不確かなゲーム

メンバーを収集してチームを組んだところまでは覚えている

その後に急に意識が遠くなって…

俺は苦笑いをする

麻野は横目で俺を見た

ふと笑いが起こる

たまには みんなで話すのも悪くないな…

相馬はこっちを睨みつけた

麻野はそう言って相馬の方を叩いた

その時だった

相馬は麻野の手を振り払った

麻野は弾かれて床に倒れた

俺は相馬を睨みつけた

こいつは何を考えているんだ

正直今はいらだちを抑えるのにいっぱいだった

麻野は以前メンバーを集めたと言っていたが今いるのは7人だ

これは…

俺らの目に映ったのは

高校生くらいの男性の死体だった

俺はとっさの判断で麻野に飛びついた

俺の上を少し大きい石が通過していく

これが鬼ごっこ…！！

鬼は完璧にこちらを殺しに来てる 捕まえるのでは無い 殺しに来ている！！

俺らは全力でその場を離れようとする

意識が遠のいた

頭が異様に熱いんだ

頭に石をぶつけられたか… どうも上手く考えれない

聞こえるのはみんなの荒れた息と大輝の叫び声だけだった

ふと目が開く

麻野…？

そうだ麻野を助けなければ

熱い、痛い、苦しい

でも体は動く

気づいたら動いていたのだ

元の道を走って

麻野のところへ

麻野は何者かに蹴られて木にぶつかる

鬼は黙って麻野の腹に蹴りを入れる

麻野は痰を吐いた

鬼はナイフを取り出す

全力で叫ぶ俺

そして全力で俺は石を投げた

鬼は石を防ごうと左手を出して頭をしっかり守る

だが俺はその死角をつく為に石を投げたと同時に走り出していた

時間が止まったような感覚

頭は熱くて、全身に走った疲労がある

喉はがらがらで

視界も良好ではない

鬼はナイフをこちらに向けて刺そうとしている

とてつもないピンチ

でも分からない

必死だった

頭の中で流れているのは昔見ていたアニメのバトルシーンの音楽

そうだこの曲は

最後のギターが響くタイミングで

渾身の右ストレート

拳重てぇ…

鬼は5メートルくらいぶっ飛んで気絶した

全身疲労で倒れそうなのに

何故かまだ走れる気がした

麻野の手を俺はしっかり掴んだ