蓮
私の名前はセイオン。
覇王の腹心の将にして、覇王が治める国、エクウェの第二王子である。
もっとも、今はその肩書も意味がないのだが。
というのも、エクウェは今まさに滅びようとしているからだ。
原因は、あの忌々しい『虚霧』という毒だ。
触れれば命を落とす死の霧。
そんなものがエクウェの国土の半分以上を覆うように発生してしまったのだ。
しかも、その発生源は不明。
原因も不明。方法も不明。ただ一つ確かなのは、このままだと世界が滅ぶということだけ。
そんな状況の中、主人公はある決意を固める。それは────────
「俺、精霊使いになるよ!」
こうして、虚霧の海の発生の原因を探るべく、主人公が動き出す! なお、本編では語られなかった設定だが、精霊力は万物に宿っているとされる。
その性質上、生物以外の物にも精霊力を宿らせることが可能であり、 人間以外にも意思を持つ存在が存在する以上、 そこに宿った精霊力によって精霊使いが生まれることも有り得るのではないかと思われる。
ただし、その場合精霊使いになれるのはあくまで人間のみであり、 それ以外の種族は例外なく精霊使いになれないという制約があるようだ。
これは『精霊』という存在の定義に関わる問題であるため、 仮に全ての人間が精霊使いになった場合、 その時点で人間の数に対して精霊の数が全く足りなくなるという問題が発生するためであると考えられる。
「お前らみたいな雑魚どもと一緒に戦うなんてまっぴらだね」
そう言い放つなり、俺はさっさとその場を離れていった。
背後からは、「なんだアイツ!?」「ちょっと可愛いと思ったけど性格悪すぎじゃない?」とかいう声が聞こえてくるが、知った事ではない。
別に嫌われようがどうしようが構わんのだ。元々そういう風に振舞っていたわけだしな
