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一犀(いっせい)

久しぶり

ビオラ

そうだね

一犀(いっせい)

本当に探偵事務所開いたんだな

一犀(いっせい)

おめでとう

ビオラ

ありがとう

ビオラ

そっちも立派な検事さんになったみたいね

一犀(いっせい)

ああおかげさまでな

一犀(いっせい)

なぁ俺たちのこれからの話をしないか?

ビオラ

・・・

私がまだ大学生だった頃の話

彼も私も法学部に所属し それぞれの将来を追いかけていた

一犀(いっせい)

俺さ検事になろうと思うんだよね

ビオラ

そっか
いっくんは優秀だからきっと大丈夫だよ

一犀(いっせい)

そっちは?
何になりたいとかあるの?

ビオラ

私か
私はまだ決まってないかな

それからしばらくして 私は弁護士になることを決めた

ビオラ

私ね弁護士になろうと思う

一犀(いっせい)

弁護士!?

一犀(いっせい)

優秀な君が弁護士なんて冗談だろ?

ビオラ

どういうこと?

一犀(いっせい)

検事は法律で悪をさばくんだよ

一犀(いっせい)

弁護士はその悪の味方をするってことだぜ?

一犀(いっせい)

君ほどの優秀な力があれば一緒に検事を目指せると思っていたのに

一犀(いっせい)

よりによって弁護士なんて

ビオラ

そんな言い方ないじゃん

ビオラ

弁護士は依頼人の権利を守る仕事

ビオラ

犯罪をおかしてしまったり過ちをおかした人にも

ビオラ

何か手を差し伸べられることがあるはずだから

一犀(いっせい)

へえー
それは偉いことだな

一犀(いっせい)

応援してるよ

ビオラ

そんな言い方・・・

それから私達はそれぞれの道に進んだ

研修生として初めての模範裁判の日

相手は一犀だった

結果私はボロボロに負けた

一犀(いっせい)

だから言っただろ?

一犀(いっせい)

正義とか真実とかそういうものを武器に戦いたいのなら

一犀(いっせい)

検事になるべきだ

一犀(いっせい)

弱い者や犯罪者の味方をして何になる?

一犀(いっせい)

正義はいつも勝つんだよ

ビオラ

何が正義よ

ビオラ

人が人をさばくことなんてあってはならないし

ビオラ

一個人が正義をふりかざすことなんてあってはならない

ビオラ

だから私達は真実を導き出してそれで戦うことしか出来ないの

一犀(いっせい)

それならば君の真実ってなんだよ

一犀(いっせい)

正義ってなんだよ

一犀(いっせい)

真実で人を救うことは出来ない

一犀(いっせい)

真実を知ってもなお犯罪者や罪人を救うことができるなら

一犀(いっせい)

君は本物だろうな

ビオラ

救うことができたなら・・・

一犀(いっせい)

なあ一緒に検事にならないか?

一犀(いっせい)

俺さ君となら向かうところ敵なしな気がするよ

一犀(いっせい)

その鋭い洞察力がきっと役に立つ

ビオラ

ごめんなさい
お断りします

ビオラ

私は私なりの真実を見つけます

ビオラ

もしそれが間違っていたとしても真実の光を当てることを

ビオラ

絶対に諦めない

一犀(いっせい)

そうか・・・残念だな

それから私はがむしゃらに勉強し

探偵事務所を立ち上げた

より相談者に依頼人に 寄り添う仕事がしたかったから

真実の光を相談者に 当ててきたつもりだ

ビオラ

その前にひとつだけ言わせて

ビオラ

あなたには感謝しているの

ビオラ

私がこの仕事につくきっかけをくれたのはあなただったから

ビオラ

あの時に探偵を目指そうと思った

ビオラ

だからありがとう

一犀(いっせい)

そうか

一犀(いっせい)

今日は言いたいことがあってきたんだ

一犀(いっせい)

検事として君を迎えたいのだがどうだろうか?

ビオラ

だからあの時にもお断りしたはずです

一犀(いっせい)

あの時と今とでは状況が違うだろう

一犀(いっせい)

君の高い評判はこちらでも聞いているよ

一犀(いっせい)

気持ちに寄り添ってくれて真実の光を見つけ出してくれる探偵だと

ビオラ

それはありがとう

一犀(いっせい)

だからこそ君の力が必要なんだ

一犀(いっせい)

俺を助けると思ってまずは話を聞いてくれないか?

ビオラ

探偵としての立場ならご依頼を承りましょう

一犀(いっせい)

分かった
そうしよう

一犀(いっせい)

今回の件は警察も関わっているケースだから君は入れないだろう

ビオラ

そうね
警察は探偵を嫌ってる

ビオラ

まず警察との協働は無理ね

一犀(いっせい)

だが君のその洞察力を借りたくてきたんだ

ビオラ

ではこうしましょう

ビオラ

その事件の真実に私が光を当てることが出来たなら

ビオラ

私を検事に呼ぶことは諦めて

ビオラ

もしも私が真実を見つけ出すことが出来なければ

ビオラ

検事としてあなたと働くわ

一犀(いっせい)

さすがの交換条件だな

一犀(いっせい)

受けて立つとしよう

一犀(いっせい)

事件の経緯から説明させてもらう

一犀(いっせい)

今回の事件の被害者は全て女性で7名だ

ビオラ

7人も被害者がいるの!?

ビオラ

NEWSになってないじゃない

一犀(いっせい)

この事件はある職場内で起きていて事件の真相が明らかになるまでは

一犀(いっせい)

公にしてほしくないという希望があってな

ビオラ

なら私に捜査資料を見せることも内容を話すことも違法じゃない

一犀(いっせい)

その通り

一犀(いっせい)

だけど君の力が必要だ

一犀(いっせい)

極秘で頼む

ビオラ

はぁー
分かったわ

一犀(いっせい)

助かるよ

一犀(いっせい)

それで7名の被害者は全員会社の靴箱の中に

一犀(いっせい)

手榴弾型の不発弾が入れられていた

ビオラ

不発弾・・・

一犀(いっせい)

そう

一犀(いっせい)

あとから調べた警察によると全て手づくりされていて

一犀(いっせい)

どれも不発弾に見せかけた作り物だった

一犀(いっせい)

だがひとつだけ小さな爆発を起こすものが入っていた

一犀(いっせい)

その爆発の被害者は奇跡的に怪我ですんだ

一犀(いっせい)

靴箱を開けると同時に爆発するよう仕掛けられていたようだ

ビオラ

なるほど

ビオラ

嫌がらせにしては手が込みすぎてる

一犀(いっせい)

そうなんだよ

一犀(いっせい)

それで俺達も捜査に加わった

一犀(いっせい)

靴箱の中には

一犀(いっせい)

7人全員の中にこの絵が入っていた

ビオラ

草なのかな?
お花のようにも見えるけど

一犀(いっせい)

それともうひとつ

一犀(いっせい)

意味の分からないひらがながひとつずつ入っていたんだ

一犀(いっせい)

それぞれに

「せ」「な」「ご」「は」「ほ」「す」「す」

ビオラ

何のことだろう

一犀(いっせい)

全く分からなくてな

ビオラ

何かの頭文字かな?

ビオラ

あ、頭文字だとしたらどこかで・・・

一犀(いっせい)

分かるのか!?

ビオラ

いやー分かんないな

一犀(いっせい)

そうだよな

ビオラ

被害者のお名前は?

一犀(いっせい)

1人目から順番に

紺野芹菜 近藤なずな 御形莉子 箱部麻美 毛野崎真由 本山鈴菜 白岩すず

一犀(いっせい)

この7人だ

ビオラ

なるほど

ビオラ

さっきの7つの平仮名はこの7人の名前の頭文字かと思ったんだけど

ビオラ

それもバラバラでどうも違うみたいね

ビオラ

唯一爆弾を入れられていた被害者は?

一犀(いっせい)

近藤なずなさんだ

ビオラ

そう
分かった

ビオラ

少し時間をちょうだい

一犀(いっせい)

もちろんだよ

~続く~

探偵事務所 Light of Truth

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コメント

2

ユーザー

ビオラさんほどの鋭い人なら確かに悪を裁くのも良いかもしれません…でも、私もビオラさんの意見に賛成で探偵や弁護士のほうが良いのかもしれませんね。

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