あの後教室に戻るとホームルームは終わっていて 皆は既に下校し始めていた。
tattsun
荷物を取りに席に行くと まだ残っていたたっつんが俺の所へきた。
tattsun
jpapa
薄ら笑って答えるとたっつんは 眉間にしわを寄せて聞いてきた。
tattsun
tattsun
確かにここ2・3日は授業で先生に当てられても 気付かない時が何度かあったし 休み時間はゆあんくんと生徒会室にいたから。
tattsun
tattsun
わかってる。
ゆあんくんにあんなことされてから 授業中もたっつん達といるときも ずっとずっとゆあんくんのこと考えちゃうんだ。
jpapa
jpapa
そう伝えてたっつんの返事を聞く前に 俺はすぐに教室を後にした。
yuan
帰り道にいつも通る駅近くのコンビニ。
ゆあんくんは今日もそこで1人煙草を咥えていた。
jpapa
一方的にあんなことをされっぱなしで 俺だってずっと黙ってられるわけじゃない。
俺達が話すようになったのは2週間前だけど 俺はゆあんくんの前だと自分を飾らずにいられたし 友達になれたと思っていた。
でも、ゆあんくんは違うんだろうか。
yuan
jpapa
jpapa
jpapa
少し怒り気味にそう言うと ゆあんくんは煙草を一吸いして笑った。
yuan
yuan
jpapa
怒りと恥ずかしさで顔が熱くなる。
ゆあんくんは俺のことをからかってるんだ 俺がウブな反応をするから。
yuan
ゆあんくんは片手に持っていた 煙草を俺の方に差し出してきた。
いやだから、吸わないって言ったじゃん。
jpapa
少し声を荒らげるとゆあんくんは 俺の後頭部を優しく抑えて自分の方に引き寄せた。
その瞬間にふわっと柔らかいものが唇に当たった。
なにが起きたかすぐには理解できなかったが 微かに煙草の味がしてそれが ゆあんくんの唇だったことに気付いた。
jpapa
yuan
俺がなにも言えずにいると ゆあんくんはスマホで時間を確認し 地面に置いてあったカバンを持ち上げた。
yuan
俺は遠ざかって行く背中をただ呆然と見ていた。
なんで、俺今こんなに心臓がうるさいんだろう……
次の日俺は昼休みに生徒会室へは行かなかった。
最近は昼休みはゆあんくんと2人で来てたけど なんとなく気まずくて行くのを辞めた。
放課後もホームルームが終わったらすぐに教室を出て とにかくゆあんくんと合わないようにした。
それが2日、3日と続きいつの間にか 週末に入り月曜日を迎えた。
jpapa
俺は3年間で一度も学校を サボりで休んだことがない。
成績のためなのもあったし お母さんに申し訳ないしって気持ちがあった。
なのに、なぜか今日はベッドから起き上がれない。
早く着替えて、ご飯食べないとなのに…
mother
いつも部屋には来ないお母さんが呼びに来た。
俺は心臓をばくばくさせながら 布団を被ったまま思い切って言ってみた。
jpapa
布団を被っているせいでお母さんの顔は見えない。
なんて言うかな、行きなさいって言われるかな。
mother
jpapa
mother
mother
初めて、学校休んじゃう。
お母さんにごめんなさいって気持ちと裏腹に 新鮮な気持ちも芽生えてきた。
でも流石に罪悪感があって 朝食を食べた後に私服に着替えて 駅の近くの図書館で勉強をすることにした。
かなり集中してやって時計を見たら もう13時を回っていた。
お腹空いた…お昼ご飯食べよう。
図書館を出て近くのカフェに入った。
月曜日のカフェは当然人が少なく マダム世代の人がちらほらいる。
実は俺はかなりの甘党なのでパンケーキを頼んだ。
ちょっと恥ずかしいから甘党なことは 友達には秘密にしているが。
パンケーキを一口食べた時後ろの席から なんだか聞き覚えのある声が聞こえた。
yuan
.
この声……ゆあんくん?
席は椅子が頭の高さまであるため 隣のテーブルは見えないようになっているが 間違いないゆあんくんだ。
なんでこんな時間に?
yuan
yuan
.
.
聞いてた感じゆあんくんに遊ばれた女の子が 本気にしちゃったみたいな感じだろうか。
本当、酷いやつだ。
はぁーっとため息をつくなり ゆあんくんは席を立ち上がった。
yuan
その場を去ろうとするゆあんくんが 俺のテーブルの横を通った時に目が合い 「あれ、じゃぱぱじゃん」 と声を掛けられた。
yuan
jpapa
ふーん?とにやにや笑う彼を睨みつける。
そんなゆあんくんの横をさっきの女の子が通り過ぎ 涙が溜まった瞳でゆあんくんを睨みつけた。
.
その子はそのままお店を出て行った。
yuan
その言葉は口だけで見られたことに 対してやばいとか恥ずかしいなんていう 気持ちがゆあんくんに全くないことは 彼を見ればすぐにわかった。
jpapa
俺がそう言うとゆあんくんはくすっと笑った。
伏目で笑う彼はやっぱり、顔だけは良い。
yuan
笑いながらそう言うゆあんくん。
別に刺されても良いと 思ってそうな所が少し怖かった。
yuan
yuan
jpapa
ゆあんくんはえー、と口を尖らせて 拗ねたマネをする。
そしてスマホを取り出して俺に見せてきた。
yuan
yuan
ゆあんくんのスマホには この前体育館の用具室でゆあんくんに 抜かれた後に撮られた俺の写真が映っていた。
頬をピンクに染めて下半身は露になって 床に座り込んでいる。
jpapa
yuan
yuan
そう言って、設定画面を開くゆあんくん。
俺は仕方なく降参するしかなかった。
jpapa
jpapa
yuan
俺がパンケーキを食べ終わるまで ゆあんくんは待ってくれた。
でもその間にも、
yuan
とか言ってからかってくるし、本当になんなんだ。
カフェを出てからゆあんくんに 連れられて行ったのはスタジオだった。
半分の壁が全て鏡張りになっていて 壁と床は全て真っ白。
暗いパープルのような色の照明がついていて なんというかクラブみたいな照明だった。
jpapa
彼の意図がわからなくて問うと ゆあんくんはブレザーを脱いで ネクタイを少し緩めた。
yuan
yuan
俺はとりあえず端っこにちょこんと座る。
ゆあんくんはスマホで操作して音楽を流した。
ん、この曲聞いたことある。
ゆあんくんは曲に合わせて踊り始めた。
文化祭とかで有志ダンスをする人は去年も見たけど こんな間近でダンスを見るのは初めてだった。
jpapa
ゆあんくんのダンスはしなやかで それなのに緩急がわかりやすくて 素人の俺でもわかるくらいに上手だった。
それに、こんな真剣なゆあんくん、見たことない。
yuan
何曲も踊ったあとに もう疲れたと言って床にごろんと寝転ぶ。
jpapa
既にアイドルのような彼のダンスを見て半ば興奮気味になった俺はゆあんくんにペットボトルを渡す。
yuan
ゆあんくんはペットボトルを受け取ると ごくごくと飲み干した。
そして俺の顔を覗き込む。
yuan
顔を覗き込まれて上目遣いで見られ 一瞬ドキッと心臓が跳ねた。
額を滴る汗が少し色っぽい。
jpapa
jpapa
yuan
ゆあんくんはブレザーを羽織って カバンを持ち上げる。
yuan
スタジオを出てゆあんくんと別れて家に帰った。
部屋でベッドにダイブして目を閉じる。
そういえば今日ゆあんくんなにもしてこなかったな。
別にして欲しいわけじゃないけどね。
これだったら明日も気まずくなく会えるな なんて考えながら目を閉じた。
コメント
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さいこうでした🥹🫶🏻 続き待ってます💭💞