アクア
〜♫
アクア
♬〜
マリン
やっぱり、いつ聞いてもアクアの歌声はとても綺麗ね
アクア
ふふっ、ありがとう
ここがどこだかさっぱり分からないし、この人たちに聞いてみようかな…
マリン
良ければ他の歌も聞かせてくれない?
アクア
うん、マリンの為ならいくらでも歌ってあげる
アクア
マリンが私の歌を聞いて喜んでくれたら嬉しいな
マリン
ふふっ、私はいつでもアクアの歌は大好きよ?
アクア
えへへ、そう言って貰えると嬉しいな。それじゃあ、次は…
???
こ、こんにちは!
アクア&マリン
わっ!
マリン
貴方、ずっとそこにいたの…?全然気づかなかったわ…
マリン
アクア、もしかしてこの子もお客さんとして呼んだの?
アクア
えっ?ううん!
アクア
マリン以外は呼んでないよ
マリン
ええっ?そうなの?
アクア
貴方、どこからどうやって入ってきたの……あっ!
アクア
分かった、きっとシェルだよ
アクア
シェルが招待したんだよ、きっと、シェルって結構自由なとこあるし…
マリン
ああー、言われてみればそうね、ウバロにパスワードを教えようとしてたりとかあったわ
アクア
もう、客だけ先によこして、本人は遅刻って…いろいろダメだよね…
アクア
…っと、こんな話してる場合じゃなかった
マリン
じゃあ、あの子が来てから自己紹介としましょうか、それまでは歌の続きを…
???
あ、あの!私も聞いてもいいですか?
アクア
うん、いいよ
アクア
お客さんは多い方がいいしね!じゃあ、そこに座って
マリン
ふふ、次はどんな歌を聞かせてくれるのかしら、楽しみね
アクア
貴方も、私の歌を楽しんでいってね!
マリン
そういえば、アンドラから歌詞と楽譜を預かっていたわ、これも後でお願いしていいかしら
アクア
うん、お易い御用だよ
アクア
それじゃあ、始めるね
???
すごく素敵な歌でした!いつもこうして歌っているんですか?
アクア
えぇ、私もマリンも、歌が大好きなんだ
アクア
私たち魔法使いは研究に籠りがちだから、息抜きでもあるね
マリン
アクアの歌を聞くと、いい発想が生まれることがあるくらいなのよ
アクア
えぇ!?それは流石に嘘でしょ!
マリン
ふふ、どうかしらね
マリン
そういえば、アンドラが作った歌はどうだった?
アクア
とてもいい歌だったよ、アンドラは作曲の才能あると思う!
アクア
また作ってほしいな
マリン
それじゃあ、またアンドラにお願いしておくわね
マリン
…それにしてもあの子、本当に遅いわね
マリン
こんなこと日常茶飯事だから、気にしてもしょうがないのだけれど、貴方も大変ね?
???
えっ?
さっきも気になったけど、シェルっていったい誰の事なんだろう?
私の友達にはそんな名前の人はいなかったような気がするんだけど…
アクア
マリンは特に苦労してそうだよね…
アクア
時間は守らないし、何かと散らかすし、
アクア
節操なんて、微塵もないんだから…
マリン
時間を守らないどころか、そもそも約束を忘れているのよね、この前なんて、珍しく早く来てくれたかと思ったら、
マリン
その日、他の人とも約束してたらしいのよ!
アクア
もう日常茶飯事だよね、慣れたと言えば慣れたけど…
マリン
さて、そろそろ再開しましょうか?
アクア
そうだね、まだまだ歌い足りないし!
シェル
ごめんごめーん!遅くなった!
アクア&マリン
シェル遅い!!
シェル
いやー、ちょっと町で珍しいものを見つけてね
アクア
そんなことはどうでもいいの!あまりに遅いから、先に始めちゃったよ
マリン
ほら、貴方の招待客のほうが先に来て、待ちぼうけしていたわよ
シェル
え?私の招待客?
シェル
……んん?
???
あっ、えっと…!
シェル
うーん、誰だっけ?……まぁ、いいか!君も一緒に楽しもう!
アクア
まったく、適当なんだから
マリン
いつものことよ
アクア
さてと、それじゃあシェルも来たことだし!再開しよっか
マリン
それもそうね
シェル
アクアの歌なんて、久しぶり!楽しみ!
アクア
遅れてきたくせに、よく言うね
シェル
ごめんって!とにかく!早く始めよ!
アクア
はいはい、
シェル
ふむふむ…やっぱりアクアの歌声はいつも綺麗だね!
アクア
ふぅん…まぁ、そう言って貰えると嬉しいな
マリン
ホント、おだて方だけは一流なんだから
シェル
そんなんじゃないってー!
アクア
ちょっと怪しいけど…さっきのは心からの褒め言葉として受け取っておくね
ダイト
ちょっと失礼するぞ
シェル
あれ、どうしたのダイト、何か用事?
ダイト
あっ、お茶してたのか、俺も混ぜてもらってもいいか?
アクア
ええ、女子会のつもりだったけどいいよ
ダイト
うっ、その言い方されるとちょっと入りずらいな…
アクア
ふふっ、冗談だよ
マリン
それより偉大なる魔導師様が、わざわざこんな場所まで来たということは、
マリン
何かが起きたの?
ダイト
まぁな、ご明察、この面々なら…ちょっと見てもらうかな
ダイト
これなんだけどな
そう言うと、ダイトという人はポケットから何かを取り出した
アクア
わぁ、御札なんて最近じゃ珍しいね
ダイト
これ一つだけだったら、俺も「珍しいもの」で済ませるんだが…
ダイト
最近、至るところにぽつぽつ落ちてるみたいなんだ
シェル
あぁそれ!私が町で見つけたやつ!ほら…これこれこれー!
シェルという人はカバンをごそごそと漁り始め、中から全く同じような御札を取り出した
アクア
まったく同じだね…
マリン
大きさ、材質も同じね、いったい何なのかしら
ダイト
俺の見立てでは、これはピルスを巻き込んだ大事件の予兆だな、こういうのは、だいたいそうだって決まってんだよ
???
「ピルス」って…何ですか?
ダイト
ん?お前、見ない顔だな、シェルの知り合いか?
ダイト
この世界の名前だ、ピルスは魔法使いが主に集う場所で、
ダイト
…って、お前、そんなことも知らないのか?
???
実は、記憶が曖昧で…
アクア
どういうこと?この子、シェルの知り合いじゃないの?
シェル
いやぁ、実は話を合わせてただけなんだよね!本当は、全然知らない子だよ!
マリン
呆れてものも言えないわ…
シェル
ピルスを知らないなら、他の世界から迷い込んだとか?
ダイト
他世界の住人…その可能性が高いな……お前、怪我してたり、気分が悪いとかあるか?
???
記憶が曖昧なこと以外は、大丈夫です
???
むしろ、すごく元気です!
ダイト
それならひと安心だな、怪物に襲われなかっただけでも、運がいい
ダイト
…ただ…これから大事件が起きるかもしれないから、気は抜けないが
ダイト
ああ、「大事件」のことも説明しとくか
ダイト
ピルスでは、魔法使いの中でも強力な力を持った者が意図的に起こす事件を「大事件」と呼んでいる
ダイト
ほとんどが、ピルス全体に影響を及ぼしかねない規模のものだな
???
ピルスとは、そういう場所なのですね…
ダイト
まぁ、今はだいたい分かっていればいい、後々詳しいことも話すことになるだろうし
ダイト
…っと、悠長にしてる場合じゃないな
ダイト
とりあえず、安全のために今からお前を俺の家に連れていく、この札の調査はその後だ
シェル
面白そう!私も行く!
ダイト
お前は来なくていい、まだ女子会終わってないんだろ?
シェル
まぁまぁそう言わないで〜、私がいたほうが便利な時もあるでしょ?
ダイト
やれやれ…好きにしろ…じゃあな、アクア、マリン
マリン
ダイト、ちょっと待って
ダイト
ん、なんだ?
マリン
なんで貴方、入ってこれたの?この空間はロックをかけたらパスワードがないと入って来れないはずよ
ダイト
え?普通に開いてたぞ?
マリン
はぁ?そんなの誰かが開けっ放しにする以外ありえない……
マリン
開けっ放し……
マリン
…シェル
シェル
だ、ダイト!早く行こ!
ダイト
あ?急にどうしたんだよ
シェル
いいから!
ダイト
はいはい分かったよ、それじゃ、行くぞ
マリン
シェル、ちょっと待ちなさい!!
アクア
もう行っちゃったよ
マリン
あぁもー…!