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突然、嫌になった
何もかも、嫌になった
嫌いではなかった
色々と辞めてしまいたかった
そして 辞めた
躊躇いがほんの少し
でも案外あっさりと
それでも、全てを投げ出すことはできなかった
手放しても苦しまないように 自分が傷つかないように
そう、中途半端だったのです
何もかも中途半端にやってきました
自分の意志で心の底から何かに打ち込めたことはありませんでした
誰かが与えてくれたものを 自分が本当にやりたかった物だと思い込んで
私はこれがやりたいんだ、
これが私の好きな物でなければならないんだ、と
何度も思い込んで
全力で打ち込むふりをしてきました
だから、何かに一生懸命になれる人に憧れていました
苦労を厭わず 常に上に向かって頑張っている人を見て
少しばかり、苦しくなりました
しかし、「それ」は違いました
「それ」だけは違いました
偶然か、はたまた必然的に出逢い
私は「それ」を愛していました
初めて心の底から楽しいと思いました
自分の意志で「それ」を続けていました
沢山のことを教えてもらいました
本当に楽しかった
けれども、「それ」でさえも私は中途半端に終わらせた
私に沢山の思い出を与えてくれた 「それ」にでさえ
初めて、与えられたものを自分に与えなおした「それ」でさえ
すべてを捧げることはできなかった
月日が経ち 唐突に「それ」を思い出した
否
月日が経っても心の中にしまっていたそれを
ある日、漸く、取り出した
変わらず平行線上に続いて欲しいと願っていた「それ」は
何もかもが変わっていました
愛する人が
愛していた人たちが 居なかった
そこに居たという証明でさえも 何の証も示さなくなっていた
「それ」に出会ってたった数年
その数年の中で芽生えた不思議な感情
日常の夢の日々
幾度も与えてくれた 愛する人たちの最期に
私は、居なかった
貴方たちがいなくなって漸く
あの日々の幸せに気づくことができてしまいました
これが、心に穴が空くということなんだと
分かってしまいました
そんな感情を また貴方たちに与えられてしまいました
有難うも左様ならも
いかないでも
何にも言うことができませんでした
それでも、愛していた
本当に本当に 愛していた
貴方たちがいないこの世界は 本当に静かだけれど
共に掘り進んだ道に
ゆっくりと 花を植えることくらいしか出来ないけれど
きっと、愛されてた
絶対、愛していた
遠くで猫の鳴き声が聞こえたような
目を閉じる前、 黒猫を見たような
そんな気もした