけど、あまり悪意は感じない)
湊太
(どちらかというと…)
優しい雰囲気さえも感じる
湊太
(…もしかしたら、怖いことばかりではないのかも)
湊太
(もしかしたら__)
バタンッ
仁
…おっ、やっと来たか。待ってたよ__
補習部屋
湊太が部屋を出た少し後
??
あの、先生!
先生
ん?どした?
??
部活、変えたいんですけど…良いですか?
先生
ん~、ちょっと待っててね
15分経過
先生
持ってきたよ
??
有難う御座います!
先生
何処に入りたいの?
??
バレー部です!
先生
時折君と同じね
??
そ、そうですね
??
……
??
よしっ
??
先生、終わりました!
先生
ん、OK後で出しとくね
??
ハイ!
??
さよなら!
先生
うん、さよなら






