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Relu
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Relu
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Relu
Relu
くに
くに
白いパイプベットに横たわる『彼女』の言葉を聞き終え……俺は心から安堵した
俺は……俺らはずっと……待っていた……
感慨に耽りながらベットサイドに佇んでいると… 扉の向こうからノックが3度なり、 扉が開くと白衣を纏った医師が姿を表した
医師
くに
体をずらし『彼女』を医師に見せた 何かを察したのか…軽く会釈をした
『彼女』はベットの上で規則正しく… でも…今にでも消えそうな小さい寝息を立てていた
既に寝入ったようだ…
医師
くに
くに
医師
くに
くに
目覚めることを待ちわびいていた……
ずっと待っていたんだ…『彼女』からの返事を…
あの“約束”を果たすため……
ベットに横たわる『彼女』は当初16歳だった
飲酒運転の車と衝突し緊急搬送された
外傷も軽く、命に別状はなかったが… 事故の転倒時…頭部を強打してしまい… それが思わぬ後遺症となってしまった
事故直前は何もなかったが… 搬送後…何故か『彼女』は突如深い眠りについてしまった
それ以来…ほとんどの人生を病室のベットで過ごしていた
脳の傷が睡眠中枢を刺激したのが原因らしいが… 詳しい事は分からなかった
医師は「不定期か上睡眠症候群」と名付け 詳細は分からないため…見守る事しか出来なかった
彼女は基本的眠ったままだがごく稀に目覚め短時間の間だけ会話をする事ができた
まるで後遺症が無かったかのように
事故後の彼女の覚醒回数は今のを入れ“5回”
初回から4回の覚醒時、『彼女』の側にいたのは俺の叔父であり『彼女』の幼馴染『Coe.』だった
彼は毎日ここに来てずっと彼女に話しかけられた
それが功を奏でたのかもしれないが… 1度目の覚醒は事故後の1日後だった
しかし2度目はその2ヶ月後
3度目に至っては6年後… 『彼女』と叔父が22の時だった……
その後…しばらくして『彼女』の両親は他界
しかし…彼女は生きたまま眠っていた……
叔父は『彼女』の身元を引き受け…『彼女』を見守り続けた
俺にとっては父親の兄と言う立場
叔父は35の時、『彼女』の4回目の覚醒に立ち合った
3度目と4度目の間は12年
覚醒の感覚はどんどん長くなっていた
『彼女』の感覚ではたった1日過ぎた程度
鏡もなく…代わり映えのしない病室の中… 極僅かな間だけ意識を取り戻す『彼女』にとって時間の感覚が曖昧になるのは仕方の無いことだった…
医師達ら『彼女』にショックを与えないようにと時の経過を隠そうと話していた
叔父は4度目の覚醒時、彼女に年老いた姿をを見せぬようにとカーテンに隠れていた
俺が生まれたのは4度目の覚醒時だった
寝たきりの彼女にずっと寄り添う理由がわからず幼い頃はずっと疑問だった
時間は進み続け…5度目の覚醒はもう分からない状況だった……
俺が叔父の事情をちゃんと聞いたのは一昨年の春頃だった
4度目の覚醒からもう40年以上経とうとしていた…
叔父は『彼女』の事…事故の事…関係性等… 全て聞かせてくれた
叔父がずっと独身でいた理由はその時初めて知った
『彼女』が再び目覚め…… ずっと側に居てくれる日を待ちわびて……
“奇跡”と言うものを信じて……
愛の一言で終わってしまうのは余りにも長い年月だった…
甥の俺でさえ…もう妻子もいる……
叔父は長い年月を独身で…ずっと『彼女』の側にいたのだ……
だが…もう側には居られなかった……
叔父は「彼女を頼む」と俺に約束を伝え… 肺癌を抱えた状態で…他界してしまった
約束…『彼女』の覚醒に立ち会い…そしてあの時の返事を聞くこと…
そして…『彼女』が完全に眠るまで見守る事
俺がいない間に目覚めてしまったら今までの意味がなくなる… だから俺は仕事の合間を縫って多くの時間…通院していた……
目覚めるかも分からない賭けを…俺は信じていた
不思議と…賭けに勝てると思ってしまっていたから……
かくして……俺は…俺らは賭けに勝てたんだ……
『彼女』は老化で目が衰え…俺の事を叔父と思い込んでいたようだ……
まぁ…時間の経過が露見に済み……帰って良かったと俺は思う…
医師
くに
ベットに横たわる『彼女』…
白髪の小さな『老女』は眠っていた…
瞼は固く閉ざされ…先程の覚醒にも力が入っておらず…医師の言うとおりだろう……
小さくなっていく灯火に…叔父の姿を思い描く……
静かに…幸せそうに…『老女』を見つめる叔父を……
くに
くに
医師
医師
叔父は願っていた
もう一度…『彼女』と一緒にいれることを
もう一度……『彼女』を抱きしめる事が出来る時を……
医師
ッー…… ッー…… ッー……
医師
俺は『彼女』に身を寄せた
くに
ッーーー
医師
皺だらけの『彼女』の手を握り…そっと囁いた
くに
くに
医師
くに
医師
くに
ゆう
くに
ゆう
くに
こったろ
くに
こったろ
ゆう
こったろ
くに
……彼らが…再会出来ますように……
その夜、彼は夢の中で幸せそうに微笑む二人を …見たとか……見てないとか………
それは幻か……幻想か………
医師
🌙
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コメント
1件
ああ……読み終えて、しばらく動けませんでした。Reluの「大好きやったで」が、40年越しに届く瞬間、涙が止まらなかったです。ずっと待ち続けたCoeさん、その想いを託された甥さん……時間の重みが静かに沁みました。退院を待たずに迎えた最期に「おやすみ、良い夢を」と囁くシーン、とても美しかったです。素敵な物語をありがとうございました🌷