廊下のきしむ音で、浅い眠りから覚めた
当然、家主の彼が帰って来たのだと思った
俺の眠っていた部屋のドアがゆっくりと開く
厚いカーテンのしまっている部屋はとても暗かった
それでもすぐに分かった
直前までつぶっていた目が闇になれていたのだろう
2メートル先に立っていたのは明らかに見知らぬ男だった
ネルシャツにジーンズ、手に持つ刃物も見えた
総毛立った
喉がすぼまり、息苦しい
……泥棒だ
男はためらうことなくズカズカと部屋に踏み込み、
間近で俺の存在に気付くと驚いて声を上げた
泥棒
それはこちらのセリフだと思ったが、
男が手に持った刃物の切っ先をこちらに向けていたので口には出さなかった
シャークん
泥棒
男は何やら独り言を呟いたが、俺が訴えるべき内容は変わらない
シャークん
泥棒
シャークん
泥棒
シャークん
シャークん
シャークん
男はしばらく考えてから言った
泥棒
その時玄関のドアが開く音がした
彼が帰宅したのだ
シャークん
俺は必死で叫び、泥棒は一目散に走っていった
直後にリビングの窓が開く音が聞こえたので、
男は庭側から逃げて行ったのだと思う
彼が廊下から俺の部屋を覗き込む
きんとき
シャークん
彼は「…泥棒か」とつぶやくと、スーパーのビニール袋をドサリと床に落として、
俺の方に駆けてきた
きんとき
シャークん
彼の顔に安堵の表情が浮かぶ
きんとき
彼は隙間から手を伸ばすと俺の髪をくしゃくしゃとなでた
きんとき
きんとき
俺は彼のやわらかな表情を見つめた
それから考えた
どうだろう?
可能性はどれくらいあるだろうか?
果たして、
あの泥棒は俺の「一生のお願い」を聞いてくれるだろうか?
※意味分かった人はコメントで言って下さい
コメント
3件
意味がわかると怖い話に似たようなお話があった気がする! 監禁されてて、警察を呼んでとは泥棒に行ってた的な内容だった気がする
よく分かってないけど つまりは、 シャークんはきんちゃんに、 監禁されてて泥棒に、 助けを求めたってこと?? 只の僕の推測だけど 結構当たってんじゃないか って思ってる