テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ヒナリ
フブキ
フブキ
宵宮吹雪(よいみやふぶき)──
彼女は、私で遊んでいる。
何人かを集めて、私をおそう。 それが、当たり前のことになってしまった。
親に迷惑かけるのと、隠し通し続けるのがつらい。 でも何より、この”お遊び”に付き合わされるのに慣れてしまったことが、いちばんつらい。 本当の学校生活というものを、忘れてしまった。去年まで楽しんでいた生活って、どんなだったっけ。──もう当分は思いませそうにない。
ヒナリ
雛凛のうつろな瞳が、 目の前の吹雪の姿を映す。
フブキ
フブキ
クラスメイト1
クラスメイト2
『 はははははっ! 』
吹雪と、その絡みらが 笑い声をあげる。
傷を負った顔を背けて、彼女たちから視線を外す。過去の傷と重なって、今日負った傷が痛む。
ヒナリ
フブキ
吹雪が冷たい目を雛凛に向けた。腕を組んで、雛凛を見下ろしている。
ヒナリ
事の発端は、私が2年生になってすぐのこと。
担任
ヒナリ
雛凛は、2年生になって新しいクラスで過ごしたが、誰とも話さなかった。
帰る支度を終えて、さっさと教室を出ていく。
雛凛は、下駄箱で上靴を脱ぎ、自分の所に入れようとした。その時。
???
雛凛は声のした方へ視線を向けた。しかし、声の主を見るなり首を傾げた。誰なのか分からなかったのだ。 走って急いで来たのか、荒い息を繰り返している女子。顔も名前も知らなかったため、一瞬、自分に話しかけられたのか分からなかったが、周囲を見回しても自分と彼女以外居ないのと、自分を見ていることに気づき、自分に話しかけられたのだと察した。
ヒナリ
???
???
彼女──宵宮吹雪さんは、呼吸を整えながら話し始めた。少しずつ私に近づいてくる。友達に、なりたい、だとか思ったけど。
フブキ
ヒナリ
ヒナリ
友達になりたい、とでも言うのならその場で言えばよかったのに、と思ったけど、わざわざこんなところまで連れていかないよね。 ──だとしたら、真剣な話?
校舎裏まで行くほど、隠れて誰にも見えないところに行く必要のある話、ということなのか。
ピタッ
前を歩いていた吹雪の足が止まる。
雛凛に背中を向けたまま、 吹雪は話し始めた。
フブキ
ヒナリ
少しの間の沈黙。 そして、彼女は振り返った。
フブキ
ヒナリ
予想していなかった質問に、雛凛は目を丸くした。
ヒナリ
フブキ
居るとしても、こんな地味で目立たない私に声なんてかけないでしょ。 ──ちょっと待って。まさか、知ってるの? 私、誰にも言ってないんだけど……
ヒナリ
ヒナリ
フブキ
フブキ
吹雪さんは微かに微笑み、私に背を向けると、去っていった。
ヒナリ
私みたいに地味で、友達居ない人に、急に彼氏が居るのか聞くなんて、やっぱり信じられない。話したこともないのに。
──もしかしたら、バレてるのかもしれない。 それだけは、どうしてもダメだった。
コメント
1件
あ、読み終わりました……。 全校舎裏の“彼氏いる?”のやりとり、めっちゃ不気味だし怖かったです。最初のいじめの場面と、出会いのあの空気のギャップがゾッとしました。でも、ヒナリちゃんの「慣れてしまったことが一番つらい」って言葉がすごく刺さって……。 まだ何が“バレてる”のか分からないけど、続きがすごく気になります。重いけど、丁寧に紡がれてる感じが好きです🥀
天城 なひ
#KnightX-騎士X-
𝓨𝓤𝓡𝓘
297