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可愛すぎて死にます
つづき頑張ってください!
side ya .
俺の幼なじみは、世界一可愛い
可愛いピンクで、2つに結んだツインヘア
身長は150センチ前半程度で
本人は小柄なことを気にしているけど
小動物みたいな可愛さがある
"可愛い"という言葉は
のあのために存在していると
断言出来るほど。
放課後になり、ふぅ…と息を吐く
つまらない授業が、やっと終わった
今からは…
のあとふたりの時間
ya .
帰る支度をして、隣の席ののあに声をかけた
na .
笑顔で頷くのあに、ため息が出そうになった
…可愛い
のあを見ていたら、頭の中がその言葉で埋め尽くされる
まるで思考が停止してしまったようで
バカのひとつ覚えみたいにその言葉しか出てこない
でも、仕方ない
だってそれほど、のあは可愛いから
可愛くて可愛くて…
俺にとって、唯一の愛おしい存在
…そんなこと
のあは全く気づいていないんだろうけど
2人で教室を出て、廊下を進む
…ん?
隣にいるのあが、なんだか楽しそうに見えて
思わず口を開いた
ya .
ya .
のあは喜怒哀楽の"怒"の感情を持ち合わせずに生まれてきたような
ほがらかな性格だから、いつもは機嫌はいいけど
今日は周りに花が咲いたように見えるほど上機嫌
何かあったのか?
と思い、のあをじっと見つめると
図星を突かれたというような反応を見せた
na .
na .
恥ずかしそうに顔を赤らめて
ふわりと控えめな笑顔を浮かべたのあ
na .
na .
na .
あー…
あまりの可愛さに口元が緩みそうになって、急いで手で覆った
そして直ぐに、周りを確認する
今の可愛い顔、誰も見てないよな…?
どうやらその心配はいらなかったらしく、ホッとする
俺はのあの可愛さを独占したいから、他の奴には渡さないし
可愛い笑顔も見られたくない
のあの可愛さは全部
俺が独り占めしたい_
それにしても…
ただ俺の家に泊まるというだけでそんなに幸せそうな顔をされたら
たまらなくなる
抱きしめたい衝動をおさえるように
行き場のないため息を吐き出した
靴箱の前に着くなり、俺は1番上の段に手を伸ばす
ya .
na .
ya .
ya .
申し訳なさそうにするのあに、笑顔を向けた
のあと俺にとって、当たり前になっていることの1つ
のあの靴箱は、1番上の段だ
身長が低いのあでは届きにくいから、
俺が靴を出し入れしてあげている
のあの靴箱を開いて、中身を確認する
途端、俺の眉間にシワが寄った
またか…
中に入っていた、
ラブレターと思わしき封筒
俺が他の男子がのあに近づかないように牽制しているにもかかわらず
この学校には俺の目を盗んでのあに近づこうとする男子が
山ほど存在する
俺はのあに気づかれないように
ラブレターを袖の中に隠し、のあの靴を取ってあげた
差し出し相手に忠告してから、これは捨てておこう
ya .
下に靴を置いてあげると
のあはにっこりと笑った
na .
お礼なんて、いらないのに
俺がのあを独占したくてこんなことをしているなんて、
純粋なのあは知る由もないんだろうなぁ
俺がどれほどのあのことが好きで、
どうすればのあを困らせずに恋人関係になれるのかなんて
そればかり考えているとも知らずに…
俺を慕っている
俺はのあのこと、ただの幼なじみだなんて
思ったこともないのに
ずっと…
ずっと前から
のあは俺にとって
誰よりも何よりも
愛おしい存在
1度のあの家に寄って、着替えを取ってから、
15分ほど離れた俺の家へ向かった
2人で宿題をして、ゆっくり話して、夕ご飯を食べて。
その後
先に風呂に入るようにのあに伝えた
風呂から戻ってきたのあが、俺の部屋に入ってくる
ya .
平静を装ってそう聞けば、
のあがこくりと頷く
na .
ソファに腰掛けていた俺の隣に座ったのあ
俺は手を伸ばして、近くの棚からタオルを取り出した
ya .
ya .
ya .
ドライヤーも用意して、俺の前に座るよう促す
na .
ya .
俺がしてあげたいだけだから
という言葉は呑み込んで、笑顔で手招きする
少し考えてから、のあは言う通りに俺の方へ来た
na .
失礼しますって…
改まって、可愛いなぁ…
このまま後ろから、ぎゅっと抱きしめたい
ya .
のあの髪をタオルで優しく拭きながらそう言った
na .
首を縦に振って、リモコンを取りチャンネルを操作し始めたのあ
色んなチャンネルを見比べたあと、
放送されていた映画番組で止めた
na .
のあの言葉で、ドライヤーをセットしながら、
テレビの画面に視線を移す
……ん?
のあが好きそうな動物が映っていて、
一瞬コメディものかと思ったが、
すぐに画面が一転
不気味なBGMとともに、
ゾンビ化した動物が現れた
na .
叫び声をあげたのあが、俺の方を振り返って、
抱きついてくる
とっさのことで、ドライヤーが当たりそうになったが、
何とか回避した
ぎゅっと、足にしがみついてくるのあ
na .
na .
昔からのあはホラーものが大の苦手で、
今も自分でテレビを消す余裕すらないようだ
怖がりなところも、可愛い
俺は優しく頭を撫でて、そっとささやいた
ya .
ya .
ya .
ya .
のあ以外の人間が聞いたら
すぐに気づくような冗談を口にする
もっとのあに甘えられたくて、つい意地悪をしてしまった
na .
そう言ってさっきよりも強くしがみついたかと思うと、
目に涙を溜めて、俺見上げるのあ
na .
こんな嘘に騙されるなんて、
のあはどこまでも純粋だ
意地悪をしてしまって、罪悪感もあるけど
怖がるのあはずっと見ていたいくらい可愛い
na .
テレビから大きな効果音がして、のあがびくりと震えた
na .
それにしてもこの映画
そんなに怖い…?
どう見てもB級映画って感じだけど…
一体どこが怖いのか、ポイントが全く分からない
そっと手を伸ばして、のあの両脇に手を差し込んだ
華奢な体は相変わらず驚くほど軽くて、
そんなに力を入れなくても軽々と持ち上がる
ya .
ya .
俺はぎゅっと、のあを抱きしめた
のあも、すがるように俺の服をつかんでいる
普段は甘え下手で、朝寝ぼけている時くらいしか
甘えてくれないのあ
こんなに甘えてくれるなら、
これからさ頻繁にホラー映画をつけてみるのもいいかもしれない
のあに甘えられることが何よりもうれしい俺にとって
とても幸せな時間だ
ya .
na .
まだ幸せな時間に浸っていたいけど、
ぐすぐすと泣いているのあの姿に、
さすがに意地悪しすぎたかと反省した
これ以上はかわいそうだ…
そっとリモコンに手を伸ばして、テレビを消した
ya .
ya .
ポンポンと背中を撫でながらそう言うと
俺の胸にすっぽり埋まっているのあが恐る恐る顔を上げる
na .
na .
ya .
na .
安堵した様子で、俺に抱きついてくるのあ
ya .
na .
na .
甘えるような言い方が、たまらなく可愛い
あぁ…
このまま好きだと言ってしまいたい
のあも俺と同じ気持ちだったら、
ためらわずに伝えるのに。
こうして
俺の事を兄のように信頼してくれているのあに
そんなことは出来なかった
可愛がりたい、独り占めしたい
でもそれ以上に…
大切にしたい_
ya .
このままじゃ思わず、秘めている想いを口にしてしまいそうだと思い、
のあから離れた
のあのペースに合わせて、ゆっくりと…
俺の事を好きにさせてみせる
na .
心細そうな声が、室内に響いた
怖いものを見たあとで、
1人になるのは怖かったみたい
もとはといえば、のあが怯えているのは俺が見せたせいだし…
のあを寝かしつけてから、お風呂に行こう
そう思い、俺はのあの頭を撫でた
ya .
ya .
そう言うと、こくりと頷いたのあ
俺はそっと手を伸ばして、華奢な体を抱きかかえた
夜にホラーものを見せるのは控えなきゃな
…ᴛᴏ ʙᴇ ᴄᴏɴᴛɪɴᴜᴇᴅ