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ほとけ

はぁ?そんなドッペルゲンガーみたいな

自分と同じ顔が目の前にあったら確かにそう思う。分厚い仮面を被った僕にいむくんはきっと気づけない。

初兎

ほんとにそうかもね

そんなことあってたまるか

心の中では正反対なことを呟きながら口にする。

ほとけ

じゃあもう僕行くから

そう言って何も無いこの場所をさらに散策しようとするいむくんに驚いた

初兎

行くってどこに?

これ以上歩きすぎると、掘り起こした記憶の断片が前よりさらに深いところに眠って、もう僕のことを思い出せなくなってしまう。

ほとけ

君には関係ないでしょ

そう冷たく突き放されると、普通は放置したりするんだろうけど、どうしようもないくらい、心配だった

初兎

あんまり歩きすぎるとほんとに帰れなくなるよ?

本音がポロっともれる。

本当のことを言ってはいけない。この空間での記憶を持っている人間も少なからずいるから

堕天となった小さな男の子のお話

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