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4.7
枯れるまで 1year,265day.
俺とあいつの2回目の出会いは
屋上へつながる階段。
うるせぇやつらがいない
束の間の時間を楽しみたい。
それが俺の目的だった。
千冬
カン、カン、と
静かな階段に響く足音。
それを聞きながらゆったりと歩いていた俺の
目に飛び込んできたのは__
あっ、なんていう間抜けな声と
俺の頭目掛けて落ちてくる
一つのメガネだった。
千冬
と、
咄嗟に俺はメガネを自分の手に収めた。
千冬
なんだ、と思い
頭上にいるはずの声の主に顔を向けた。
声の主はひどく怯えた様子で
千冬
俺はそう言うしかない。
と言う声とともに
階段を駆け降りてくるあいつ。
千冬
はじめ、俺が見つめすぎていたのかと思った。
だって、メガネを外すとまるで別人だったのだから。
メガネをつけると少し隠れていた涙ぼくろ。
長いまつ毛。
気づかないうちに俺は見入っていたようだった。
だが、そんなことではないようで。
千冬
そんな世界の終わりのような声が響き
俺はやっと事を察した。
千冬
千冬
今思えば
なんてデリカシーのない言葉だと思う。
しかも
そいつにとって1番思い出したくなかった事だと
俺はのちに知ることになる。