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一ノ瀬家のお父さんが生きてた世界線でこんなに変わるとは… どれも素敵なストーリーだったけど一番好きなのは96月だなぁ〜 ああいう系はいつかハッピーエンドになると考えてしまうw 瑞樹さんと慶一郎さん、本当にまふゆちゃんとまふゆママと一緒だなぁ、 ということはいつか瑞樹さんにも希望が!!← やみずきさん…良いなぁ〜(( 今回も全て最高でした! ありがとうございます!!
あああ…どのお話も最高すぎる… 特に96月と瑞樹さんのお話が好きすぎる… あの平和な青春してたボク恋はどこへ… 96月のすれ違い…悲しすぎる… 96ちゃんもあまちゃんも……ただ… そして瑞樹さん……ほんとにまふゆちゃんや 冬弥と同じですね… 闇深系のお話が大好きな私なんだよなぁ… ありがとうございます(?) めっちゃめっちゃ最高でした!
あんなに平和なボク恋も、ここまで暗い展開にできるなんて…… 少しボク恋本編と違うだけで、まふくんや真夏ちゃん、96月がこんなことになるとは…そしてともくん達も少しグレちゃってる(?)し、何より瑞樹さんが…… 個人的にはこういう展開も好きなのですが((((殴 やっぱりボク恋は平和なのがいいですね…😭 今回もマジで最高でした!投稿ありがとうございます♪
注意!
こちらは歌い手さんのnmmnです そらまふBL要素もちょっとあり
『ボク恋』のifストーリーです 読んでいない方はぜひ本編から
本編とは違うダークなストーリーの為 キャラ同士の仲が歪だったり めちゃくちゃ悪かったりします 苦手な方は注意
いじめ、やや暴力表現 なども諸々注意
何でも許せる方どうぞ!
1、無自覚共依存(真冬&真夏)
〜真冬 side〜
ガンッ!!
真冬
放課後の体育館裏
建物の暗がりに、僕と、 クラスメイトの男子が3人
男子
バシッ!!
真冬
殴られた反動で、体が大きく 突き飛ばされて、背中を建物の 壁に強く打ち付ける
“これ”が始まったのは、 2年生になって少しした頃
僕の何を妬んだのか、最初は小さな イタズラから始まって、段々とこんな ことにまでエスカレートしていった
真冬
どんなに辛くても、僕のそばには いつもそらるさんがいてくれたから、 何をされたって平気で耐えられた
今だって、考えてるのは彼のことだけ
好きな人の為なら、何だってできる、 何だって耐えられるんだ
男子
ドンッ!!!
この人達は“これ”の発覚を 恐れてなのか、顔や腕の肌が隠れない 部分には、傷をつけて来ない
そのおかげで、僕も家族に…… 姉さんにすら隠せてるから、 助かってるけど
男子
いつの間にか、すっかり空は 夕焼けに染まって、最終下校時間を 知らせるチャイムが鳴っていた
真冬
彼らが去った後、すぐに スマホで時間を確認する
真冬
曲がったネクタイを元に戻して、 軽く制服についた土埃を払う
それから、地面に放り出されている カバンを持って、軽快な足取りで 校門へと走って行った
次の日
今日も放課後に呼び出されて、 いつもの体育館裏へと向かう
そこには、いつもの男子3人がいた
男子
真冬
男子
男子
真冬
そう言って、相手がそれぞれ 取り出したのは、ハサミだった
男子
真冬
男子
真冬
男子
真冬
そう言われると同時に3人に 囲まれて、ハサミを構えられる
真冬
???
真冬
突然暗がりの外から、 聞き慣れた声が聞こえる
真冬
真夏
男子
真夏
今までに見たことのない剣幕で、 相手の男子達に怒鳴る彼女
男子
その必死の形相にたじろいだのも 束の間、3人が去っていった
真冬
真夏
彼らの姿が見えなくなった後、 姉さんがすぐ僕の元へ駆け寄ってくる
真冬
ギュッ
僕の言葉を遮って、 突然抱きついてきた
真夏
真夏
真冬
真夏
真夏
そう言って見せてきたのは、 姉さんのスマホのとある画面
真冬
真夏
真夏
真夏
真夏
……そっか、姉さんは僕を心配して……
真夏
真夏
真冬
真夏
真夏
真冬
真夏
真冬
真冬
真夏
真冬
真夏
真冬
真夏
真冬
真冬
彼との約束に想いを馳せながら、 大好きで大切な人と2人で、 夕焼けに染まった道を歩いた
2、懐古(彼方&芽衣&智弥&九葉)
〜彼方 side〜
去年の年明け、両親が離婚した
詳しい理由は、俺達兄妹は分からない
ただ知っているのは、 痴情の絡れではないらしいことだけ
2人の離婚後、俺は父さんの方に ついて実家の宮城に、妹の芽衣は 母さんの方について、変わらず 千葉のあの家で暮らしている
他に変化したことといえば、 芽衣の名字が、母さんの旧姓の 加賀野になったことくらいか
車内アナウンス
ぼんやりと当時を思い出しながら 電車に揺られていると、 あっという間に目的の駅に着いた
電車を降りて、改札を通って、 駅から出る
16年間も住んで、育ってきたこの町
離れたのはたった1年とちょっとの はずなのに、この見慣れた景色が、 やけに久しぶりなものに見える
彼方
ある人と約束をしていた 場所まで行くと、やけに目立つ、 白い頭を一つ見つける
そらる
まふまふ
オレが声をかけると、 すぐにぱっとこちらを 振り返って笑顔を向けてきた
こいつはオレの相方のまふまふ
ネットの歌い手活動を通して 知り合って、去年の春に 音楽ユニットを組んだ奴だ
まふまふ
そらる
まふまふ
まふまふ
そらる
まふまふ
まふまふ
そらる
まふまふ
そらる
そらる
まふまふ
そらる
……今一瞬、あいつが少し悲しそうな 顔をしたように見えたのは、 多分オレの気のせいだろう
立ち止まることはせず、 真っ直ぐ目的の場所へと向かった
久しぶりに見る、元の自分の家
彼方
見上げるのをやめて、 家のインターホンに手を伸ばす
ガチャッ
……すると、ボタンを押す直前、 玄関のドアが開いた
芽衣
彼方
久々に見た妹は、相変わらず片手に お菓子の袋を持って、隣に遊びに 行こうとしていたらしい
芽衣
芽衣
ガチャッ
容赦なく隣の玄関のドアを開けて、 中に入っていく芽衣
九葉
彼方
芽衣
芽衣
彼方
九葉
ガチャッ
そうして案内されたのは、九葉の部屋
……ではなく、智弥の部屋だった
智弥
智弥
何やらパソコンで作業を していたらしく、こちらを 振り返った途端、目を見開く智弥
彼方
智弥
九葉
智弥
智弥
芽衣
彼方
智弥
彼方
去年は色を抜いて茶髪だったのに、 今年は赤く染まっている智弥の髪
智弥
九葉
芽衣
智弥
彼方
そういえば、活動関連で通話 することはあっても、あいつにも 久しく会ってなかったな
彼方
智弥
彼方
芽衣
九葉
智弥
彼方
そんな話、本人からは 一切聞いたことがない
九葉
九葉
新條家は日本でも有名な財閥家で、 瑞樹はその家の長男
昔から代表の父親についていって、 表舞台に出ることもあったらしい
彼方
芽衣
彼方
……心配だし、後で連絡してみるか
その後、しばらく3人と近況報告を して、一度香月家を出た
彼方
……久しぶりに、 少し町をふらついてみるか
3、不可逆変化-Ⅰ(棗)
〜棗 side〜
棗
翔太
……いつからだろう
私達が、学校の廊下で すれ違っても、目線一つ 合わせることがなくなったのは
翔太
棗
些細な会話一つで、どうでもいい 口喧嘩をするようになったのは
翔太
棗
……その度に、少し心が 痛むようになったのは
全部、いつからだろう
昔は……たった1年前は、こんなの あり得ないくらい仲が良かったのに
毎日2人で登校して、放課後は 寄り道なんかして、帰ってからも お互いの家に遊びに行ったりして
それが、全部嘘だったみたいな、 幻だったみたいな、今の関係
──本当は、こんなことしたくない
本当は──
その先の気持ちに、もう気づいちゃ いけないような気がして、 脳裏に浮かぶ度、すぐに掻き消す
母
棗
棗
私達は何のせいで喧嘩して、 誰のせいでこうなったのか
何に対して謝ればいいのか、そもそも 自分が謝る側なのかすらも、時間が 経ちすぎた今では思い出せないのに
棗
……そんな中、事は突然起きた
棗
放課後、偶然廊下で ばったり出会した
……彼の傍には、 知らない女子生徒が1人
しかも、やけに距離が近い
女子生徒
一方の相手は、私のことを 知っていたらしい
そりゃそうか、去年までは カップル疑惑とか言われてたんだし、 校内でもそこそこ有名だったから
翔太
棗
彼の言葉についカッとなって、 言い返そうと口が勝手に動く
……だけど、寸前で止まった
棗
棗
……さっき、ようやく 久しぶりに目が合ったのに
怖くなって、自分から 逸らしてしまった
翔太
翔太
女子生徒
とうとう2人が私の横を通り抜けて、 離れていってしまう
棗
棗
棗
1人になった途端、堪え切れなく なって、両目から涙が溢れ出してくる
何の涙か、自分でも分からなかった
相手に怖気付いてしまった 悔しさなのか、何も言い返せなかった 自分の無力さなのか
……もう、とっくに引き返せない ところにいるのに感じてしまった、 “後悔”なのか
ずっと分かってたよ、相手に対する 自分の本当の気持ちなんて
分かってたけど、 知らないふりをしてたんだ
これの始まりと同じように、 怖くなって
臆病な自分のせいで、 ずっと後悔ばかりだ
今だって、ほら
もう戻れないのに、意味も無いのに、 あの時こうしていたらなんて、 叶わないことを考えてる
棗
この1年ずっと言えなかった言葉が、 今になってようやく出てきた
本当は──
もう、何もかも手遅れだよ
4、不可逆変化-Ⅱ(翔太)
〜翔太 side〜
この1年の始まりは、きっと あの出来事がきっかけだ
去年の冬頃、いつも通り 96ちゃんがうちに遊びに来て、 一緒に部屋でゲームをしてて
そんな時、こんな話をしたんだ
棗
翔太
棗
棗
棗
翔太
棗
翔太
棗
15年来の仲、僕には隠し事なんて ないと思ってたし、相手も然り、 お互い何でも言ってると思ってた
……でも、その時は咄嗟のことで 気がつけなかったけど、実は 一つだけあったんだよね
僕が彼女を好きなこと
今考えれば、僕が唯一知らない 96ちゃんの隠し事も、 きっとこれだったんだと思う
……それを、あの日の時点で口に していればよかったんだけど
棗
だけど僕は、何でも話してきたと 思ってた中で初めて隠し事を されたのが、嫌だったみたいで
つい、しつこく聞いてしまったんだ
そしたら当たり前だけど、 96ちゃんは怒って出て行っちゃって
それからは、すれ違いが重なって
やっと話せると思った日にはもう、 今までしていた相手への接し方が、 分からなくなってて……
……そこからは、今の関係に至る
出会せば即喧嘩、でも一度に言葉を 交わすのは、いつも3、4回程度
そんな暗いどんよりとした日常の中、 一つの大きな変化は、突然訪れた
女子生徒
朝、自分の下駄箱に一通の手紙が 入っていて、中身を開けば、それは 分かりやすいラブレターで
そして放課後、手紙に書かれていた 場所に向かえば、そう告白された
この子は確か、去年クラスが同じで、 数回話したことがある人だったような
必死に告白されて、それでも 一番気になってしまったのが、 “前からずっと”って言葉だった
前からずっとって、一体どれくらい?
それは96ちゃんよりも長くってこと?
僕らは生まれてから ずっと一緒だったのに?
生まれて初めての告白なのに、 僕の頭の中を埋め尽くしたのは、 やっぱり彼女の存在で
だけど……いや、だから、かな
この子と付き合えば、 96ちゃんはどう思うんだろうって、 考えてしまったんだ
もしこの子と付き合ったら、 96ちゃんは嫉妬してくれるかな
本当のことを、隠してたことを その口から教えてくれるかな
今まで通りの仲に……もしかしたら、 それ以上にもなれるかな
……その考えが巡った後、 すぐに僕は、笑顔で答えを出していた
翔太
その後、2人で廊下を歩いていると、 幸か不幸か、早速彼女に会った
棗
驚きと、それ以上にショックが 混じったような目を向けてくる
僕が思った通りだった
そうだよね、辛いよね
でも、まだチャンスは あるんだよ、96ちゃん
翔太
敢えて、冷たく 突き放すようなことを言う
棗
するとほら、 やっぱり突っかかってきた
棗
翔太
何故かそこで、言葉を詰まらせる彼女
だけど次の瞬間、 こんな言葉が飛んできた
棗
翔太
なんで?
……なんで、そうなっちゃうの……?
せっかく今、久しぶりに 目を合わせてくれたのに
それもすぐ逸らされて
翔太
翔太
そういえば96ちゃんって、 昔から見栄を張るばっかりで、 ほんとは臆病な子だったよね
こんなに体も小さいし、 本当に子猫みたいな子だった
……だけどそっか、こんな時でも 96ちゃんは、自分の気持ちを 優先しちゃうんだね
翔太
隣にいる子に言葉をかけて、 スタスタと彼女の横を歩いて去る
……後ろから、小さな泣き声が 聞こえたのは、知らないふりをした
5、先天性“無”自由(瑞樹&観鈴)
〜瑞樹 side〜
それは、とある秋頃のこと
彼方
生徒会の用事が終わった、 休日の学校帰り
いつもみたいに特に意味も無く寄り道 した駅前で、そんな声をかけられた
瑞樹
振り返ると、そこには かつての親友の姿が
瑞樹
彼方
瑞樹
彼方
……まぁ流石に、1年ちょっとじゃ 忘れてなかったか
瑞樹
軽く誤魔化して、話を逸らす
彼方
彼方
瑞樹
彼方
彼方
瑞樹
彼方
瑞樹
彼方
瑞樹
彼方
少々食い気味に、そう投げかけられる
瑞樹
瑞樹
瑞樹
瑞樹
……また、はぐらかしてしまった
彼方
瑞樹
彼方
瑞樹
かつての親友相手にも、 弱音一つ吐けない
本当の自分を、弱い姿を 見せるのを、恐れてしまった
瑞樹
始めから隠してきたくせに、 今更曝け出せるわけがない
観鈴
瑞樹
観鈴
瑞樹
用件は多分、いつものやつだろう
観鈴
瑞樹
観鈴
心配そうな表情で、観鈴に聞かれる
瑞樹
……俺は、この子にだけは、 心配をかけちゃダメだ
観鈴を振り切って、荷物を置く為に 一度自分の部屋に戻ってくる
瑞樹
毎日毎日、家の重圧に耐える日々
自分を偽って、自分自身を 騙していないと、こんな日常は やっていられなかった
……だから、中学の頃、屋上にいた 自由な彼を見た時、心の底から 羨ましいと思ってしまったんだ
何にも囚われず、自由に “自分”の人生を生きている彼が
それが、いつしか憧れになって…… そんな彼の近くにいれば、俺も少しは 自由になれるのかな、なんて夢を見て
瑞樹
瑞樹
部屋で荷物を置いて着替えた後、 無駄に長い廊下を歩いてきて、 父さんの書斎に入る
父親
瑞樹
手短に済まそうと、父さんがいる 机の近くまで寄って、返答を煽る
父親
瑞樹
父さんの口から彼方の名前が出て、 思わず体が強張る
……こういう時は、 到底良い予感はしないもので
父親
瑞樹
彼方と……関わるのをやめろ……?
瑞樹
父親
父親
瑞樹
父親
父親
瑞樹
瑞樹
瑞樹
父親
父親
瑞樹
瑞樹
どうしても、どうしてもこれだけは 手放したくなくて、必死に頭を 回転させて、言い訳を探す
自分の唯一の逃げ場だったのに、 それを取り上げられたら、俺は──
父親
瑞樹
今更こいつは何を言っているんだ
こんな広い屋敷に住んでおいて、 しかも人の部屋の、パソコン一つを 置く場所が勿体無いだって?
瑞樹
瑞樹
いてもたってもいられなくなって、 書斎を出て、急いで自室に向かう
観鈴
その途中、階段の上から 観鈴の声が聞こえてきた
観鈴
使用人
観鈴
使用人
観鈴
使用人
使用人が降りて来ると、俺の前を 横切るなり、軽く会釈をされる
瑞樹
観鈴
瑞樹
観鈴
目に涙を溜めながら、 そう謝ってくる観鈴
瑞樹
瑞樹
観鈴
瑞樹
瑞樹
……最後は、ほとんど 自分に言い聞かせていた
泣きじゃくる観鈴を宥めて、 部屋に送ってあげた後、改めて 自分の部屋に戻って来る
瑞樹
作業机としてパソコンを 置いていたスペースからは、 それが跡形も無く消え去っていた
さっき、自分で言ったじゃないか、 元々俺に自由は無いって
この家に生まれた時点で、 俺の人生はとっくに決まってたんだ
俺の人生には、俺の意思が関与できる 隙も、“俺自身”を見てくれる人がいる スペースだって、1ミリも存在しない
瑞樹
きっと俺はこれからも、この家に、 この肩書きに飼い殺されるんだろう
だったらもう、最初から全部諦めて いれば、楽になれるじゃないか
……あれ
──なんで泣いてんだ、俺?
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで