TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

そこからはもう…

全てが異形だった

 

にぐい"!!

 

にぃぐぅぅぎいいい!!!

っ…!!!

諸刃

楓、外に出ろ!!

諸刃も一緒じゃないと
嫌です!!

諸刃

馬鹿言え!!

嫌です!!

諸刃

…チッ!

諸刃が私の手を握り 外に出て

私は…

言葉を失った

…ぇ

諸刃

天変地異だ

諸刃

悍ましいな…

…こんなの無理です

今までの妖と違う

諸刃

あぁ、その通りだ

外は吹雪だった

辺り一面 雪に覆われている

今は夏から秋に変わる頃

こんな大雪… 降るはずない

諸刃

侍共が倒れている

諸刃

あのままでは凍死だな

戦をしていた お侍様…

倒れて雪に埋もれていく…

…嫌…嫌!!

こんなの酷いです!

諸刃

どちらが?

え?

諸刃

欲に溺れて
戦い続ける人か?

諸刃

人に裏切られた神か

何を言って…

諸刃

天に唾を吐けば
自分に返ってくる

諸刃…

諸刃

だが、
止めないといけない

諸刃

誰も止める者が
いないのだから

嫌!!
諸刃行かないで!

あれと戦ったら
死んじゃう!!

諸刃が死んじゃう!!!

諸刃

諸刃

…っ

その声は

今まで聞いた どんな声よりも

優しかった

…諸刃?

諸刃

ありがとう

諸刃

楓と一緒にいると

諸刃

普通の人で居る事が出来た

嫌です

行かないで…下さい

諸刃

諸刃

楓は死ぬな

諸刃

暖かい場所まで逃げろ

諸刃はそれだけ言うと

そっと 私の頬に手を当てた

しかし その手は一瞬で離れて

反対の方向に 走り出す

待って!!!

お願い!行かないで!!

私の願いは空を切り

諸刃が 振り返る事は無かった

諸刃が 何処へ向かったのか分からない

追って走ったはずが

諸刃を見失い

向かう方向も見失った

…寒い

身体が冷たい

手足が千切れそう

さっきまで昼間だったのに

気付いたら夜になっている…

これも天変地異なの?

寒さで死ぬかもしれない

近くに妖が居るかもしれない

怖い…怖いよ

諸刃…

私…

足が動かなくなり

気付けば目の前に

大きなお月様

あぁ…私…

倒れたのね…

仰向けに倒れて

動けない

寒い…苦しい

お父さん、お母さん

私…

 

死ぬの?

誰…?

 

死ぬのかな?この子

 

こんなに寒ければ…
死ぬかもなぁ

やっぱり私…死ぬのね

 

良いの?
あなた…それで良いの?

私?

 

逃げた挙句に死ぬの?

 

それって馬鹿みたい

 

おいおい、
言い過ぎだぞ

逃げた…?

私は諸刃を助けようと

あぁ…違う

私は諸刃と

一緒に逃げたかった

でも

諸刃は逃げない

諸刃は戦っている

それに比べて私は

逃げてばっかり

 

あなたの
生きる意味って何?

 

天命は何?

私…

私の天命は

…っ!!

死ね…ない!

ぐっ…

自分の指を噛む

痛みで目が覚めるように

寝たらいけない…

寝たら…死ぬから!

死ねない

諸刃を…

助ける!

さっきのは神様?

それとも夢…?

どちらにしろ

ありがとう…

諸刃を助ける

だってまだ

助けて貰った恩を 返していないから

はぁ…はぁ…

諸刃はどこ?

八百万の神

神は至る所にいる

お願い…

お願いします

諸刃のいる場所を
教えて下さい

お願いします

…はぁはぁ

お願い…します

この声が聞こえるなら

お願い…

 

っ…ぁ

目の前に

小鳥が留まった

 

小鳥は首を傾げながら 私を見つめる

それから羽ばたいて

少し離れた場所に留まって こちらを見た

ついて来いって事?

私はおぼつかない足取りで

小鳥が飛ぶ方向に歩く

小鳥は私を待つように

飛んでは留まりを 繰り返した

寒さと疲労で 視界がボヤける中

聞こえる…

何か…

これは

 

あぎゃががぎゃあぁ!!!

諸刃

っ…!

…諸刃

吹雪の中で戦う

諸刃がいた

つづく

この作品はいかがでしたか?

265

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚