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北川 陸

やっぱり部屋は落ち着くな

北川 陸

そうだ。ルームサービスお願いしようか

北川 陸

さっきの約束、守らないとな

北川 陸

それに…これ以上お腹空いたら

北川 陸

もう私動けない〜とか言い出しそうだし

中野 紗英

ねぇ

中野 紗英

陸、今から川に行かない?

北川 陸

ちょっと待て。時間分かってるのか?

中野 紗英

まだ平気よ

北川 陸

それに、今から川は危険すぎる

北川 陸

お義父さんにも、ずっと止められてきたんだろ

中野 紗英

そうだけど…

北川 陸

行くなら明日の朝にしないか?

中野 紗英

私は今、行きたいの!

中野 紗英

この時期は、まだ外も明るいし

中野 紗英

大丈夫だから。ねっ

北川 陸

頼むからこれ以上心配させないでくれないか?

中野 紗英

いいわ

中野 紗英

陸が乗り気じゃないなら

中野 紗英

私、一人で行く

中野 紗英

それか…

中野 紗英

藤原さん!

中野 紗英

悟さんにお願いしようかしら?

中野 紗英

彼ならきっとダメだとは言わないはず

中野 紗英

探しに行って…

北川 陸

なんでそうなるんだよ?

中野 紗英

だって陸が行きたくなさそうだから

北川 陸

だからって

北川 陸

俺を煽るような真似してどうするつもり?

中野 紗英

別にそんな訳じゃ…

中野 紗英

てか、そっちこそ何で怒ってるのよ?

中野 紗英

本当に

中野 紗英

意味わかんない

北川 陸

意味わかんないのは、そっちの方だろ

中野 紗英

陸、今なんて…

北川 陸

紗英の気持ちが読めない

北川 陸

そう言ったんだ

中野 紗英

分かった

中野 紗英

もういいわ

中野 紗英

そっちがその気なら

中野 紗英

私にも考えがあるから

中野 紗英

話してるだけ時間のムダだし

北川 陸

待てよ

中野 紗英

付いてこないで

中野 紗英

迷惑だから

中野 紗英

食事は陸が食べて

中野 紗英

しばらく

中野 紗英

実家で過ごします

北川 陸

だから待てって!

中野 紗英

離して

中野 紗英

腕が痛い

中野 紗英

私たちが、どう暮らそうと…

中野 紗英

別にいいじゃない

中野 紗英

世間的には

中野 紗英

政略結婚としか思われてないんだし

中野 紗英

真実を知っているのは

中野 紗英

中野 紗英

藤原さん

中野 紗英

パパ

中野 紗英

中野 紗英

だけなんだから

中野 紗英

いつか陸、言ったわよね

中野 紗英

体裁だけ保ってくれてればいい。って

中野 紗英

だったら、それでいきましょ

北川 陸

あれはまだ、紗英の記憶が曖昧な時だろ

北川 陸

でもこうやって、はっきり記憶を取り戻したからには

中野 紗英

陸、あなたの大事なものはなに?

中野 紗英

世間体?地位?名誉?

中野 紗英

それとも、可哀想な私に対する

中野 紗英

同情?哀れみ?

中野 紗英

そのままの私は入ってないの?

北川 陸

北川 陸

誰もそんな事言ってないだろ

中野 紗英

仮面夫婦

中野 紗英

悪くないわ

中野 紗英

全ては虚構の中にしまわない?

中野 紗英

いいでしょ。陸

北川 陸

紗英!何言い出すんだ

中野 紗英

あなたと私が幼なじみだったこと

中野 紗英

お互い初恋だったこと

中野 紗英

今、ようやく分かり合えたこと

中野 紗英

全部、全部

中野 紗英

夢物語だったの

中野 紗英

そうすればお互い気遣いもいらないでしょ

中野 紗英

こんな事なら

中野 紗英

思い出すんじゃなかった

中野 紗英

バカバカしい

その時、陸の腕が動き

思わず私は首をすくめる

今、私を殴ろうとした?

嘘でしょ…

これは記憶を失った可愛いくて可哀想な紗英ちゃんが

溺愛される話なのよ

なのに…なんで???

北川 陸

幻滅したな

中野 紗英

なっ…何よ!

中野 紗英

そっちこそ女性に手を挙げようとするなんて

中野 紗英

最低!

北川 陸

怖がらせてしまったことは謝る

北川 陸

ただ

北川 陸

もう少し

北川 陸

理解してくれたと思っていたんだけど

北川 陸

どんなに紗英が守られて大切にされてきたか…

北川 陸

分かるよな

北川 陸

決して悲劇のヒロインではないんだ

中野 紗英

分からないわ。そんな難しい話

中野 紗英

それから

中野 紗英

みんなが自分と同じくらいの能力があるとは

中野 紗英

思わない方がいいわよ

中野 紗英

頭も良くて、先見の明もある

中野 紗英

次期社長さん

ドアを閉める

陸は追いかけて来ない

こういう時は、追いかけてきて

きつく抱きしめられて

仲直りのキスして…

それから…ベッ

あっ!自主規制…

私、何か間違えてる?

どうなのかな

さっきも思ったけど…

何が現実か分からなくなってきた

中野 紗英

考え込んでいても解決はしなんだけど

中野 紗英

て…外、暗くなっちゃったじゃない

中野 紗英

川は無理ね

中野 紗英

一言お礼が言いたかっただけなのに

中野 紗英

仕方ない

中野 紗英

とりあえず家に向かいますか

中野 紗英

きっと最速の里帰り

中野 紗英

ギネスに申請出来たりして…

中野 紗英

ただいま

中野 伸一郎

紗英!

中野 伸一郎

どうしたんだ?

中野 紗英

見れば分かるでしょ

中野 伸一郎

お前…今日が結婚式の日だったんだぞ

中野 紗英

知ってるわよ

中野 紗英

でも仕方ないでしょ

中野 紗英

こうなっちゃったんだから

中野 伸一郎

今からでも遅くない

中野 伸一郎

ちゃんと謝れば

中野 伸一郎

陸くんもきっと…

中野 紗英

何でそうなるのよ!

中野 紗英

まだ、私が悪いなんて

中野 紗英

一言も言ってないんですけど

中野 伸一郎

些細な事で言い争いになったんじゃないのか?

中野 伸一郎

それで

中野 伸一郎

勢いだけで飛び出してきた

中野 紗英

どうしてそれを…

中野 伸一郎

分かるに決まってるだろ

中野 伸一郎

娘なんだから

中野 紗英

じゃあ

中野 紗英

今私が何を考えているか分かる?

中野 伸一郎

中野 紗英

パパ、何か食べるものない?

中野 伸一郎

中野 伸一郎

紗英、もう少し落ち着いて食べられないのか?

中野 紗英

だって

中野 紗英

こっちは、朝ごはんしか食べてないのよ

中野 紗英

お腹と背中がくっつきそう。って

中野 紗英

こういう事なのね

中野 伸一郎

食べたら、イライラも治るだろう

中野 伸一郎

送っていくから

中野 伸一郎

ホテルに戻りなさい

中野 紗英

イヤよ!

中野 紗英

今さら、どんな顔して会えって言うの

中野 紗英

それとも…パパ

中野 紗英

今から彼女が来る。とか

中野 伸一郎

いない

中野 紗英

えっ!?

中野 伸一郎

そんな人は初めから存在しないんだ

中野 紗英

だって…将来再婚する。とか

中野 紗英

しないとか

中野 伸一郎

あの一件の後は誰とも付き合ってはいない

中野 紗英

私、すっかり信じて…

中野 伸一郎

敵を欺くにはまず味方から

中野 伸一郎

そう言うだろう

中野 伸一郎

全ては家族。まぁ紗英なんだが

中野 伸一郎

紗英がパパに気兼ねなくこの家を出ていけるように

中野 伸一郎

少し嘘をつかせてもらった

中野 紗英

そんな…

中野 伸一郎

それからこれは

中野 伸一郎

墓場まで持って行こうと思っていたんだが

中野 伸一郎

陸君からの手紙を預かっている

中野 紗英

えっ!

中野 伸一郎

あの日の彼の気持ち

中野 伸一郎

それから

中野 伸一郎

紗英に対する思いが

中野 伸一郎

記されている

中野 伸一郎

読んで…みるか?

中野 伸一郎

パパ宛だが

中野 紗英

陸の…手紙

政略結婚なのに溺愛されすぎている件について

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