そこからはもう…
全てが異形だった
楓
諸刃
楓
諸刃
楓
諸刃
諸刃が私の手を握り 外に出て
私は…
言葉を失った
楓
諸刃
諸刃
楓
楓
諸刃
外は吹雪だった
辺り一面 雪に覆われている
今は夏から秋に変わる頃
こんな大雪… 降るはずない
諸刃
楓
諸刃
戦をしていた お侍様…
倒れて雪に埋もれていく…
楓
楓
諸刃
楓
諸刃
諸刃
楓
諸刃
楓
諸刃
諸刃
楓
楓
楓
諸刃
諸刃
楓
その声は
今まで聞いた どんな声よりも
優しかった
楓
諸刃
諸刃
諸刃
楓
楓
楓
諸刃
諸刃
諸刃
諸刃はそれだけ言うと
そっと 私の頬に手を当てた
しかし その手は一瞬で離れて
反対の方向に 走り出す
楓
楓
私の願いは空を切り
諸刃が 振り返る事は無かった
諸刃が 何処へ向かったのか分からない
追って走ったはずが
諸刃を見失い
向かう方向も見失った
楓
身体が冷たい
手足が千切れそう
さっきまで昼間だったのに
気付いたら夜になっている…
これも天変地異なの?
寒さで死ぬかもしれない
近くに妖が居るかもしれない
楓
楓
楓
足が動かなくなり
気付けば目の前に
大きなお月様
楓
楓
仰向けに倒れて
動けない
寒い…苦しい
お父さん、お母さん
私…
誰…?
やっぱり私…死ぬのね
私?
逃げた…?
私は諸刃を助けようと
あぁ…違う
私は諸刃と
一緒に逃げたかった
でも
諸刃は逃げない
諸刃は戦っている
それに比べて私は
逃げてばっかり
私…
私の天命は
楓
楓
楓
自分の指を噛む
痛みで目が覚めるように
楓
楓
楓
楓
楓
さっきのは神様?
それとも夢…?
どちらにしろ
楓
諸刃を助ける
だってまだ
助けて貰った恩を 返していないから
楓
楓
楓
楓
八百万の神
神は至る所にいる
楓
楓
楓
楓
楓
楓
楓
楓
楓
目の前に
小鳥が留まった
小鳥は首を傾げながら 私を見つめる
それから羽ばたいて
少し離れた場所に留まって こちらを見た
楓
私はおぼつかない足取りで
小鳥が飛ぶ方向に歩く
小鳥は私を待つように
飛んでは留まりを 繰り返した
寒さと疲労で 視界がボヤける中
聞こえる…
何か…
これは
諸刃
楓
楓
吹雪の中で戦う
諸刃がいた
つづく
コメント
4件
ロリっぽい雰囲気の神様がああ……😢(( 楓さんにとって諸刃さんは大切な存在だから2人で逃げることにしたのに対して諸刃さんにとって楓さんが大切な存在だから楓さんだけを逃がした、っていうお互い大切に思いあっているっていうのがジーンときました😭💭✨