グングニル
それから数日後、二番目の娘が村の外へ連れ出されました。
連れていかれた娘の行方は、幼い兄妹達には知る由もありませんでした。
連れていかれた娘の行方は、幼い兄妹達には知る由もありませんでした。
五番目
姉様…二番目の姉様はどこに行かれたのですか?
四人目
…姉様は、遠いところに行ったのです。
楽しい楽しいところですわ。
楽しい楽しいところですわ。
グングニル
天真爛漫な四番目は賢い子でした。
一番目を失って震える五番目を支えたのは四番目でした。
一番目を失って震える五番目を支えたのは四番目でした。
グングニル
次の日、唯一の男児である三番目が見当たりません。
そう、また売り飛ばされたのでした。
そう、また売り飛ばされたのでした。
四人目
次は…私ですわね…。
五番目
姉様…お話が…。
グングニル
五番目は四番目にとある作戦を話しました。
それは「五番目が四番目のふりをし、売られる」という作戦でした。
それは「五番目が四番目のふりをし、売られる」という作戦でした。
グングニル
四番目は頑なに拒否しましたが、絶対にまた会うという約束を交わしてからは納得したようでした。
グングニル
…と、ここで風森村の歴史は途絶えています。
白神白夜
意外とエグイ話だったな…
真白彩吹
風森、村…。
彩吹はうわ言のように村の名前を呟く。 丁度その時、ガチャリとドアが開く音がした。
黒狼美月
ただいまーって、あら白夜君!来てたのね!
白神白夜
はい。じゃ、彩吹。美月さん帰ってきたし俺も帰るな。
真白彩吹
…うん。ニルちゃんも、また来てね
グングニル
もちろんです!
彩吹に手を振り、二人は帰って行った。
黒狼美月
どんなお話をしてたの?
真白彩吹
風森…村っていう…村の話です…
黒狼美月
風森?あー、この前颯哉達と一緒に輩潰しに行ったところね!
真白彩吹
おー(目キラキラ)
黒狼美月
可愛すぎるわ!今日の夕飯は何がいい?
真白彩吹
えと…かれーらいす?っていうのを食べてみたいです
黒狼美月
カレーね!分かったわ!
美月はルンルンとキッチンに歩いていき、 彩吹は窓から外を覗き込んだ。
真白彩吹
あ…颯哉さん帰って来た……
車から、颯哉ともう一人…彼の妻である季村冬子が降りてくる。 そこから数秒後、玄関がガチャと開く音がした。
黒狼颯哉
ただいまー。
季村冬子
ただいまですー
真白彩吹
おかえりなさい…!
黒狼美月
あらー、おかえりー。
…あぁ、ここに来られて良かった。
少女は心の中でそう呟いた。