生徒会室
朔
...で?私に何の用かな?
朔
朔
贄川 一生君
一生
全校生徒の名前を丸暗記してるってマジだったんですね...
朔
そんなの朝飯前だよ
朔
そんなことより突然どうしたんだい?
一生
単刀直入に聞きますけど、会長...
一生
一生
猫屋敷が退学したのって本当なんですか?
朔
それは誰から聞いたのかな?
一生
猫屋敷本人です
朔
そうか...本当だよ
一生
その証拠は?
朔
何だ、現実が受け止められないのか
朔
じゃあ特別に彼女の退学届を見せてあげよう
そう言うと会長は 引き出しから1枚の紙を 取り出し俺に渡した。
朔
ほら、見えるかい?その紙に書いてあることが真実だ
朔
ついでに誓約書も見せてあげよう
一生
....
朔
ここに来たということは、恐らく猫屋敷さんから退学になった理由は聞いているだろう
朔
彼女は規則を破った、だから退学になったんだ
朔
悲しいとは思うがこの事実を受け止m
一生
違う
朔
ん?
一生
違う、これじゃない
朔
何を...
一生
この字は猫屋敷の父親の字じゃないッ‼︎
朔
...何を言っているんだい?これが偽物の字だと?
朔
そもそも君は猫屋敷さんのお父様の字を見たことがあるのかい?
一生
ある
朔
なっ...
一生
猫屋敷が退学処分になった翌日、俺は刹那さんに無理言って父親の書いた書類を一部持ってきて貰ったんです
一生
その書類には頻繁に署名欄があったから、その文字の形や筆圧を全部暗記しました
一生
そして今、この退学届を見て確信した...
一生
これは偽物の字だ‼︎本当の父親が書いた字じゃない‼︎
朔
...はは、何を言い出すのかと思えば偽物発言か
朔
そこまで言うのであれば、証拠を持ってきてくれるかな?
朔
君が覚えていると言った記憶以外の明確な証拠をさ
一生
....
朔
おや?どうしたのかな?
朔
まさか私には彼女が退学をした証拠を見せろと言ったのに、逆の立場になると証拠が提示できないと?
朔
それは都合が良すぎないかい?
朔
突然生徒会室に殴り込んで来たと思えば、憶測で発言をして...
朔
帰りたまえ、ここは君が遊びに来るような場所ではないんだ
一生
....
一生
...いるんだろ?
一生
一生
榊原 彼岸
朔
...どうして急に榊原先生の名前が出てくるんだい?
一生
アイツは...今、美術の先生をしています
一生
なかでも、最も得意とするのは模写や複製画の分野です
一生
この退学届の文字を見て思いました
一生
これはアイツの字の書き方です、俺には分かる
朔
...だから結局は記憶の中の物語だろう?
朔
確実な証拠がない限り、話が進まないんだが...
一生
頼む...本当のことを教えてくれ...
一生
一生のお願いだ‼︎頼む‼︎
朔
だから確かな証拠を
彼岸
仕っ方ないなー☆そこまで言われちゃ、教えるしかないじゃん☆
彼岸
てか気付いた?☆
一生
テメェ...やっぱり...
彼岸
そうじゃなくて、一生(いっしょう)のお願いと一生(いっせい)のお願いって2つの意味があって面白いよねー☆
一生
うっせーな‼︎どうだっていいだろそんなこと‼︎
彼岸
え?☆いっせーな?☆
一生
テメェ...マジぶん殴るぞ...
彼岸
おー☆怖い怖い☆
彼岸
じゃあ、えーっと...☆うん、そのとおり‼︎☆
彼岸
あーしが瑠流ちゃん退学の件の犯人だったのでしたー‼︎☆
一生
何でそんなことをしたんだよ‼︎猫屋敷がどういう気持ちだったのか分かんなかったのかよッ‼︎
彼岸
んー...☆まあ、あーしも心が痛かったよ?☆
彼岸
でも朔ちゃんに頼まれたからOK出しちゃった☆
一生
会長が...頼んだ...?
一生
どういうことだよ、会長‼︎
朔
榊原先生、この件は他言無用だと言ったのですが...
彼岸
だって、いっせーからの“お願い”だよ?☆こんな機会もう訪れないよ?☆
一生
俺を何だと思ってんだよ
朔
バレたものは仕方がないね
朔
君には話すよ...
朔
朔
猫屋敷 瑠流さんを退学させる“フリ”をした理由をね