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週末の夜、シエルとセバスチャンはリビングの巨大なソファに並んで座っていた。照明は落とされ、暖炉の炎とスクリーンに映る古いフィルムノワールの光だけが、部屋を照らしている。
テーブルには、シエルが選んだ高級な赤ワインのボトルが既に二本空になっていた。セバスチャンの前のグラスは、まだ一杯目だが、彼のグラスの中身が減っている様子はない。
Ciel
シエルはすでに顔を赤くし、瞳は潤んで、すっかり酔いが回っている様子だった。彼はグラスを傾け、残っていたワインを一気に飲み干した。
Sebastian
セバスチャンは、心配するふりをしながらも、その声には抑えきれない笑いが含まれていた。
Ciel
シエルは空になったグラスをセバスチャンに差し出した。
Ciel
セバスチャンは上品にクスリと笑った。
Sebastian
そう言いながらも、セバスチャンは新しいボトルを開け、シエルのグラスにゆっくりと注いだ。シエルは満足そうに微笑んだ。
Ciel
シエルはワインを一口含むと、急にソファにもたれかかり、セバスチャンの肩に頭を預けた。セバスチャンのスーツの硬さと、体温が心地よい。
Ciel
Sebastian
Ciel
彼は映画が始まってまだ15分しか経っていないにもかかわらず、ワガママを言い始めた。
Sebastian
セバスチャンは文句一つ言わず、リモコンで電源を切った。
暗闇の中、シエルはセバスチャンの首に腕を回し、顔を上げた。その目は、酔いと甘えでトロトロに溶けている。
Ciel
Sebastian
Ciel
Sebastian
セバスチャンはそう言うと、静かにスマートフォンを取り出した。
Sebastian
Ciel
シエルがジタバタと暴れるが、セバスチャンは慣れた手つきでシエルの顔をフレームに収め、そのわがままを言う様子をニヤニヤしながら撮影した。
Sebastian
Ciel
シエルが罰という言葉を口にすると、セバスチャンは楽しそうに笑い声を漏らした。
Sebastian
セバスチャンはスマホをソファに投げ出し、シエルの身体を抱き寄せた。
Sebastian
シエルはセバスチャンの胸に頬を擦り付けた。
Ciel
Sebastian
セバスチャンは優しく、しかし深く、シエルの唇を塞いだ。ワインの甘い香りが二人を包み込む。
Ciel
キスを終えると、シエルは子供のようにワガママを続けた。セバスチャンは文句一つ言わず、柔らかな髪を丁寧に、飽きることなく撫で続けた。
Sebastian
Ciel
シエルはセバスチャンの首に、さらにきつく抱きついた。そして、さらに大きなワガママを言い始める。
Ciel
セバスチャンは、満足そうに、そして慈愛に満ちた笑みを浮かべた。
Sebastian
セバスチャンはそのままシエルを抱き上げ、寝室へ向かった。彼の夜はまだ始まったばかりだ。一晩中、この酔っぱらいのわがままな主人を甘やかし、愛し続けるために。