今日のお祭りの屋台の数は この県の中でもトップクラス。 みんな大好きいちご飴や唐揚げ 焼きそばなどの定番もあれば 少し変わったものだってある。 そして当然、食べ物以外もある。
老若男女全員が楽しめるような 屋台構成になっているのが このお祭りの光る部分だ。 じゃぱぱ達も楽しんでいる様子で それに合わせてつい俺もテンションが 上がってしまっているが それはまあご愛嬌。
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
少しぎこちなさそうにしながら こちらへ顔を寄せたあと そのまま食らいつくように食べたと 思ったらじゃぱぱにあげる前までは 確かに3つあったはずのいちごは 残り1つ。
…こいつ2つ一気に食べやがった。
ゆあん
じゃぱぱ
してやった顔でニヤニヤと こちらを煽ってくる。 許せない。 …俺のいちご飴が……。
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
そう言って前の方を歩く のあ達の方へと駆け寄っていった。
ゆあん
ゆあん
いつも俺がからかう側だったはずなのに 何故か今日はそれが全く出来ない。 むしろじゃぱぱの方が優勢…みたいな。 …悔しい。
そんな感情を紛らわすように前にいる 9人の元へと足を進めた。
たっつん
うり
じゃぱぱ
じゃぱぱ
ゆあん
のあ
たっつん
やってきた射的屋。 俺は小さい頃お祭りに来た時も よくやっていたので射的は 中々の腕前だと思う。 4人が横に並んでそれぞれが 構えて打つ準備をする。
ゆあん
なんだけど。
俺は先程からずっと 考えてしまうことがあって。
……まあじゃぱぱ関連の事だ。
……やっぱりなんか今日いつもと 違う気がするんだよな…。
俺の方が。
じゃぱぱは比較的いつも通り。 制服を着てるし学校でみる姿と 何ら変わりない。
なのに、俺だけが。 俺の方がいつも通りでいられていない。 それが悔しくて……
でもそれが何故かなんて 検討もつかない。
ゆあん
まあそんなことを考えているうちにも 無意識に体は動くわけで。
手に持った銃を前に構えて狙いを定め トリガーを引いたところで ポンっと銃口から勢いよく弾が飛び出し 少し先にある景品にあたって落ちる。
たっつん
うり
ゆあん
じゃぱぱ
弾数は全部で5発。 その全てをヒットさせ 見事景品をゲットした。 他の3人も同じく次々に弾を当てた事で それぞれの手元には大量のお菓子が。
……だがら流石にこんなあっても 食べられない。 そう思って自分の手元にあったもの を近くにいた小さな子へ 上げることにした。
すると思わぬ出会いが。
子供
ゆあん
よく見たら俺がお菓子上げようと していたのは先程迷子になっていた 女の子だった。 さっき会った時は私服だったのだが あの後浴衣へと着替えたらしく 可愛らしい姿で 母親と手を繋いでいる。
先程と雰囲気が大きく変わっていた為に 全然気が付かなかった。
ゆあん
子供
子供
ゆあん
子供
ゆあん
子供
ゆあん
子供
ゆあん
やっぱ子供って可愛いわ。 じゃぱぱの気持ちも何となく わかった気がする。
まださっきからの悩みが 解決したわけではないけど。
たっつん
ヒロ
えと
じゃぱぱ
辺りは暗くなってきて屋台から 光るライトだったり 太鼓で演奏される音楽だったり …夜でも蒸し暑い夏の空気にプラスした お祭り特有の雰囲気によって より賑わい初めてきた頃合いだ。
皆いつもと違ったテンションになりながらもお祭りを全力で楽しんでいる様子。
俺も好きなんだよな〜この雰囲気。
周りには家族だったりカップルだったり 友達だったりと様々な人達がいる。 このような行事でないとここまで 集まることは無いので 新鮮でとても良いなと思う。
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
じゃぱぱがこっちに来たと思ったら にやにやしながらそう言ってくる。
…これ、多分またからかわれてるよな笑 先程からじゃぱぱにペースを 掴まれている状態だったので このままではいけない… と思いつつも適当に相槌を打った。
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
何かを言いかけた口を閉じ 押し黙ったじゃぱぱ。
……よっしゃ今度は勝った…だなんて 大人気ないことを思いながら 正体すら分からないものを 気付かないうちに誤魔化した。
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
のあ
ゆあん
じゃぱぱ
花火大会まで後少し。 先程も言ったがこのお祭りの花火は 特に凄いと言われているものなので 俺も楽しみにしている。
始まるまで後は待つかな〜 そう思いながらものあさんに ついていった。
のあ
のあさんに連れてこられたのは 人気の少ない高台のような場所。 ここは特に高台という訳では無いので 景色を見るには穴場スポットらしい。
確かにここからは賑わっているお祭りの様子も見られるし景色も遠くまで見渡せる為花火を見るには絶好の場所だ。
ゆあん
ゆあん
登り切った所である事に気付いた。
ゆあん
たっつん
のあ
るな
シヴァ
周りを見渡してみてもまたもや じゃぱぱの姿は見当たらない。 ……あいつよく消えるな。
たっつん
たっつんがじゃぱぱへと電話をしようと した所で数分前にじゃぱぱからの連絡が 来ていたらしいことに気付いた。
たっつん
ゆあん
ヒロ
ゆあん
うり
そう言ってうり達とさっき景品で貰った お菓子を食べたり軽く遊んだりして 花火が始まるまでの時間を潰した。
ゆあん
ゆあん
どぬく
あれから15分程。 何かを買ってるにしては 遅すぎる時間帯だ。 まだじゃぱぱは帰ってこない。
何も買ってないとしたら何してんだ…?
えと
ゆあん
ゆあん
のあ
るな
ゆあん
俺はあいつらを残して高台を下り じゃぱぱを探しに人で賑わう屋台の方 へと向かった。
ゆあん
ドン!!
ゆあん
時刻は7時半となり真っ暗な夜空に 大きく綺麗な花火が上がり始めた。
まだ俺は1人で歩いてる状態。
始まるまでには間に合わなかったか〜
ゆあん
正直後でくるというじゃぱぱの言葉を 信じて高台で待ってることも出来た。
今頃たっつん達は高台という 最高な場所で見てるんだろうし…… 俺だってそこで見たかったし。
……だけどそれ以上にじゃぱぱと見たいなって思う自分がいて。
……別に深い意味はないん…だと思う。
でもやっぱ今日一日一緒にいた訳だし 見るなら一緒に見たいなってだけ。
ゆあん
再び多くの屋台が並ぶ場所へと 降りてきたがじゃぱぱが居そうなところを探しても見当たらない。
花火は既に始まっていて この場にいるほとんどの人達が 鮮やかなその大きな花火に 釘付けになっている。 全体がカラフルな反射に照らされ クラブにいるかのような。 トップクラスというだけあって やはり素晴らしい花火だ。
だけど。
一人で見るのは素晴らしいはずの花火も どこか物足りないものになる気がした。
ゆあん
……じゃぱぱほんとなんかあった とかじゃないよな?
段々と焦りが生まれてくる。 たっつんにLINEを入れていた時点で 大丈夫だとは思うけど。
ゆあん
呟いた言葉は騒がしいはずの 言葉に反し夜の闇に溶けて消える。
ワンチャンたっつんと 合流してたりないかな…? そう思って携帯を確認しても たっつんからの…… ましてやじゃぱぱからの連絡もない。
ゆあん
長い間人混みに揉まれているせいで とても暑くあまりの蒸し暑さに 空間が歪んでさえ見える。 ちょっと一旦休憩した方がいいか。
……一緒に見たかったなぁー笑
だがもう半ば諦めていた、そんな瞬間。
ゆあん
急に背後からずっと探していた 人物の声が聞こえてきた。
ゆあん
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
声のした方へ振り返ると先程まで 制服姿だったはずのじゃぱぱが 浴衣に身を包んで立っていた。
コメント
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もう...じゃっぴのそうゆうとこ可愛いすぎな?!💕🥹