立夏
…、
由紀
来たか、
そう言って隣をさした.
由紀
来いよ、立夏.
海の音を聴きながら静かに時が流れて、心地良くなってくる.
立夏
…あんたの
立夏
あんたの本心が聞きたい.
由紀
え、?
立夏
あんたの言葉を真冬に
届けたくて"ここ"にきた
届けたくて"ここ"にきた
由紀
…なんだよそれ、
立夏
別れ方が寂しいから.
由紀
、
立夏
あんたの遺言を真冬に届けたい.
聞かせてあげたい.
聞かせてあげたい.
由紀
お前なぁ、…
由紀は頭をかいた.
"優しすぎるんだよ"
由紀
普通、嫌だろ、元カレとか.
立夏
……嫌だ.
立夏
だけど、真冬がこの思いを背負って生きていくのを見るのはもっと嫌だ.
由紀
……、真冬に俺を忘れてほしい?
立夏
違う、そういう意味じゃなくて
なんか…
なんか…
言葉にするのが難しい. そうだ.一言の言葉で変わってしまうことだってあるから.
立夏
お前の存在を苦いままにしたくない.
由紀
…苦い、
立夏
お前の存在は真冬にとって、もっとキラキラしてたと思うんだ.
立夏
背負って生きていくとかじゃなくて、
"共に生きて欲しい"
一気に喋ったせいで、喉がカラカラだ. _俺の気持ちは伝えた._
_後はお前がどうするかだぞ._ "由紀"
由紀
……、
立夏
…、
手を広げて現実だと俺は再確認する.
"聞けた"
立夏
まだ覚えてる.
_さっきの由紀の言葉が鮮明に蘇ってきた.
__________
弥生
りっかー?、
弥生
って、…
_やっと良いのが浮かんできたみたいね_
私は静かにギターをかき鳴らす立夏を見て扉を閉めた.
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