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週末の夜、シエルとセバスチャンはリビングの巨大なソファに並んで座っていた。照明は落とされ、暖炉の炎とスクリーンに映る古いフィルムノワールの光だけが、部屋を照らしている。

テーブルには、シエルが選んだ高級な赤ワインのボトルが既に二本空になっていた。セバスチャンの前のグラスは、まだ一杯目だが、彼のグラスの中身が減っている様子はない。

Ciel

…ふふん、この探偵役、動きが鈍いな

シエルはすでに顔を赤くし、瞳は潤んで、すっかり酔いが回っている様子だった。彼はグラスを傾け、残っていたワインを一気に飲み干した。

Sebastian

シエル様、もう結構ではございませんか? 今宵は随分とお進みでいらっしゃいます

セバスチャンは、心配するふりをしながらも、その声には抑えきれない笑いが含まれていた。

Ciel

うるさい! 僕の休日だ。好きなだけ飲む

シエルは空になったグラスをセバスチャンに差し出した。

Ciel

ほら、お前も飲め。僕ばっかり飲ませて、つまらないだろう

セバスチャンは上品にクスリと笑った。

Sebastian

恐れ入ります。ですが、私は貴方様の『一晩中のワガママに付き合う』という重大な任務を控えておりますので。残念ながら、酔うわけにはまいりません

そう言いながらも、セバスチャンは新しいボトルを開け、シエルのグラスにゆっくりと注いだ。シエルは満足そうに微笑んだ。

Ciel

そうか、僕の専属執事は、お酒に負けない悪魔だもんな…

シエルはワインを一口含むと、急にソファにもたれかかり、セバスチャンの肩に頭を預けた。セバスチャンのスーツの硬さと、体温が心地よい。

Ciel

セバスチャン…ぉい、セバスチャン

Sebastian

はい、ここに。何でございましょう、シエル様

Ciel

この映画、終わりにする。もう眠い

彼は映画が始まってまだ15分しか経っていないにもかかわらず、ワガママを言い始めた。

Sebastian

「承知いたしました」

セバスチャンは文句一つ言わず、リモコンで電源を切った。

暗闇の中、シエルはセバスチャンの首に腕を回し、顔を上げた。その目は、酔いと甘えでトロトロに溶けている。

Ciel

セバスチャン、僕の顔、変か?

Sebastian

いいえ。世界で一番、愛らしいお顔でございます

Ciel

…嘘つき。だって、お前、いつも僕をからかってるだろう

Sebastian

それは、シエル様が可愛らしくご不満顔をなさるのが、大変愉快だからでございます

セバスチャンはそう言うと、静かにスマートフォンを取り出した。

Sebastian

少し失礼を。この愛らしいご様子を記録に残しておきたい

Ciel

え、やめろ! 動画を撮るな!

シエルがジタバタと暴れるが、セバスチャンは慣れた手つきでシエルの顔をフレームに収め、そのわがままを言う様子をニヤニヤしながら撮影した。

Sebastian

後で、シエル様が酔いが覚めた時に、ご自身でご覧になるのも一興かと

Ciel

くそっ...消せ、お前! 消さないと、罰を与えるぞ!

シエルが罰という言葉を口にすると、セバスチャンは楽しそうに笑い声を漏らした。

Sebastian

ふふっ。喜んでお受けいたします。ですが、罰を与えるのは、いつも私の方でございましょう?

セバスチャンはスマホをソファに投げ出し、シエルの身体を抱き寄せた。

Sebastian

さて、シエル様。他には何かご要望はございますか? 一晩中、貴方様のわがままを全て叶えることが、今宵の私の役割でございます

シエルはセバスチャンの胸に頬を擦り付けた。

Ciel

...キスしろ。ずっと、ずっとキスしていろ

Sebastian

.. 仰せのままに

セバスチャンは優しく、しかし深く、シエルの唇を塞いだ。ワインの甘い香りが二人を包み込む。

Ciel

.. 僕の頭をなでろ、セバスチャン

キスを終えると、シエルは子供のようにワガママを続けた。セバスチャンは文句一つ言わず、柔らかな髪を丁寧に、飽きることなく撫で続けた。

Sebastian

シエル様、本当に甘えん坊でいらっしゃる。まるで、小さな坊やのようです

Ciel

うるさい! 坊やじゃない! ...でも、お前の手は、暖かく 悪くなぃ ..

シエルはセバスチャンの首に、さらにきつく抱きついた。そして、さらに大きなワガママを言い始める。

Ciel

.. セバスチャン。僕を抱きしめたまま、眠れ 。どこにも行くな.. 一晩中、僕のことだけを考えていろ

セバスチャンは、満足そうに、そして慈愛に満ちた笑みを浮かべた。

Sebastian

承知いたしました。貴方様が眠るその瞬間まで、そして目覚めるその瞬間まで、貴方様以外を考えることなど、この私にはございません

セバスチャンはそのままシエルを抱き上げ、寝室へ向かった。彼の夜はまだ始まったばかりだ。一晩中、この酔っぱらいのわがままな主人を甘やかし、愛し続けるために。

黒執事 セバシエ

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