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今夜は特別な日

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今夜は特別な日

1 - 今夜は特別な日

♥

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2020年11月27日

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ジョンヨン

………眠れない

ジョンヨンは、そう呟いてみた。ぽつりと漏れた言葉の雫は、部屋の静寂さにいつしか吸い込まれた。

ジョンヨン

はぁ…

一つ、寝返りをうつ。隣ではモモが気持ちよさそうに寝息を立てている。お腹いっぱいご飯を食べて、さぞ幸せだろう。

ジョンヨン

……

時計が時を刻む音だけが、一定のリズムとして耳に溶け込んでいく。

ジョンヨン

……リビングに行こう

気分を変えるために、ジョンヨンはリビングに向かうことにした。

誰も居ないリビングは、 大きな窓から差し込んだ満月の月夜の光に照らされてほのかに青白く包まれており、 どこか幻想的だった。

外の世界の、車が走ったり、 風が建物にぶつかる冷たい音だけが 空間に響き渡る。

ジョンヨン

はぁー…

ジョンヨンは、 自身の身体を一気に冷たいソファに預けた布団の中で温まった肌が、 夜の寒さで冷えたソファで冷やされていくそんな冷たさがやけに心地いい。

何気ない夜に、 自らの身体を駆け巡る冷たさ。 ジョンヨンは、 一種の非日常を味わっていた。

眠ることはせず、 遠くに見えるビルの屋上の、 点いては消える赤いランプを ひたすら眺めていた。 いつか消えたりするのかな、なんて 勝手に思ってワクワクしながら。

ナヨン

…お腹空いた

と呟いたのはTWICEの最年長、ナヨンだ。今日は遅くまで仕事で、 ご飯を食べたい欲より 眠りたい欲の方が勝ってしまったが、 夜中になって空腹で目が覚めてしまった。

ナヨン

なんか食べたい…

さすがに、 朝から何も胃に入れてないと 我慢にも限界がある。 空腹独特の腹痛がする。 胃液が胃を刺激しているのだ。

ナヨン

リビングに、何か食べ物ないかな…

ナヨンはうわごとのようにそう言うと、 ジョンヨンが既に居ることも知らず リビングへと向かった。

ジョンヨンが満月の夜を楽しんでいると、部屋の奥から誰か来る音が聞こえた。

ジョンヨン

(誰かな?)

振り向くと、 そこに居たのは 月からこちらに下りてきた兎だった。

ナヨン

あれ、ジョンヨンじゃん。
こんなとこで何してんの?

ジョンヨン

オンニ……?
まあ、眠れないからここで
ぼーっとしてるだけ。
そういうオンニこそ、どうしたの?

ナヨン

いや……ちょっと、お腹空いちゃって、

どうやら、今夜は餅つきはしてないようだお腹を好かせた兎が、 ジョンヨンの下へとやってきた。

ジョンヨン

晩御飯食べてないの?

ナヨン

食べる前に寝ちゃってね…

ジョンヨン

ふぅん…なんか作ろうか?

ジョンヨンは、 お腹を好かせた兎のために なにか作ろうと考えた。

ナヨン

ほんと?お願いしていい?

ジョンヨン

いいよ、暇だったし。
なにがいい?お餅?

ナヨン

ちょ、私はうさぎじゃないって…
んー……メロンパン、かな

ジョンヨン

ええっ?私に生地から作れっていうの?

ナヨン

違うわよ……ジョンヨン、こっち来て

ジョンヨン

ん…?

兎はジョンヨンを呼び寄せると、 両手で思いっきり抱きついた。 柔らかないい匂いが ジョンヨンを優しく撫でる。

ジョンヨン

わわっ、オンニ?どうしたのさ

ナヨン

静かにして。……もう少しだけ
このままで居させて

ジョンヨン

はいはい…
お腹すいてたんじゃなかったっけ?

ナヨン

忘れた。
今はジョンヨンが入ればそれでいいの。

ジョンヨン

…私も。オンニと一緒にいたら
気持ちよく眠れそう、

ジョンヨンも、 兎の腰に両手を回して しっかりと抱きついた。 普段の凛々しいジョンヨンからは 想像も出来ない程、甘えるように、強く。

雲に隠れた満月が、 顔を覗かせる。 眩い月光が再び部屋を青白く照らす。

月下に二人が織り成す、甘いワルツ。 それはどんなシュガーよりも、 キャンディーよりも甘く、甘く。

しばらくすると、 兎のお腹が鳴る音が聞こえた

ジョンヨン

……やっぱお腹空いてんじゃん

ジョンヨンが笑って言う。

ナヨン

うるさいっ…なんか作ってよ……っ

ジョンヨン

あいよ、ナヨン

ナヨン

な、生意気…!!

ジョンヨン

へへっ…
ナヨンちゃん大好きだよ

ナヨン

……私も大好きよ、ジョンヨナ

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コメント

2

ユーザー

続き出して欲しい!

ユーザー

最高!

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