※お下ネタ注意(背後注意かも)
※クロメア+きらーくん
※キャラ崩壊注意、なんでも許せれる人のみ。
※今日はバレンタインだと思って見てください。
2月14日。それは愛する者にチョコを渡し、最も多くのカップルが誕生するであろう祝福の日。
それ故、街は多くの恋人が行き交っており、多くの店舗もバレンタインに彩られていた。
「……そんな日に仕事する僕ってとことん偉い。」
日付も日付だし無論仕事なんてする気更々無かったのだが、nightmareに恐喝された故、渋々仕事に出向いたという訳だ。
普段から仕事をサボっているツケが回ってきてしまったようだ。……よりによってこんなクソチョコデーに。
まあそう言っても、チョコは好きだ。でも、こんな日こそじゃうじゃと湧きやがるカップルがいけ好かない。
何が聖なるバレンタインデーだよ。性なるに変えろやこのクソ。
「はぁ……」
不満は深い溜め息となり、声を上げる。
待ち行く人は、カップル……カップル……カップル……。
今すぐにでも嬲り倒してやりたいところだが、余計な事をしてしまえばnightmareによる裁きがまっているだけだ。
「……あのクソダコめ。」
彼奴も彼奴だ。何でこんな日に限って仕事をしろだのメンタルぶち壊れるような事を言うんだよ。
……まぁ、全ては仕事をしない自分が元凶なのだが、パワハラ上司の言う事なんて聞いてられるか。
あーあーどうせならもっとやっさしー上司が良かった。
……例えば、週6休み1日仕事とかいう制度導入してくれる神上司。
あのクソだこは休みという単語を知らない。だから余裕で56連勤とかある。前クロスが愚痴ってた。
此処までブラックな所聞いたことねーよ、吉○よりもひでぇじゃねぇか。
はぁ、家帰りたい。いやまぁ、仕事終わったしどっちにしろ帰らないといけないけど。
家に帰ったらあのクソだこがいるのが1番癪に障る……。
家に帰った瞬間どうせまた仕事しに行けだのなんだの言われる予感しかしない。
仕事が終わったかと思い安堵して家に帰れば、クソだこからまた仕事に行けと言われる辛さはある意味貞子的な恐怖だ。
たまったもんじゃない。
そこら辺にいる弱そうなモンスターでも虐.殺して時間潰しでもしてやろうかと思ったが、モンスターもカップルだらけで嫌になる。
こうなったら大人しく家に戻るしか余儀は無く。
「はぁーぁ……。」
心の底からの深い溜め息を吐く。
見つからないようにしよう。……あのクソだこに。
近道を使えば、たちまち視界に見える景色はいつも目にしているリビングになった。
てっきり待ち構えてるもんかと思っていたが、そこに彼の姿は居ない。
負の感情を集める為に、何処かのAUに出向いているのだろうか。
「うぉっしゃー!!自由じゃー!!」
そうとなれば待っているのは自由!タコがいない分暴れてやる!
確か、冷蔵庫の中に沢山チョコがあったはず。まぁ誰のかはわからないがnightmare以外のやつもいないし、きっと食べても大丈夫だろう。
キッチンに移動し、冷蔵庫の扉を開ける。然しそこにあったはずの大量のチョコレートはなくなっていた。
昨日はあったはずなのに今無くなっているということは、きっと誰かが今日食べたのだろう。
僕が仕事頑張ったご褒美に残しとけよ!
そもそも誰のチョコか知らないけど!
そんな大量のチョコ一日で食ってたら太るぞ!
そもそも食ったの誰か知らないけど!
キッチンからリビングに移動して、設置してあるソファーに倒れるように座る。
ふわふわしている感触が伝わった。
「……さぁ、何しようかなぁ。」
持ち合わせているナイフを指を弾いてぐるぐると回す。ペン回しならぬ、ナイフ回しだ。
nightmare含めて、今は全員此処の家にはいない。誰もいないとなるとその分派手な事ができる。
日頃の腹いせにnightmareの部屋に悪戯でもしてやろうか?
いざとなれば他の奴に罪を被せればいいだけの話。
「よぉし!!そうと決まれば早速!」
nightmareは中々遠出はしない。偶に遠出をしたと思いきや、家には誰かしら必ずいるし、普段ならば悪戯というのは絶対できないことだ。
まあ、タコ以外の奴なら問答無用でするけど。
誰かが、ましてや本人が帰ってこないうちに早急にしてやろう。
ソファーから身を起こし、鼻歌混じりに階段へと歩く。nightmareの部屋は2階の奥の方だ。
歩きながら悪戯の内容を考える。
さて、どんな悪戯をしてやろうか。
nightmareの嫌がることと言えば、光やポジティブだ。
部屋を無数のライトで照らしてやろうか?それとも、nightmareが一番嫌がるDreamを部屋に呼び込むとか?
nightmareの悲鳴を想像すれば、笑いがこみあがってくる。
悪戯を考えていれば、あっという間に彼の部屋の前まで到着した。
……さあ、
今までストレス溜まってた分、うんとでかい悪戯という名の仕返しを____。
部屋のドアノブに手をかけ、回そうとした時。
「……おい、本当にやるのか?」
嫌という程聞き覚えのある低音に、動作がピタリと止まる。
……待て待て待て待て本人いたの??
最悪だ……これでは悪戯ができない。
然し、誰かに語りかけているような口ぶりだったが、nightmareの他に誰かいるのだろうか?
部屋の中に、少し耳を傾けてみた。
「お前とじゃなきゃできないんだ。」
……?これはCrossの声?
nightmareとCrossは、仕事の都合上よく話しているのは見かけていたが、今話している内容は仕事関係ではなさそうだ。
では……尚更何故??
「……nightmare。優しくするから、俺に全て預けてくれ。」
ん??????
「……嗚呼。」
ん????ん????
ちょっと待って!?中で何が、いや、ナニが行われようとしてんの!?
え、ちょっと待ってCrossとたこってそんな関係性だったの!?
驚きと困惑ががんじがらめになって、動揺してしまう。
「……ゆっくり動かすから。」
え、ナニを!?!?!?!?
「…ん、……かたい……。」
いやナニが!?!?!?!?
驚きのあまり今すぐにでも声が漏れ出しそうな勢いだったが、何とか口を抑える。
これは……間違いなく部屋の中で仲良しこよししている。というか会話の内容聞く限りそうとしか思えない。
多分部屋の中Crossとたこしかいないから確信犯だろ!?!?
「あ、ちょ……っ、まだだめ……。」
「大丈夫、今はまだキツいけどそのうちどろどろになるから。」
お前らナニの話してんの!?!?会話筒抜けだけど!?黙って出来ねぇの!?
という殺し文句はあえて言わず。……というか言えず……。状況が状況だし??
(これ僕関わっちゃいけないやつじゃ……。)
と心の片隅で思う。しかし、今までこういう状況に出会ったことがない故、興味心に駆られてしまう。
……しかも、行為を受けている立場の者は、かの有名な闇の帝王であるnightmareだ。
尚更盗み聞きを引けないわけであり。
「はは、こぼれてるぞ。ちゃんと受け止めないと。」
「っお前が無理矢理、やるからだろ……」
壁越しに聞こえる音が、1つのスクリーンを映し出す……。
生々しいその音は徐々に激しくなっていく。
「あ、……これ以上は、っ……。」
「もうへばるのか?まだいっぱいしないと。」
ぁぁぁぁーー!!もうだめだ!!
ついに我慢の限界になった僕は、目の前の大きな扉を勢い良く開けた。
「お前ら一体何してぇぇぇ
ぇぇぇ……??」
扉を開けると同時に大きく吐き出された声量の塊は、徐々に萎んでいく。
中で行われていた事は、僕の想像の斜め上どころか真頂点に達していた。
……だって
だって、コイツら……
「……チョコ溶かしてるだけだけど。」
「……」
テーブルには重ねられたボウルが1つ。下のボウルは湯が張っており、その上に重ねるように置かれたボウルの中には所々崩れた形の溶けたチョコが入っている。
ボウルの前に立つのは、ヘラを持ったnightmare。その後ろに包み込むような体制でCrossが立っており、ヘラを持っているnightmareの手をサポートするかのようにして、手首を掴んでいる。
要するに部屋の中にいるのは、チョコを湯煎で溶かしているnightmareとCross。
……え、いや、は???
状況はわかるが、理解が及ばなかった。
「……あー…nightmareが俺にチョコ作ってて、その現場を偶然的に見ちゃったんだよ。」
「チョコが解けないっつて、チョコ湯煎で溶かさないままがんがん混ぜてたからさ……なんか可哀想だったから、俺が手伝ってあげてるんだ。」
後ろから、前へと視線をずらす。
当の本人は口元を結んだままだった。他の者にこの状況を見られたのが癪だったのか、照れ隠しのようにチョコを睨んでいる。
「ぇ、……あの、チョコ溶かしてただけなの??じゃあ何でたr……ボスの部屋で作ってんの!?」
「……警戒だ。他の奴らに見られたら面倒くさい。」
鉄製の口が小さく開き、重たい低音を響かせる。
しばらく頭の中が真っ白になって。
……
「ゥァァァ……コノバカップルゥァァァァ……」
体から魂が抜けたように、ずるずると力が抜けていく。その場にへたりこんだ。
ほんとコイツらバカップル……4ね!!!!
「もういいわ!!てめぇら大人しく爆発しとけや!!!」
勝手に想像して勘違いしてしまった自分に逆にイライラしてきて、そのまま部屋から出た。部屋を出る際、思いっきり扉を閉めてやった。
腹いせにチョコ 貪り食ってやる!
【終わり】
おまけ/完全に自分得
「何なんだアイツ……。」
Crossの頭には、クエスチョンマークが浮かぶ。理不尽に怒って部屋を出て行ったkillerが、彼にとっては不思議でたまらなかった。
「妬みだろう。」
見当違いな解釈でnightmareは冷淡に吐き捨てる。
「……まぁ、そうなのかもな。」
クスリと笑ってCrossは納得した。
「……しかし、」
「お前、よくもあんな嘘を即席でつけたな。」
nightmareはそう言いつつ、後ろに立っているCrossの瞳を見つめた。純白は小さく揺れる。
「いや、だって……。アイツ絶対に他の奴にも知らせるし、nightmareからしても面倒くさいだろ?」
「俺は別に構わないが。……お前にとっては大問題かもしれないな?」
「特殊プレイが好きな変態だって知れ渡るからな。」
「闇AUだけでは留まらず。」と彼は付け加え、翡翠の瞳を細めて笑った。
その笑みは他者を絶望へと堕とす恐ろしい形相とは打って変わった、悪戯を仕出かした子供らしい笑みだった。
「……バレンタインだからセーフ範囲だ。」
「言い訳がお上手なこと。」
口元に手をあて、くすくすと笑われる。その姿はまるで芸者のような高貴な気品を漂わせた。
その姿に胸が高鳴るものの、それを誤魔化すようにCrossは本題を切り出す。
「ほら、はやく溶かすぞ。……早くしないとまた別の奴が帰ってくる。」
「せっかちな奴め。……むっつりの方が似合うか?」
「五月蝿い。」
この後溶かしたチョコは2人で美味しく♂いただきましたとさ。
【終われ】