Nakamu
Nakamu
Nakamu
Broooock
Broooock
Broooock
Broooock
先生
www
あいつまた寝てたのかよw
杉本の説教とかお陀仏じゃん
まじか〜w
ダメ人間だろ、あれ
Broooock
先生
先生
Broooock
あーあ、かっわいそ
あいつ、
Broooock
人生に救いがないんだよ。
先生
先生
Broooock
Broooock
Broooock
Broooock
15歳、Broooock。
日本人と中国人のハーフ。
成績、運動、共に普通。
問題は、
僕が致命的に眠れない体質 だということだ。
Broooock
眠れないと頭痛が酷くなる。
眠れないのは、そう
全部、全部ピアノのせいだ。
Broooock
Broooock
Broooock
僕の特技、趣味、生きる意味。
それはピアノを弾くこと。
結論から言うと、鍵は開いていた。
なぜなら、
そこには、何やら興味深げにピアノを眺める小柄な男子学生が居たからだ。
シャークん
彼は僕が入ってきたのに気が付くと、
ピアノの椅子から飛びのいた。
Broooock
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
Broooock
Broooock
そいつは、脱兎のごとく走り去った。
Broooock
だが、僕にとってはどうでもいい。
Broooock
僕は、ピアノを弾きに来た…
いや
ピアノに引きずられて生きているだけのダメ人間だから。
Broooock
Broooock
Broooock
Broooock
Broooock
Broooock
出だしのDの単音。
その奥で響かせるのは、 優しいAとDの和音。
きっと誰もが光を望む。
曲調は光を纏い、温かく優しく。
まさに「救い」。
天から降る光のような調べ。
彼方の光。
僕にその光は届かなかったようだ。
またミスをした。
ここに母親がいるわけではないのに、 動悸が激しくなる。
彼方の光は僕を見捨てた。
当たり前だと言うように、
いとも簡単に、
僕を置き去りにした。
結局帰りは夜になる。
まぁ、ミスが少なくなったから 練習してよかった。
早く帰らないと。
──お母さんの居る病院へ。
シャークん
Broooock
Broooock
シャークん
Broooock
Broooock
シャークん
シャークん
シャークん
Broooock
Broooock
シャークん
シャークん
Broooock
シャークん
シャークん
Broooock
Broooock
Broooock
シャークん
Broooock
シャークん
シャークん
Broooock
Broooock
シャークん
自分の演奏を聴きたいと言ってくれた人は初めてだった。
僕と彼は音楽室で待ち合わせをして、
それぞれ別れることにした。
Broooock
母親
母親
Broooock
母親
Broooock
母親
母親
Broooock
母親
Broooock
母親
Broooock
母親
母親
「あんたの取り柄はどこにあるの」
Broooock
僕は
Broooock
こんなやつのために
Broooock
ピアノと向き合ってるんじゃない!!
僕は細い母親の手首を掴み、
ぐいっと引っ張る。
弱々しい母親の腕は、 ゾッとするほど震えている。
そして、僕は言ってはいけない事を 叫んでしまった。
Broooock
Broooock
看護師
後ろから羽交い締めにされる。
Broooock
Broooock
Broooock
Broooock
Broooock
Broooock
Broooock
看護師
看護師
Broooock
母親
母親はびっくりしたように 目を見開いて僕を見ていた。
その目に、1粒の光が浮かんでいる ような気がした。
誰もいない病院の個室は、
当たり前だが寂しかった。
でもそれが一番僕に 合っている気がしたから、
そこでひとり眠った。
長い眠りだったと思う。
起きてもまだ動く気にはなれず、
僕はずっとそこにいた。
長い間、そこにいた。
でも、数日後、思い出した。
僕は何かを忘れている。
コンクールで入賞するとか、 お母さんと仲直りするとか、 数学のワークの提出日とか、
そんな事じゃない。
僕の
僕のピアノを
聴きたいと言ってくれた人がいる。
だから。
Broooock
Broooock
Broooock
看護師
看護師
看護師
Broooock
Broooock
看護師
彼は怒っていないだろうか。
とうに諦めていないだろうか。
僕のピアノを… 好きになってくれるだろうか。
そんな思いに身を馳せながら、
僕は外へ駆け出して行った。
鍵を借りる。
廊下を歩く。
僕を蔑む視線も無視する。
音楽室へ行く。
Broooock
誰もいない。
誰もいなかった。
あの小柄で声が低い、
臆病な彼は居なかった。
約束を破ったから、
腹を立ててしまったのだろうか。
僕の音は、 誰にも届けられなかったのだろうか。
Broooock
ズキズキと痛む心を抑え込むように、
僕は鍵盤に向かった。
Broooock
【彼方の光】。
暖かくて優しく、
なのに悲しい。
「悲しみの中にある時はいつだって」
「はるか彼方から 至るところから」
「あなたは私を高みに 引き上げてくださる」
誰にも伝えられない悲しい音楽は、
賛美歌の美しすぎるメロディーに 乗って流れる。
クライマックス。
オクターブと和音で力強いメロディーへと移り変わる。
「来たれ汝の神聖なる精霊よ」
「来たれ汝の天国の家より」
Broooock
優しく叩きつけ、
絶望で包む。
そうか、ピアノってこんなに 感情が表に出やすいんだ。
最後の一音。
まさに彼方の光が差し込むように。
静かに、溶け合っていく。
Broooock
Broooock
静寂。
弾けた。…最後まで。
僕が息をついていると、
ぱち、ぱち、ぱち。
ゆっくりとした拍手が響いた。
慌てて音のなる方を振り向くと、
Broooock
Broooock
そこには、帰ったと思っていた シャークんが立っていた。
シャークん
シャークん
Broooock
Broooock
シャークん
シャークん
シャークん
Broooock
シャークん
シャークん
Broooock
Broooock
いっぱいお話したかった。
なぜ数日間休んでいたのか、
なぜこの曲をひいているのか、
お母さんの病気が重くて心配だとか、
不眠症で授業中寝ちゃうから ノート見せてほしいとか!!
Broooock
シャークん
シャークん
Broooock
シャークん
やっと巡り会えたんだ… 僕の音を好きになってくれた人に。
だから、いっぱいお話をしたい。
僕にも彼方の光は救いをくれた。
これから僕は暖かい日々を 過ごせるんだ───!
──と思っていたのに。
Nakamu
いきなりめちゃくちゃ明るい人が来て 支離滅裂な事を喋り出す。
Nakamu
その後ろから おずおずと顔を覗かせたのは、
きんとき
まともそうなやつ。
きんとき
きんとき
あーごめん全然まともじゃなかった。 盗み聞き野郎じゃん、こいつ。
こいつら、何!?
で、白尾軍って何!?
OMG!! 誰か説明してくれよ!💦
Broooock
Broooock
Broooock
Broooock
シャークん
Broooock
シャークん
シャークん
Broooock
Broooock
Broooock
シャークん
……To be continued