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貴方は、大切な人を守れますか?

その人を守るために、正しい判断を下すことが出来ますか?

例え、その選択で他の人が傷付いたとしても。

それは本当に正しかったと言えますか?

最後にもう一つだけ。

貴方は大切な人を殺せますか?

アキト

おい、大丈夫か?

トウヤ

ああ、本当にすまない…

トウヤ

お前にまで、こんな苦労をかけたくないんだ。俺を置いて、すぐに安全な場所に逃げて欲しい…

トウヤ

だけど…置いていって欲しくない…本当にすまない…

アキト

もうそれはいいって。

トウヤ

俺と一緒だと、アキトは絶対にどこからも受け入れてもらえないんだぞ、

アキト

だから、隠れられそうな場所探してんだろ。

5○‪✕‬△年

とある政府の研究が失敗し、世界中にウイルスが蔓延した。

そのウイルスに感染した者は、理性を失い生者の魂を欲して襲う。

要するに、ゾンビ化するウイルスだ。

あっという間に社会は崩れ、資源を巡って暴動や戦争が起きた。

金持ちはシェルターと資源を占領し、平民は外で危険に晒されながら暮らさなきゃいけなくなった。

だけど、近年は政府の政策で、感染が認められていない市民は保護を受けられるシェルターが作られた。

大抵の市民はそこへ避難し、暮らしている。

アキト

しっかし、ここら辺はハズレだな。もう何にもねぇ。

トウヤ

…あ、あそこはどうだ?廃病院みたいだ。まだ薬や包帯があるかもしれない。

アキト

おっ、そうだな。とりあえず行ってみるか。

トウヤはゾンビだ。

だが、何故かトウヤは特別なようで、こうして理性を保って会話も出来るし、人を襲わない。

アキト

(ま、ゾンビなのには変わりないんだけどな。)

トウヤと俺は一緒に夢を追いかけた相棒だった。

それはそれは、本当に大切な相棒。

廃病院

アキト

意外に綺麗だな。しばらくは住めそう。

トウヤ

そうだな。食料は流石に無さそうだが…

アキト

…おっ、包帯が残ってる。ラッキー

アキト

そういや、お前って腹減らねぇんだっけ?

トウヤ

あぁ、不思議なことに喉の乾きすら感じないんだ。

アキト

ふーん?ゾンビだからか?

トウヤ

恐らく…

コツン…コツン…

アキト

!!

トウヤ

足音…!

コツン…コツン

アキト

トウヤ、隠れてろ。この歩き方は多分人間だ。

トウヤ

あ、あぁ。

「〜〜〜え〜、」

アキト

(話し声…?)

「〜〜か〜〜な〜〜」

アキト

(こっちに来てる…!)

ガチャ

??

それで、先週の……

??

!!

??

わっ!ちょっと、急に止まらないでよ…

アキト

(2人組か…)

??

ルイ!人だ!人がいる!

??

ちょっと、あんまり近付いちゃ駄目だよ。人じゃないかもしれないんだから…

アキト

??

お前、一人か?

アキト

……だったら何だよ。

??

うわ、生意気そう。ねぇ、帰ろうよ。

??

ええい!このくらいの歳なら普通だろうが!

アキト

……

アキト

(コイツら…銃持ってんな…)

??

政府が作った市民避難用のシェルターの存在は知っているか?

アキト

…知ってる。

??

なら、場所が分からないとか?ここから北東に歩いて半日の所にあるよ。

アキト

それも知ってる。

??

だったら…行かない理由があるんだな?

アキト

……

??

はぁ、君も兄弟を探すとかゾンビの殲滅とか、馬鹿な目的があるのかい?

アキト

??

…黙秘か。

??

そりゃそうでしょ。もう帰ろうよ。

??

待て待て、もう少しだけ。

??

…はぁ。なら、先に下行ってるからね。

??

ああ、すまんな。すぐ行く。

??

態度が悪くてすまないな。あんなぶっきらぼうだったが…すごく優しい奴なんだぞ。

アキト

…はぁ、

??

もし、何か目的があるなら俺たちと一緒に行動しないか?

アキト

……

ガタンッ

??

!!

アキト

アキト

(やべ、トウヤか…!)

??

誰だ?!

トウヤ

??

お前……ゾンビか!

男は手馴れた手付きで銃を構え、引き金に指をかけた。

アキト

待て!!!やめろっ!!

??

?!

ドンッ

俺は男を押し倒し、バランスを崩して倒れ込んだ。

バァンッ!!

男はすぐさま銃を天井に向け、発砲した。

??

おッ、お前!!何やってるんだ!!?危ないだろう!!

アキト

うるせぇ!!ソイツ殺したら、俺がお前を殺す!!

??

は、はぁ?!?!

トウヤ

アキト!やめろ!相手は銃を持っているんだぞ!

アキト

トウヤ……

トウヤ

いつかこうなるとは思っていたんだ。

トウヤ

俺の我儘に、アキトを付き合わせてしまって本当にすまない。だが、やっぱり俺はお前に生きていて欲しい。

トウヤ

お前は…お前だけは生きていてくれ。

アキト

そんなこと言うなよ…

アキト

別に、俺は生きたいわけじゃない。お前と一緒に居たいだけだ。

アキト

お前が死ぬなら、俺も死ぬ。

??

……すまん、誰か状況説明をしてくれ。

??

ま、まず…ゾンビのお前、喋れるのか?

トウヤ

はい。

??

おぉ……

??

(人間にあれ程近付いても理性を保ち、襲わずに会話が出来る…)

??

お前達がいれば…世界を変えられるかもしれない、

アキト

は?

??

お前達、俺たちと一緒に来い。俺がお前らを守ってやる。

トウヤ

…え?!

??

信じろ。それ以外、お前たちに選択肢はない。

アキト

アキト

本当に、守ってくれるんだな?

??

ああ。約束しよう。

アキト

…分かった。

アキト

トウヤ、いいか?

トウヤ

アキトが決めたことなら、何でもいい。

??

決まりだな。よし、着いてこい。

??

ルイ、すまん。待たせた。

??

ちょっとツカサくん!どれだけ待たせ…

??

!!

ルイと呼ばれた男は一瞬で銃を構え、トウヤに向けた。

こうなる事を予想していたかのように、すぐにツカサがそれを制した。

??

まぁ、待て。事情は後で説明する。

??

は、はぁ?!

??

いや、だって、ゾンビだよ?!とうとう狂ったかい?!

??

コイツらは普通とは違う。すぐに分かるさ。

??

はぁぁ…?

トウヤ

あの…

??

うっわ?!喋った!?

??

え、もしかしてゾンビメイクした人間だったりする?ハロウィンはまだ先だよ?

アキト

急に何言ってんすか??

??

すまんな。ルイはテンパると意味わからん事ばかり言って自分を落ち着かせる癖があるんだ。

トウヤ

えっと、メイクじゃなくて本物のゾンビです…

??

そんなの見れば分かるよ。でもさ、人間を襲わずに理性を保って会話できるゾンビなんて見るの初めてで…

??

会話が出来る…ゾンビ…

??

ああ、そうだ。お前が1番欲しがってたものだ。

??

理性のあるゾンビ!✨️✨️

??

君!自分の名前は?年齢は?趣味とかある?

トウヤ

え、えっと、トウヤです。歳は17で、趣味は読書です。

??

なるほどなるほど!えっと、あとは家族構成と学力と身体能力…

トウヤ

え、えっと…

??

はい、ストップ。困ってるだろ、少し離れなさい。

??

だって、ゾンビと会話出来るんだよ?!夢にまで見た事なんだよ?!

アキト

トウヤ、大丈夫か?

トウヤ

少しビックリした…

??

ああ、そうだ。自己紹介がまだだったな。

ツカサ

俺の名はツカサ。改めてこれからよろしくな。

ツカサ

それで、こっちが…

ルイ

ルイだよ。

アキト

アキトです。

トウヤ

トウヤです。

ツカサ

アキトにトウヤだな!

ツカサ

今から俺たちのシェルターに案内する。少し歩くが、頑張って着いてきてくれ。

アキト

分かりました。

地下シェルター

アキト

(めっっちゃ歩いた…)

トウヤ

アキト、大丈夫か?

アキト

ああ…相変わらずお前は疲れないよな。

トウヤ

あぁ、不思議だ。ゾンビになる前はアキトの方が体力あったのに…

アキト

(しかし…こんなデカいシェルターあったんだな…)

アキト

(なんか意味わからん機械いっぱい置いてあるし…)

ツカサ

このシェルターはルイが創ったんだ。

アキト

え?!

トウヤ

つ、創った?!すごい…

ルイ

まぁね〜。

ツカサ

さ、2人とも疲れたろう。お茶と食料を出そう。

トウヤ

あっ、俺は要らないです。空腹感もなければ、喉の乾きもないので…

ツカサ

む、そうなのか?

ルイ

なら、トウヤくんはこっち来てくれるかい?ちょっとお話しようよ♡

トウヤ

え?あ、はい。

アキト

トウヤ、何かされたらぶん殴れよ。

トウヤ

え?!さ、流石にそれは…

ツカサ

思いっきり殴ってくれて構わんぞ。

トウヤ

え、えぇ…‪💧‬

ルイ

お話するだけだから、大丈夫だよ〜。あ、ちょっと体は調べさせてもらうかもしれないけど…

ツカサ

…あんまり触りすぎるなよ。

ルイ

え〜?まぁ、善処するよ。

ルイ

ほら、トウヤくんこっちおいで♡

トウヤ

はい。

ツカサ

アキト、クッキーは食べられるか?

アキト

はい。

ツカサ

良かった。なら、この紅茶と一緒に食べるといい。

アキト

ありがとうございます。

ツカサ

…トウヤとは、どういう関係なんだ?

アキト

どういう関係?えっと……

ツカサ

恋仲か?

アキト

ん"ッ?!?!ゲホッ、ゲホッ

ツカサ

おお、大丈夫か?!

アキト

だ、大丈夫っす。

アキト

えっと、トウヤとはそういう関係じゃなくて、大切な相棒というか…

ツカサ

相棒?

アキト

はい。昔…一緒に夢を追いかけてた、大切な相棒なんです。

ツカサ

…そうか。いいな、相棒。

アキト

アンタこそ…えっと、ルイさんとは恋人なんすか?

ツカサ

ち"ッ、違うぞ!!!ただの…えっと、仲間だ!大事な仲間!!

アキト

その焦り具合怪し〜。好きなんでしょ?

ツカサ

なッ、お、お前だって焦ってただろうが!お前こそトウヤの事好きなんじゃないのか?!

アキト

はぁ?!何でそうなるんだよ!相棒だって言ってんだろうが!

ツカサ

俺こそ仲間だって言ってるだろう!!

ルイ

なんか向こう騒がしいねぇ…何の話してるのかな?

トウヤ

さぁ……

ルイ

…ふふっ、君アキトくんの事好きでしょ。

トウヤ

?!

ルイ

見てたら分かるよ。それに、好きだから一緒に居たいんでしょ?

トウヤ

俺は…

トウヤ

えっと…アキトは、俺の事を相棒だと思ってくれてる、と思います…

ルイ

相棒?へぇ、いいねぇ…

ルイ

ゾンビになっても一緒に居てくれるなんて、普通じゃないね。

トウヤ

それは、俺が無理言ったに近くて…

ルイ

そんな事無いと思うよ。

ルイ

さて、君はどんな方法でゾンビに感染したのかな?

トウヤ

えっと、一般的だと思います。既に感染した人間に腕を噛まれたんです。

ルイ

その時の事で、覚えてる事全て教えてくれる?

トウヤ

えっと…

トウヤ

俺は…家で寝ていました。気が付いたら、家が騒がしくて…既に感染した兄に襲われ、腕を噛まれて…

トウヤ

その時…アキトに会いたいって、思ったんです。それで、気が付いたらアキトの家に…

ルイ

その間、誰かを襲ったりはしたかい?

トウヤ

それは…分かりません。

ルイ

ふむ、なるほどねぇ。

ルイ

じゃ、ちょっと服脱いでもらっていいかな?

トウヤ

えっ?

ルイ

上だけでいいよ。

トウヤ

わ、分かりました。

ルイ

……ふむ、

ルイ

やはり、心臓は動いていないようだ。

トウヤ

ですよね…

ルイ

これはゾンビにも個体差があるんだよね。

ルイ

心臓が動いてるゾンビもいれば、動いてないゾンビもいる…ただ、そのゾンビの共通点が中々見付けられなくてねぇ…

ルイ

ま、会話が出来ないから仕方ないんだけど…

トウヤ

ルイさんは…ゾンビを研究されてるんですか?

ルイ

ああ、まぁそんな所かな。

トウヤ

えっと、目的…は?

ルイ

これは、僕がやらなきゃいけないからね。

ルイ

誰かが、じゃないんだ。他の誰かなんて役に立たないよ。

トウヤ

なるほど…?

ルイ

だから、君には協力してもらうよ。

トウヤ

はい。俺に出来ることなら、何でも協力します。

ルイ

ふふっ、それは有難いねぇ。

𝐍𝐞𝐱𝐭

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コメント

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ゾンビパロ…!?あかまるさんが書いたらどんな物語になっていくんだろう… とりあえずバドドの両片思いいいですね~(⁠≧⁠▽⁠≦⁠)

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