わたし
誰…誰が来たの?

Tn氏
入るで

優しい声…カーテンの前で待ってるみたい
わたしはとっさに返事をした
わたし
あ、はい、どうぞっ

Tn氏
ん。

そっとカーテンを開けたのは赤いマフラーが特徴的。
綺麗に整えられた黒髪に赤い眼鏡が映える
想像よりずっと穏やかな声色に戸惑いを隠せない
わたし
え、あなたはもしかして…

Tn氏
なんや、自分、アニキの顔忘れたんか?

わたし
あ、アニキ!?Tnさんが私のお兄さんだなんてっ!?

Tn氏
せやで、おかんに頼まれて、妹に着替えとか持ってきたわ

わたし
ひゃっ!わわわ私の着替えをTnさんが!?

Tn氏
いやいやいや、だから~!着替え用意したのはおかんやてぇ~!俺は運んできただけの配達人やてぇ~

わたし
そ、そうですよね、ちょっと早とちりして、ごめんなさい

Tn氏
いやいやいいけど…別に妹にはなんとも思わんけどこっちは童帝こじらせとるんやからな。びっくりさせんといてくれ。

そういうTnさんの額が微かに赤い。
わるいこと言っちゃったなぁ
わたし
あの、ほんとごめんなさい

Tn氏
そんな何回も謝らんとええよ。なんやそっちも大変やったみたいやし

わたし
私、目覚めたばかりで…自分のことなんですけど状況がよく分かってないんです。多分入院してるってことは薄々気づいてるんですけど、それ以上に私のお兄さんがTnさんだったってことが衝撃的で…

足を踏まないよう気を付けてベッドの端に座ったTnさんは
わたしの包帯を巻かれた頭を撫でようとして大きな手を近づけたが
自分が傷ついたような悲しい表情を浮かべて手を引き、そっぽ向く
Tn氏
自分、そそっかしい所あるからなぁ、気ぃつけや?命がいくつあっても足らんで?

わたし
うう…気をつけます

Tn氏
後でおかんも来るからな。俺はなんか手伝えるかどうか分からへんけど、なんかあったら連絡しいや?

わたし
ありがとうございます…その、お兄さん

Tn氏
急に呼ぶなぁ、照れ臭いやろ

わたし
あの、わたし…早く元気になるよう頑張ります

Tn氏
せやな…そうしてくれると安心やわ

やっぱりすごく心配してくれてるんだ…
さっきの悲しい顔をさせるのはわたしもつらい
早く包帯がとれたらいいな