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春の風が、桜の花びらをくるくると巻き上げていた。
稲田 絢乃(いねだ あやの
稲田絢乃は、地図アプリ片手に一軒家の前に立っていた。
どこか古びた二階建て。
窓は閉ざされ、カーテンの隙間からは人の気配も見えない。
でも、ここが間違いなく───
稲田 絢乃(いねだ あやの
クラスでは“不登校の子”として知られている秀之。
でも、担任から「何かきっかけを作ってやってくれ」と言われたのが絢乃だった。
明るくて、世話焼きで、めげない性格。それが彼女の武器。
稲田 絢乃(いねだ あやの
ピンポーン───
………
無反応。
稲田 絢乃(いねだ あやの
もう一度、ピンポン。
すると、ゆっくりと玄関のドアが開いた。
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
出てきたのは、ボサボサの黒髪に寝癖、真っ白なTシャツ姿の男の子。
目の下にはクマ、まるで数日寝てないような雰囲気。
でも、その顔立ちは───どこか繊細で、優しさがにじんでいた。
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
戸を閉めようとする秀之。
が、絢乃は足を一歩差し出して、食い気味に言った。
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
稲田 絢乃(いねだ あやの
呆れ顔の秀之だったが、何かを諦めたように小さくため息をついた。
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
稲田 絢乃(いねだ あやの
玄関先で、靴を脱がないまま、絢乃はニコニコと立った。
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
稲田 絢乃(いねだ あやの
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
その時、絢乃のスマホが鳴った。
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
稲田 絢乃(いねだ あやの
元気に手を振って、絢乃は去っていった。
残された秀之は、玄関のドアを閉めながら、頭をかかえる。
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
けれど───
その表情は、どこかほんの少しだけ、笑っていた。