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今日はヒカリの元へ行くのが躊躇われたが、行くことにした

急に行かなくなってしまえば、ヒカリと黒が心配するだろうし、また独りにさせてしまう

それに、ヒカリの元へ行くこと以外に何をすればいいのか忘れてしまった

そうして今日もヒカリの元へ行く途中で、複数の足跡が見つかった

その足跡はヒカリのいる洞窟へと伸びている

嫌な予感がして、足を急がせた

ヒカリちゃん!!

そこにはこちらに背を向けて項垂れているヒカリがいた

黒は心配そうにヒカリを見つめている

空の声でゆっくり振り返ったヒカリの水色の血が額から顎に掛けて流れ出ている

ヒカリの目は赤く光っていて、眉間に皺を寄せ苦しそうに呼吸をしている

血とともに冷や汗も出ていた

空は駆け寄り、背負っていた救急箱を開いた

ヒカリと初めて会った日から、持ち歩くようにしていた

傷口を丁寧に消毒し、ガーゼを当て、包帯を巻いた

大丈夫?きつくない?

ヒカリ

…えぇ、ありがとう…

ヒカリの目は青く虚ろだった

空はヒカリが整うまで待ってから、話を聞くことにした

どう?もう大丈夫?

ヒカリ

えぇ、だいぶ良くなってきたわ

ヒカリ

ありがとうね

いつもの優しい笑顔で微笑む

ヒカリ

それよりあんたの方が大丈夫なの?

ヒカリ

昨日体調崩して帰ったばかりなのに

僕は大丈夫だよ

…ねぇ、

誰にやられたの?

ヒカリ

お願い、教えて…

ヒカリ

…3人組の星の子

ヒカリ

たまにここに来て、暴言を吐いたり、暴力を振ってくるの

ヒカリ

空に会う前からずっと…

ヒカリ

最近はあまり来なくなったと思ったんだけどね…

ヒカリ

あいつらが投げてきた石が頭に当たっちゃってね

ヒカリ

私の大量の血を見た瞬間逃げてったわ

出会った時に足に怪我をしていたのはそいつらのせいか

空は髪が逆立つほどの怒りを覚えた

僕がいない間にそんなことがあったなんて

そばにいてやれなかった自分にも腹が立ってきた

そんな怒りを心の奥にしまって前のめりになって言った

これからはずっとそばにいるよ

またそいつらがやって来たら、僕が追い払う

だから…

ヒカリは横に首を振った

ヒカリ

だめよ

ヒカリ

ずっとここにいたら、光の貴方はいつか死んでしまうわ

ヒカリ

だから居ちゃだめ

ヒカリ

私みたいなのは殺されて当たり前なのよ

ヒカリ

それがこの世の決まり

…そんなの、

誰が言ったのさ…

空は泣きそうな顔をしている

ヒカリ

ヒカリ

空は優しすぎるのよ

困っているように笑う

ヒカリ

いい?もうここには来ちゃだめよ

ヒカリ

たとえ私が殺されようともね

やめてくれ

そんな事言わないでよ

ヒカリ

もし私が殺されても、復讐しようだなんて思わないで

ヒカリ

これからは、普通に生きて

絶望しかなかった

ヒカリは生きようとしていないのか

普通の生き方とは何なのだろうか

僕には分からなかった

ヒカリが空を求めているのではなく、 空がヒカリを求めていた

ヒカリ

ほら、早く行って

……ヒカリちゃ…

ヒカリは無理やり瞳の色を赤く染めた

そして空の左手を強く握る

この前とは比べ物にならないくらいの痛みが走って、思わず手を振り払ってしまった

ヒカリは、笑った

今にも泣きそうな顔で

僕は、ヒカリから離れることしか出来なかった

放心状態のまま、ホームに戻った

それでもヒカリから離れきれず、捨て地の暗黒竜4匹エリアに来ていた

暗黒竜の来ない崖の縁に座って、暗黒竜を眺めていた

僕が記憶を無くした場所

暗黒竜に右腕を奪われたショックで気絶して、気づいたらベットの上で横たわっていた

色んな人が見舞いにやってくるが、誰一人分からない

右腕とともに記憶まで無くした

時折聞こえてくる暗黒竜の声を聞きながら、思い出そうと必死だ

優しい風が首元のペンダントをチリチリと鳴らす

すると、空の目にある光景が飛び込んできた

暗黒竜の赤いサーチライトの中に星の子が1人

その星の子は既に回避体制をとっている

その光景が妙に鼻についた

たしか…

僕は雀を助けようとして右腕を失ったんじゃなかったっけ

次の瞬間、急に風が強くなり、髪が大きく靡く。そして、暗黒竜の声とペンダントの音ともに、

記憶が流れた

相棒の幼い姿

フレンド達の姿

美しい景色

相棒の後ろ姿

自分の元の姿

そして

ヒカリと黒の姿

空はその記憶を受け止めきれずに、放心している

途端に、涙が溢れ出た

まだ、記憶を無くしている間の空が残っているうちに子供のように泣きじゃくった

嗚呼

やっと

やっと…

思い出した

星になれなかった君と飛べない僕

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