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コメント
1件
1-1
桜ノ雨が降り注ぐ入学式。
期待と不安が渦巻く胸中を必死に押し殺して、
優は真新しいブレザーで並木道を歩いていた。
中学校の校区とは完全に離れ、知り合いはごくわずかしかいない学び舎での3年間は、
楽しみなようでもあり、怖くもある。
いじめられたらどうしよ…
優はイジメにあうような性格では決してないのだが、
どうしても新しい環境に向かう今はその不安がつきまとう。
友人は揃って近場の進学校に行ってしまい、優は1人で戦場に向かう気分だった。
高校の入学式は親も同伴なはずなのに優はひとりぼっちだった。
父は医師、母は看護師。
2人とも夜勤明けで眠たいから終わり頃に行くと告げられても、
もう優は慣れたもので、この新しい紺色のブレザーも自分で着た。
見様見真似で結んだネクタイは、それらしくはなってるけど
見る人が見たらぐちゃぐちゃだと思う。
入学式で隣になった人にコッソリ結び直してもらおうと、
早速話しかける気満々ではあるが、
無視されたらどうしよう、と不安でさっきからお腹が痛い。
元気だけが取り柄のはずが、あまりの緊張と誰も知り合いがいない寂しさから
ぐちゃぐちゃのネクタイを触りながら、泣いてしまいそうになった。
1人で歩く優に刺さる周囲の視線も痛くて、
気持ち早歩きになるのは致し方なかった。
橋戸星矢
白石優
綺麗な桜並木を堪能せずに歩いていた優の肩を
突然、誰かがガシッと掴んだ。
低く、不機嫌そうな大人のそれに優は喉を鳴らして立ち止まり、
恐る恐る振り返る。
橋戸星矢
そこにはブラックスーツを着て、怖い顔をした長身の男性が立っていた。
周囲の視線が一心にその男に注がれるのは、
怖そうな雰囲気を纏っているからだけでなく、
色っぽさを含んだセクシーな男前だからだろう。
白石優
橋戸星矢
橋戸星矢
橋戸星矢
橋戸星矢
白石優
見ず知らずの強面から話しかけられた優は目を白黒させて戸惑っているのに、
男は早速ネクタイを結び直してくれている。
その最中にもたかだかネクタイを結んでいるとは思えないほど、男の眉間にはシワがよっていて、
優はまともにその男の顔をみられなかった。
やってることは親切なのだが、顔が全然親切じゃない。
橋戸星矢
橋戸星矢
白石優
白石優
白石優
橋戸星矢
橋戸星矢
橋戸星矢
白石優
白石優
白石優
白石優
橋戸星矢
橋戸星矢
白石優
先生だと知って驚く間も無く、いちいち突っかかってくる大人気ない男だと優は思ってしまった。
不機嫌な顔をした、掴み所のない先生がいる学校に今から入学するなんて、
なんだか、というよりだいぶ気が重い。
口調の強さもとても苦手だ。
白石優
白石優
白石優
お願いだからあの人が担任の先生でありませんように！
優は一度お辞儀をすると、無表情の男を残し、
脱兎のごとく逃げ出した。
悪目立ちという言葉がぴったりくるほど、
あの強面教師といたら目立ってしょうがない。
親切なようで、新入生だとわかっていて尚、
やたらと喧嘩口調なのは本当にどうかと思う。
あんなのが先生だったなんて、信じられない。
1-1は以上です！
前のBL作品は途中で飽きてしまいました…泣
楽しみに待っておられた方、本当に申し訳ございません。
こちらの作品は何としてでも連載を続けたいと思ってますので、
応援よろしくお願いいたします。
