何年か前
ちゃんとは覚えてないけど
確かに私は死んだ
生きるのが辛くて
辛くて
辛くて
マンションの屋上から そっと足を踏み出して
気づいたら死んでいた
るい
先輩
るい
先輩
るい
先輩
るい
先輩
るい
先輩
るい
先輩
るい
先輩
死んだらまず川を渡る
三途の川だ
そこを渡ると 私たちが出迎える
戻ろうとしたり
泣き叫んだり
殴りかかってくる 死人も少なからずいる
それでも私たちは死人を 送らなければならない
関所では天国か地獄 どちらに行くかが決まる
その瞬間、死人は送られる
私たちは まだ関所を通っていない
仕組みを理解しているからこそ ここを離れることが出来ない
後継者がいる者は 自分の好きなときに関所をくぐる
先輩は私を後継者にした
そのくせに、まだこんな所にいる
先輩は名前さえ教えてくれない
それなのに、29歳のとき
工事現場で鉄骨の下敷きになって 死んだということを教えてくれた
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
るい
先輩
先輩
先輩
先輩
先輩
先輩
先輩
るい
先輩
るい
先輩
るい
先輩
二人とも死んでるのに 幸せそうな顔だった
苦しくて切なくて哀しくて どうしようもなく泣きたかった
先輩と先輩のお嫁さんが 一緒に天国に送られていく
私は一人残されて
どうにもならないこの気持ちと
ぐちゃぐちゃになった顔を 隠すように
その場から逃げ出した
生きてても
死んでも
結局、私は
辛いままだった
コメント
41件
幸せになりたかった はずなのに…。 生きてても死んでもるいちゃんは幸せになれなかったんですね…… 先輩と先輩のお嫁さんが逢えて良かった、けど…。
幸せになりたくて死んだのに 死んでも辛いなんて、、 切ないですね るいさんも幸せになる日が訪れますように
読み終わったあとに胸がすごくモヤモヤする感じです… 幸せになって欲しい…!