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高校1年生の夏。

私は初めて 恋をした。

高校1年生。

孤独とこんな自分への嫌悪感に苛立ちながらも生きている現実に

 疲れただけ。

大きな理由があったわけじゃない。

ただ生きている理由が分からないだけ。

静夏

すみません。体調が悪いので少し休んできます。

そう言って、授業の途中で

屋上へ向かった。

屋上の扉を開けた時、私は思わず目を細めた。

私のことを否定しているかのような眩しい太陽。

そしてそこには、赤い上履きを履いたふわふわした髪の男の子。

静夏

(赤ってことは2年生、?)

先客がいるなら早く戻ろうと思ったが、どこかこの男の子と私は似ているような気がして、端の方で屋上からの景色を眺めていた。

この曇りのひとつもない青い空を見ていると辛くなった。

消えてしまいたい。

そう思った瞬間、風が吹いた。

今まで風ひとつなかったので思わず肩を震わせた。

男の子に気づかれてないか気になりフェンスに体重をかけながら横を見た。

綺麗だった。

風で彼の髪がなびき、さっきまで隠れていた目元が見えたのだ。

彼は涙を流していた。 理由は分からない。

分かるわけない。でも

彼がなんで泣いているのか、彼はなぜここに居たのか。

彼のことをもっと知りたいと思った。

普段は人を見ただけでこの人の事をよく知りたい、とは思わない。

ただ彼だけは私に似てる気がして。

彼のことが知れたら私がいまなぜ辛いのかが分かる気がして。

私は人に興味を持ったことがない。

恋も、友情もよく分からない。

でも私はこの感情を恋と呼べば、 楽になれる気がした。

高校1年生の夏。

私は初めて恋をした。

私だけの天使でいてね。

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