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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

銀木犀

どうしてここに居るの!?

「狐の神」

さっき言っただろ

「狐の神」

調停者権限を使った

「狐の神」

それほど緊急事態なんだよ

銀木犀

え?彼女が無理をしたの!?

「狐の神」

僕がやるって言ったら止められた

「狐の神」

君なら、意味がわかるでしょ?

銀木犀

…そんなにかよ

不葉

…あの、銀木犀

不葉

誰……?

「狐の神」

あ、こんにちは

「狐の神」

このあほ吸血鬼の仕事仲間です

銀木犀

お前……

銀木犀

……この人、一応神様

銀木犀

私の世界ではね

不葉

…神様??

「狐の神」

そうですね……

「狐の神」

「藤」とでも呼んでください

不葉

藤……?

銀木犀

あ、その名前でいいんだ

銀木犀

君の可愛い神使が付けた名前はいいの?

「狐の神」

それは大事な人にしか教えませんよ

銀木犀

私は?

「狐の神」

不可抗力というやつです

銀木犀

……はぁ

銀木犀

それで?なんで来たの

銀木犀

彼なら大抵の事は解決するはずだけど?

「狐の神」

そうなったら苦労しない

「狐の神」

来い、「調停者」が困ってる

「狐の神」

これは、お前にしか解決できないことだ

銀木犀

……私にしか?

銀木犀

どういうこと……?

「狐の神」

とりあえず僕はお前を連れてこいと言われてる

「狐の神」

来ないと、もしかしたら手遅れだ

銀木犀

は?そんなに!?

銀木犀

ちょ……ちょっと待って!!

銀木犀

準備してくるから!!

「狐の神」

じゃあ僕はこの子と雑談でもしてましょうかね

不葉

え?

銀木犀

ちょっと待ってて!!

「狐の神」

さて……

「狐の神」

改めまして、初めまして

「狐の神」

僕のことは藤って呼んでね

「狐の神」

君が銀木犀が欲しい「不滅」でしょ?

不葉

……そうです

不葉

僕の名前は不葉と言います

不葉

初めまして、藤さん

「狐の神」

ふふ、なんだかくすぐったいですね

「狐の神」

僕の世界で僕のことをそう呼ぶ人居ないんですよね

不葉

え?なんて呼ばれてるんですか?

「狐の神」

……内緒

「狐の神」

それにしても

「狐の神」

思っていた以上に幼いですね

「狐の神」

この年齢で……?

不葉

……まぁ、運命だと思えば何も怖くないです

「狐の神」

ほう?「死」は怖くないと?

不葉

覚悟してしまえば簡単なことです

不葉

それまでが苦しいだけで

「狐の神」

……君にとって、死という概念は近すぎるね

「狐の神」

悪くないと思うよ

不葉

ありがとうございます

「狐の神」

奇遇にも、僕も同じ考えを持ってます

「狐の神」

人は皆、「空虚」へと還るだけなのです

「狐の神」

何も無い状態へと還るのは

「狐の神」

何も怖くないですよね

不葉

……そうですね

「狐の神」

ですが、この概念は人によっては異質ですよね

「狐の神」

では、その異質が集まれば?

不葉

……何を言いたいのですか?

「狐の神」

僕はこの概念を宗教という枠に閉じこめようと思ってます

「狐の神」

名は、「空狐教」

「狐の神」

どうです?貴方も信徒になりませんか?

不葉

…申し訳ありません

不葉

お断りさせて頂きます

不葉

僕は、どうせすぐ死んでしまうので

不葉

ですが、考え自体はとても魅力的だと思います

不葉

もし生きれるなら、信徒になりたいほどに

不葉

貴方という存在はとても好きです

「狐の神」

嬉しいですね

「狐の神」

いつでも待ってますよ

不葉

ありがとうございます

銀木犀

…藤

「狐の神」

いつからそこに?

銀木犀

気がついて放置していた癖に

銀木犀

不葉を危ない宗教に勧誘するな

銀木犀

お前の所なら尚更だ

「狐の神」

失礼ですね

「狐の神」

たまたま意見が一致しただけですよ

銀木犀

それでも、だ

銀木犀

不葉、なんかあったら叫ぶんだよ

銀木犀

多分この人この世界では弱いから

「狐の神」

は?白黒付けます?このばか吸血鬼

銀木犀

お?なんだ?やってやろうか?

不葉

……

不葉

(仲…いいな)

「狐の神」

…あ

銀木犀

あ?こっちはいつだって…

「狐の神」

予定変更だ銀木犀

銀木犀

……なに?

「狐の神」

彼女が呼んでる

「狐の神」

相当やばい状況だ

「狐の神」

急ぐぞ

銀木犀

…藤がそういうなら

銀木犀

早く行こう

銀木犀

…不葉、ごめんね

銀木犀

少しの間お留守番してね

不葉

……うん

不葉

気をつけてね

銀木犀

行くぞ、藤

「狐の神」

こっちだ急げ銀木犀

銀木犀

分かってる!!

不葉

……

不葉

(いつも僕を優先してくれていた銀木犀が)

不葉

(僕以外の人を見ているのは)

不葉

(なんだか不思議な感覚だ…)

銀木犀

……何も聞かないんだね

銀木犀

不葉について

「狐の神」

聞いた所で答えたのか?

銀木犀

答えないけどね

「狐の神」

それはそうとお前

「狐の神」

気がついてないなんて言わせないぞ

「狐の神」

不葉の毛先が赤くなってた

「狐の神」

魂からも感じた

「狐の神」

……生まれ変わるぞ

銀木犀

言うな、藤

銀木犀

私が分からないわけ無いだろ

銀木犀

吸血鬼は「魂」に詳しいんだから

「狐の神」

だったら現実を…

銀木犀

見たら不葉に話しそうになる

銀木犀

彼は自分の運命を諦めてるんだ

銀木犀

そういう人間は前世の記憶を忘れる

銀木犀

他人から言われない限り

銀木犀

なら、不葉は生まれ変わって新しく人生を歩んで欲しいんだ

「狐の神」

…らしくないねぇ

「狐の神」

それは彼の幸せを願ってのこと?

「狐の神」

それとも不葉自身の気を使っているの?

銀木犀

……正直

銀木犀

健気で可愛い子の死を願うほど落ちぶれてない

銀木犀

あわよくばどっちも幸せになって欲しい

銀木犀

だから、黙ってるんだよ

銀木犀

不葉が「調停者」に選ばれたのも

銀木犀

転生が確定しているのも

「狐の神」

…君なりのケジメってやつ?

銀木犀

そういうやつだよ

銀木犀

……君こそ、「藤」の名前を使っても良かったの?

銀木犀

いくら私達の世界で「藤の花」を司っていようと向こうじゃ勘違いされるでしょ

銀木犀

そのリスクを孕んでも、その偽名を使った理由は?

銀木犀

そもそも藤の花好きだったの?

神使

見てください主様!!

神使

綺麗な藤の花ですよ!!

「狐の神」

君は花集めるの好きだね……

「狐の神」

僕、そんなの得意じゃ……

神使

この花、紫色で

神使

なんだか主様に似てますね!

「狐の神」

……そっか

神使

……やっぱり嫌いですか?

「狐の神」

今好きになりました

「狐の神」

いいですね、藤の花

「狐の神」

ただ……

「狐の神」

大切な人が、僕に似てるといってくれたので

「狐の神」

だから、大嫌いな運命も

「狐の神」

背負うという証で

「狐の神」

偽名は全て「藤」で統一してます

銀木犀

……そうかよ

銀木犀

…いいねぇ

銀木犀

底知れない信頼からくる関係というのは

銀木犀

君によく似合ってる

「狐の神」

……僕は、人に恵まれてますから

銀木犀

何言ってるんだ

銀木犀

お前の人望あってこそだろ?

「狐の神」

……銀木犀こそ、らしくない

銀木犀

勝手に言ってろ

「狐の神」

えぇ、勝手に言いますよ

「狐の神」

今も、これからも

銀木犀

……そうかよ

銀木犀

藤の花

第23話・変わらぬ想いを

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