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敵殺し屋を倒した数時間後、夢主は三途に連れられ、梵天のアジトへと足を踏み入れていた。

 

部屋の空気は、重い。

けれど夢主はドレスのまま、怯えも遠慮もなく立っている。

三途春千夜

この女、今日襲われてた。

三途春千夜

……お前らのうち誰か、情報漏らした?

白鷺 真白

別にいいよ

白鷺 真白

私1人で殺せたし

その中の一人、長身の青年──鶴蝶が、壁に背を預けたまま言う。

鶴蝶

それ、どこの組織?

三途春千夜

梵天の取引先に喧嘩売ってきたあそこ

今度はテーブルに肘をついていた男、九井一が不機嫌そうに眉をひそめる。

 

九井一

で?

九井一

なんでこの女が無事でここにいんの?

三途春千夜

俺が撃って、

三途春千夜

こいつが殺った。

白鷺 真白

(やってないんだけどな)

三途春千夜

あの場面で冷静に心臓狙える女なんか

三途春千夜

そうそういねぇ

 

三途がニヤついた顔で言うと、隣のソファにいた金髪──灰谷蘭が面白そうに笑った。

灰谷蘭

へぇ。キャバ嬢が処刑人ってか。

灰谷蘭

そういうの、嫌いじゃない

灰谷竜胆

てかお前、どんな生き方してんだよ

と、ソファの肘掛けに腰かけた弟・灰谷竜胆がニヤッと目を細める。

 

白鷺 真白

...

白鷺 真白

それ私に言ってる?

灰谷竜胆

お前だよ

白鷺 真白

さぁ、勝手に身につく

部屋の空気が少しだけざわつく。

三途春千夜

ウチ来いよ。

三途春千夜

守るとかじゃねぇ、お前は戦力だ

鶴蝶

──本気で言ってんのか。

鶴蝶

命預ける仲間に、軽々しく声かけるなよ

白鷺 真白

なに、馬鹿にしてんの?

三途春千夜

軽くねぇよ。こいつ

三途春千夜

俺より冷静に殺してた

九井一

それ、本気で言ってる方が怖ぇって……

だが──その中で、一番奥に座っていた男がようやく口を開いた。

マイキー

名前は?

白鷺 真白

(どうせ偽名を伝えても...)

白鷺 真白

(結局探すからな)

白鷺 真白

真白って呼んでよ

 

マイキーは少しの沈黙のあと、ひとことだけ言った。

マイキー

使える...

その言葉を合図にしたかのように、九井が書類を出し、鶴蝶は手帳を閉じた。

灰谷兄弟はもうすっかり面白がってる顔だ。

 

白鷺 真白

加入ってこと? 正式に?

三途春千夜

そう。もう“裏”で動かなくていい。

三途春千夜

“表”で堂々と、殺れ

白鷺 真白

...笑

白鷺 真白

──じゃあ契約ね。

白鷺 真白

あたしが殺る分、あんたらが命で払ってよ。

白鷺 真白

裏切ったら、誰であっても

 

部屋の空気が一瞬止まる。

だがマイキーはただ、一言だけ。

マイキー

いいよ

 

梵天の闇に、新たな牙が加わった夜だった。

〜50♡

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