中学生殺し屋は養護教諭に恋をした。裏話集　　太中

じゃん拳の結果。

敦の勝ち。

そろそろと一番安全そうな場所を抜く。

一番上に置き、深い息を吐いた。

芥川は一番下の片端を抜いた。 次からが危険になる場所だ。

一番上、木の打つかる小気味良い音が響いた。

三番手の太宰。 愉しそうに、芥川の抜いた場所の反対側＿一番下のもう片端＿を抜き取る。

一番下の段が一つのピースで支えられる状態となった。

中也が慌てる。次の順は自分であるのに、いきなりバランスを崩されては堪らない。

何でも無い様にピースを上段に乗せる太宰。

途端に塔のぐらつきが強まった。

中也が誰にともなく呟く。

まだ安全そうな真ん中をそっと押し出す。

後は凸の部分を引っ張り出して上に乗せるだけ…

目を瞠った中也の手が振れる。

塔が一際大きく揺れた。

ガシャーンッ

真逆の四ターンで終了。 中也は声を震わせて云う。

先程から笑い転げて居る太宰。

如何やら彼の悪ノリ精神に火が着いて仕舞った様だ。

最早教師では無く同年代の子供にすら見える。

机に突っ伏す中也の周りで一年生達がいそいそと片付けをし始めて居た。