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みんなすごいな
わたしは子供じみたこと でも、素直にそんなことを思った
犯人の目的は事件解明?
だとしても 一介の高校生であるわたしに何ができるんだろう
それに比べて わたしと同じはずの高校生が……
中村雨音
橘真衣
話しかけているのではない
名前を呼んでいるから 正確には橘真衣その人に話しかけているのだろうけど……
独り言も同然だった わたしもそのつもりで発したからだ
中村雨音
橘真衣
中村雨音
わたしの袖を この寡黙な同年代の女の子が引いた
正直 凄く驚いたけれど、わたしは何だか友達ができたみたいで嬉しかった
今は心の拠り所が欲しい
中村雨音
橘真衣
橘真衣は頷いた わたしはみんなに声をかけようとしたが
橘真衣
強く袖を引っ張られたので やめてしまった
中村雨音
橘真衣
こうして みんなが探偵になっている間に わたしたちは部屋へと戻った
1人になりたかった
今は何も考えたくはなかった
けれど……
橘真衣
中村雨音
橘真衣は部屋の前で別れる直前
わたしを呼び止めた
そして 自室へとわたしを招き入れた
中村雨音
橘真衣
ただ募る沈黙
何も生まないこの時間
そう わたしは無意味を生きている
そもそも1人になっていても 何も生みはしない
そんな二元論を語るのなら
悲しみや怒りを生み出す時間こそ
必要ないと思う
それを有意義と名づけるのなら わたしは……
何も生まない方がいいと思う
無意味こそ、幸せなんじゃないか
橘真衣
中村雨音
わたしは呆けていて 橘真衣……真衣ちゃんの言葉を聞き取れなかった
中村雨音
橘真衣
橘真衣
中村雨音
橘真衣
橘真衣
中村雨音
唐突だった
数秒 その意味を理解できなかった
でも理解した瞬間 わたしは文字通り飛び上がった
中村雨音
橘真衣
中村雨音
真衣ちゃんは深く息を吸った
そして言葉を吐き出した
橘真衣
中村雨音
橘真衣
中村雨音
わたしは震えた
何も聞きたくなかった
知りたくなかった
橘真衣
中村雨音
橘真衣
真衣ちゃんはそう言って 引き出しを開けた
そこから小さな写真たてを取り出し
わたしの前に差し出した
そこには……
中村雨音
橘真衣
中村雨音
中村雨音
橘真衣
中村雨音
それも気にはなる
でも わたしが言いたいのは
中村雨音
橘真衣
橘真衣
中村雨音
橘真衣
中村雨音
胸が締め付けられた
この子は、あの2人を殺したのか
そうは見えない ただ、辛そうで苦しそうで
救い
そう 救いを求めているようだった
橘真衣
中村雨音
橘真衣
橘真衣
橘真衣
中村雨音
わたしは怖くなかった
目の前にあの2人を殺した犯人がいるのに
ただの わたしと同じ女の子じゃないか
中村雨音
橘真衣
中村雨音
橘真衣
中村雨音
中村雨音
橘真衣
中村雨音
橘真衣
中村雨音
橘真衣
わたしは初めて 真衣ちゃんの笑顔を見た
とても可愛らしくて やっぱり、普通の女の子にしか見えない
わたしは悲しくて仕方がなかった
橘真衣
中村雨音
自分の父親と母親の死体
そんな事実を知った今 真衣ちゃんを放ってはおけなかった
知ったことで 悲しみだけが生まれたか
いいや、違う
わたしに出来ること 出来るものかはわからないけれど
使命というものが生まれた
わたしが
わたしが彼女を救うんだ!