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目を開けると 満点の星空

うわぁっ、凄い!

速く来てよ!

××××!

××××

ちょ、走るな “  ”

だって!だって!

いつか見た兄妹が 無邪気に駆けていた

××××

小学二年生だろ?

××××

ちょっとは落ち着け

む、

××××も、本当ははしゃぎたい癖に......

妹が不満そうに 頬を膨らます

それを見た兄が ふっ、と微笑む

輝く夜の下

兄妹が空を見上げていた

星の様に煌めく 微睡みだけが

そこには在った

ずーっと一緒だよっ!

ケースケ!

輝く夜の下

“ 偽物 ”の兄妹が 空を見上げていた

sideマイキー

マイキー

......

......

鶴蝶が部屋から出ていき 遂に二人だけになる

心待ちにしていたはずの相手

苗字を捨てて 他人として生きていた相手

公安警察 『 蒼花 嶺 』

本名は 『 ×××× 嶺 』

元気、だった?

マイキー

......あぁ、それなりに

その割に...クマが多いね、笑

マイキー

うっせ、

お互いに仮面を被り 会話を始める

一言一句 見逃さぬ様に

言葉一つにも 棘がつく

......ねぇ、

マイキー

、?

不意に嶺が口を開いた

何で──

何で、自分を攫ったの?

マイキー

......

藍色の髪が 不規則に揺れる

まるで 彼女の“ こころ ”を表すように

蒼い瞳は 変わらず俺を見据える

マイキー

......嶺はもう、

だから と言うべきか

マイキー

嶺はもう、二十歳か?

口から出た言葉は “ そんな事 ”だった

、笑

予想外の答えだったのか 嶺が頬を緩ます

うん、

自分は二十歳

そうやって 彼女ははにかむ

それだけなら 良かったのだが

“ アイツ ”なら、二十七歳

もちろん、“ 生きてたら ”

マイキー

ッ、

火の中に 油を大量投入

嶺は昔から 余計な事をホイホイと話す

なーんて、ね?

冗談だから、笑

嶺はくすっと苦笑を零す

夕暮れに染まる 蒼色の瞳は

見惚れてしまうぐらい 綺麗だった

マイキー

なぁ、嶺──

──ねぇ、マイキー

いきなり 嶺が話を遮る

それから少し逡巡した後

次のハロウィン、さ?

蒼い瞳を 微かに揺らしながら

できれば、春くんとマイキーと

兄貴の墓参り、着いてきてほしい

そう お願いしてきた

マイキー

......

今は亡き幼馴染

果たして 悪の道を進んだ俺が

彼に会う事を 許されるのだろうか、?

マイキー

──......。

......、

また、返事くれれば良いから

俺の心情を察したのか 嶺は急かさない

それでも 背けていた過去が

俺を縛り付けた

マイキー

──嶺、

......それじゃ、マイキー

またもや話を遮ると 嶺は名残惜しそうに笑った

お迎え...みたいだから、笑

ガチャッ

鶴蝶

首領、そろそろ

嶺のその言葉と同時に ドアから鶴蝶が入ってくる

マイキー

......もう、そんな時間か

気づけば かなりの時間が経っていた

俺は鶴蝶に 嶺を部屋へ連れて行くよう指示し 彼女に別れを告げる

、うん

また、ね

微妙に緊張した嶺

マイキー

あぁ、

マイキー

じゃあな

俺はそれを素っ気なく返した

“ またね ”は 言わなかった

マイキー

マイキー

......?

去り際

嶺が振り返り 俺を見る

彼女の口からは 異国の言葉がでてきた

“ 오빠가 기다리고 있어요 ”

マイキー

ッ、!

韓国語

鶴蝶には伝わらなかっただろうが 俺には伝わった

『 そんな訳ない 』

そう思いたいのに

『 もしかしたら 』

と、いらぬ幻想が浮かぶ

それじゃ、

そう言い残し 嶺は去った

静まり返った 独りの空間

沈む太陽に照らされ

夕陽に染まった雫が 頬を伝った

マイキー

ご...めん、なッ......、

マイキー

場地......ッ、

八重歯を覗かせ不敵に笑う 黒い長髪の幼馴染が

瞼の裏に 蘇った

side嶺

コツコツコツコツ

......

鶴蝶

......

静寂の狭間に 足音だけがコダマする

これからどうやら

自分は 反社とヨロシクするらしい

そんな中 ふとくだらない疑問が浮かぶ

......なァ、鶴蝶

鶴蝶

鶴蝶

なんだ?

そう問いかける鶴蝶に 自分は一拍置いて話し出す

反社と警察、

分かり合えると思うか?

鶴蝶

は?

我ながら 馬鹿げた話だと思う

散々反社を嫌っておいて 今更仲良く?

......ごめん、嘘だから

忘れて、

......やっぱり

ジブンタチ  “ 反社と警察 ”は

分かり合えな──

鶴蝶

分かり合えるん...じゃね、?

ッ、!?

鶴蝶の口から出た 想定外の言葉

その言葉に 自分は動けなくなった

鶴蝶

......

鶴蝶

別に、分かり合えなくても

そんな自分を他所に 鶴蝶は続ける

鶴蝶

お互い、想う気持ちがあれば

鶴蝶

人は、繋がれる

──!

鶴蝶

......って、ちょっとカッコつけすぎたか?笑

少し気恥ずかしそうに 鶴蝶が微笑む

......あぁ、

お前の癖に、カッコつけすぎだ、笑

対して私は 少し上から目線で笑った

、w

あーぁ

まさか自分が 反社の言葉に救われるなんて

夢にも 思ってなかった

......w

いや ちょっと違うか

一度だけ

ううん、何度も

夢見た言葉が 頭の中を乱反射した

ボンテン  ジブン “ 反社 ”と“ 警察 ”

混ざり合えば

どんな化学反応が 起こるのだろうか

きっと来ない そんな未来

それでも 自然と

頬が緩んだ

それから暫く

鶴蝶が ある扉の前で立ち止まる

鶴蝶

ここがお前の部屋だ

鶴蝶

空調も、風呂も全部揃ってる

へー

随分と優遇してくれてんのな

自分は皮肉っぽく 鶴蝶を笑う

鶴蝶

そりゃあ、な

鶴蝶

上司の客人には、しっかり接待しねぇとだから、w

ふぅん、

そりゃー ごもっともだ

鶴蝶

んじゃ、俺はこれで

そう言って 背を向ける鶴蝶

なァ、鶴蝶?

そんな彼を呼び止め 少し近付き

鶴蝶

、?

首を傾げる彼に 自分は耳元で囁いた

“ 난 너희가 싫어 ”

“ 하지만── ”

“ 당신들이라면 ”

“ 좋아할 것 같아요 ”

それじゃ、鶴蝶

今日は......ありがとな

馬鹿みたいに 口を開いたままの彼

そんな彼を小さく笑って

部屋に入ろうとした

──時だった

あれ、鶴蝶ジャーン

突然後ろから声がして

鶴蝶

......?

、?

は、

振り返ると いかにもチャラい見た目の男

......その子、誰?

ソイツは 首を傾げる

一々の所作が やけに様になる男だった

......

コレは、間違いない

梵天の幹部

──“ 灰谷蘭 ”?

そーいう君は──

公安警察の、“ 蒼花嶺 ”チャンか?

あのハロウィン以来の

二回目の “ 出逢い ”だった

NEXT1000

反 社 と 警 察 _ 。

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コメント

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ユーザー

え、レイちゃん韓国語話せんの凄 マイキーもちゃっかりわかっちゃってる(?)し! そしてどんな化学反応なのかとかをすぐ(?)考えれるレイちゃん、なんか化学者みたいな感じする!(※私個人の偏見です) 今回も最高でした!

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