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拝 啓 、

ヨ コ ミ ゾ 殿

小栗 虫太郎 side

♢

♢

♢

あの世で如何お過ごしだろうか

馬鹿の貴様の事だ

どうせ 神仏の法力を使った

密室トリックでも 考案しているのだろう

其れに比べて 私は今

貴様が羨むような贅沢な日々だ

嘘ではない 食事は華美で豪奢

見張り

食事だ

小栗 虫太郎

…頂きます

其して ケルトの ルアドロエッサすら羨む

自在な読書時間

小栗 虫太郎

おい 見張り

見張り

ん?

小栗 虫太郎

神秘学の書が読みたい

小栗 虫太郎

図書館に行かせろ

見張り

外出は禁止だ

小栗 虫太郎

なら せめて 本を寄越せ

小栗 虫太郎

洗濯後に濯ぎが始まらない
場合は8ページを参照

普段 読まない本も 熟読できるからな

今や思い出す事すら 全く無い

お前が もう この世に居ない事を

小栗 虫太郎

うおっ‪!

ヨコミゾよ

愚かなお前と違い 私は こんな緊急事態にも

泉 鏡花

侵入成功

中島 敦

アタタタ

泉 鏡花

大丈夫?

中島 敦

何とか...

優雅に冷静に保てる

小栗 虫太郎

ゼッヒ・シュテムベル・シュレッケンゲエト・ドゥルヒ・マイン・ゲバイン‪!

小栗 虫太郎

キィエエエ〜ッ‪!

中島 敦

あの...武装探偵社です

中島 敦

貴方を助けに来ました

中島 敦

探偵社は天人五衰に濡れ衣を着せられました

中島 敦

貴方は其の罠を警告しようとして

中島 敦

敵に捕まった

中島 敦

僕達は、貴方を救出する為

中島 敦

神の目で此処を突き止めたんです

中島 敦

鏡花ちゃん、外の見張りは?

泉 鏡花

夜叉白雪が峰打ちにした

中島 敦

虫太郎さん 一緒に脱出しましょう

小栗 虫太郎

断る

中島 敦

えっ?

小栗 虫太郎

私の知る天人五衰の情報が
狙いだろう?

小栗 虫太郎

だが、私には貴様らなど不要だ

中島 敦

そんな...
外に出たくないんですか?

小栗 虫太郎

監禁生活には慣れている

小栗 虫太郎

其れに最早外の世界に大して興味も持てん

小栗 虫太郎

外に出てもどうせ奴は...

泉 鏡花

” 原稿 ”

泉 鏡花

其の一言に貴方は逆らえないと

泉 鏡花

乱歩さんは云った

「 之 原 稿 の 秘 密 を 公 表 す る だ け で 十 分 な ん だ 」

小栗 虫太郎

脅迫か

小栗 虫太郎

愈々本物の犯罪組織だな、お前達

泉 鏡花

そうかもしれない

泉 鏡花

でも、武装探偵社を救う為なら私は何にでも成る

小栗 虫太郎

フン

小栗 虫太郎

ならば、お前達が今していることが

小栗 虫太郎

銀行破りという事も承知だな

小栗 虫太郎

此処は政府系の銀行の中
侵入だけでも重罪だぞ

中島 敦

あっ...

小栗 虫太郎

まぁ いいだろう

小栗 虫太郎

お前達に協力してや…

失礼します❄️

中島 敦

!?

初めまして

白水 ユキ

私、ポートマフィア情報部の白水 ユキと申します

中島 敦

ポ、ポートマフィア!?

ポ | ト マ フ ィ ア 情 報 部 & 幹 部 補 佐

白 水 ユ キ

異 能 力 | | 「 氷 の 人 魚 姫 」

白水 ユキ

五大幹部、星乃天音の幹部補佐であり

白水 ユキ

天音さんの弟子です

中島 敦

あ、天音さんの弟子!?

白水 ユキ

本来ならば天音さんが向かう予定でしたが、

白水 ユキ

急遽、大事な任務が入った為

白水 ユキ

私が代わりに同行させて頂きます

中島 敦

あ、有難う御座います

白水 ユキ

では、着いてきて下さい

白水 ユキ

此処からは私が案内します

中島 敦

わ、判りました!!

白水 ユキ

脱出路はこっちです

中島 敦

で、電子機器?

白水 ユキ

私はハッキングを得意とするので、…

中島 敦

な、成程、…

泉 鏡花

ユキさん、又会えて嬉しい、…

白水 ユキ

そうですね

白水 ユキ

私も嬉しいと思います

中島 敦

(そうか、鏡花ちゃんはポートマフィア時代でお世話になったのか…)

白水 ユキ

お世話…というより弟子仲間に近いのではないでしょうか

中島 敦

(こ、心読まれた?)

白水 ユキ

以前、天音さんに武術を教わりました

白水 ユキ

其の時に鏡花に出会いました

泉 鏡花

ユキさんは天音さんのお気に入り

泉 鏡花

私は芥川に武術を教わるのなら天音さんと云われ

泉 鏡花

そこで初めて天音さんにも出会った

白水 ユキ

私は、鏡花の武術を認めてます

泉 鏡花

…!!

小栗 虫太郎

ぐぬぬ‪〜!急に腹痛が〜!

中島 敦

大丈夫ですか?

小栗 虫太郎

全然駄目‪!

小栗 虫太郎

之はもう死ぬかも解らん‪!

小栗 虫太郎

うぅ〜!!

泉 鏡花

解った

小栗 虫太郎

うぅ?

泉 鏡花

腹痛に効くツボを知ってる

泉 鏡花

腰骨の3センチ上を之で強めに何回も刺せば...

小栗 虫太郎

おぉ‪!治った‪!

小栗 虫太郎

刺す前に治るとは、良く効く死に方だ

泉 鏡花

嬉しい

小栗 虫太郎

(くぅ〜っ‪!小娘め‪!

小栗 虫太郎

(だが 未だ...

小栗 虫太郎

ムムッ‪!いかん‪!

小栗 虫太郎

この廊下の方角はカバラにおけるタウルスの位相‪!

小栗 虫太郎

悪しき方角に進むな、凡愚共!

泉 鏡花

カバラに効くツボを知ってる

小栗 虫太郎

おお‪!方角が直った‪!

小栗 虫太郎

之は よく効くツボだ

泉 鏡花

嬉しい

白水 ユキ

(…何やってんだか、)

白水 ユキ

…!!

白水 ユキ

止まって

警備員

はい 此方 C班

警備員

はい はい

警備員

了解 直ぐ向かいます

泉 鏡花

どうしたの?

白水 ユキ

警備員が去っていく…

白水 ユキ

之は...

坂口 安吾 side

支店長

こ、...困ります、捜査官殿

坂口 安吾

支店長殿

坂口 安吾

之建物には指名手配犯が
侵入しています

坂口 安吾

直ちに業務を中止、警備の指揮権を渡して下さい

軍警

((銀行の包囲、完了しました

坂口 安吾

よし、相手の異能力は把握済み

坂口 安吾

全力で狩るぞ

小栗 虫太郎

どうした?

中島 敦

特務科に包囲されています

白水 ユキ

安吾さん、

中島 敦

ご知り合いなんですか?

白水 ユキ

元ポートマフィアの情報部に所属していた者です

中島 敦

え!?

白水 ユキ

あの方は首領のお気に入りでした、

白水 ユキ

ですが、五年前…

中島 敦

五年前?

白水 ユキ

いえ、何でもないです

白水 ユキ

それより虫さんはどう成されたのですか?

小栗 虫太郎

拙い、拙いぞ
何故、奴が此処に...

中島 敦

何です?

小栗 虫太郎

坂口 安吾

小栗 虫太郎

あの男に捕まれば全員、終わりだ

小栗 虫太郎

” 七號機関 ”と云う組織を知っているか?

白水 ユキ

犯罪の隠蔽と清浄を専門にした組織ですよね

泉 鏡花

聞いてる

泉 鏡花

囚われの貴方をフョードルが救出し

泉 鏡花

見返りに共喰いへの協力を
要求したとか

小栗 虫太郎

坂口 安吾は其の犯罪組織の長だ

白水 ユキ

…!!

中島 敦

有り得ません、安吾さんは政府の人間ですよ

小栗 虫太郎

未だ解らんのか

小栗 虫太郎

其の政府が犯罪組織を作ったのだ

小栗 虫太郎

七號期間は政府の闇だ

小栗 虫太郎

政府犯罪の揉み消し、違法な作戦、醜聞隠し

小栗 虫太郎

其の資料を渡され証拠を隠滅したのは私だ

白水 ユキ

…真逆、

小栗 虫太郎

間違いない

小栗 虫太郎

捕まれば、私は死ぬまで捕らわれ

小栗 虫太郎

お前達は消されるだろう

泉 鏡花

だとしたら、この包囲網は最悪

泉 鏡花

特務課の特殊部隊は…

泉 鏡花

ポートマフィアも恐れる
対異能力者の専門家

泉 鏡花

発見されたら毒瓦斯や爆撃を受けて詰む

小栗 虫太郎

なら、発見されなければ良い訳だ

泉 鏡花

ん?

小栗 虫太郎

フッ、私を誰だと思っている

小栗 虫太郎

堂々と歩け‪

小栗 虫太郎

どうだ、盗品を持って映り犯罪の証拠を消す異能力を使えば

小栗 虫太郎

凡百監視映像から我々の姿が消える

中島 敦

凄い

中島 敦

(流石は乱歩さんを苦しめた異能力)

中島 敦

あっ

小栗 虫太郎

アウッ‪!!

中島 敦

鏡花ちゃん‪!ユキさん!隠れて

坂口 安吾

手配犯は間違いなく之近くです

坂口 安吾

壁や天井を切断出来る異能者や

坂口 安吾

液状系の物を凍らす異能者もいます

坂口 安吾

注意して周辺の封鎖を

中島 敦

安吾さんです

小栗 虫太郎

何故だ、私の異能力は完璧な筈

泉 鏡花

拙い、之奥は

泉 鏡花

金庫が並んだ通路で行き止まり

泉 鏡花

逃げ場が無い

中島 敦

なら、金庫に隠れたら...

泉 鏡花

危険過ぎる、袋の鼠になる

中島 敦

…来た

小栗 虫太郎

(時間が無い、見つかれば終わり

小栗 虫太郎

(どうする

〈 ま る で 密 室 だ ね 〉

小栗 虫太郎

えっ?

〈出口の無い包囲網 詰り 密室だ〉

〈之で犯人が霞のように消えたら 面白いミステリーに成る〉

〈そう思わないかい?虫君〉

小栗 虫太郎

はっ...

小栗 虫太郎

お前達

ついて来い

坂口 安吾 side

軍警

ターゲット発見、金庫の中に逃げ込みます

❄️

坂口 安吾

氷!?

坂口 安吾

此処に確実にいるッ!!

坂口 安吾

敵を無力化する

坂口 安吾

異能戦部隊、前へ‪!

軍警

((爆薬設置

軍警

((ブリーチングチャージ用意、よし

軍警

点火‪!

💣💥

坂口 安吾 side

軍警

突入‪!

軍警

あっ...

軍警

指令、誰も居ません、ターゲットが消えました

坂口 安吾

何?

坂口 安吾

壁や床を斬って逃げた形跡は無い

坂口 安吾

其れ処か

坂口 安吾

異能力を使った痕跡は扉前だけ、

「完全に消えた」

小栗 虫太郎

フハハハハ‪!見たか 特務課‪!

中島 敦

大丈夫ですか?

小栗 虫太郎

何の事は無い、典型的な密室消失トリックだ

小栗 虫太郎

連中が見たのは夜叉白雪が扉を閉める瞬間だ

小栗 虫太郎

実際 我々は扉を開けた儘の手前の金庫にいた

中島 敦

其して、突入の瞬間夜叉白雪を消し

中島 敦

僕達は逃げた

小栗 虫太郎

まぁ、更に信憑性を高める為に、

小栗 虫太郎

「氷の人魚姫」で氷を遠距離から出し我々があたかもそこにいるという事にした

小栗 虫太郎

扉が開いた部屋に誰かが隠れて居る筈が無いと云う

小栗 虫太郎

心理的な死角を利用したトリックだ

小栗 虫太郎

頭の良い奴程引っかかる

中島 敦

其れにしても良くあの土壇場で閃きましたね

小栗 虫太郎

嗚呼、否...

中島 敦

ん?

小栗 虫太郎

閃いたのでは無い

小栗 虫太郎

昔、教わったのだ

中島 敦

誰にです?

〈 隣 の 部 屋 に 隠 れ る?〉

小栗 虫太郎 side

小栗 虫太郎

こんな騙し、トリックと呼べるか?

ヨコミゾ

ハハハハ

小栗 虫太郎

ん?

ヨコミゾ

でも虫君、解けなかったじゃないか

何 万 回 と 議 論 し た

細 胞 に 染 み つ く 程 に

小栗 虫太郎 side

小栗 虫太郎

ヨコミゾ、お前はずっとそこに居たのか?

小栗 虫太郎

密室に行けば何時でもお前に会えるのか?

ヨコミゾ

この処、君の周りは

ヨコミゾ

賑やかで楽しそうだ

ヨコミゾ

退屈な手紙を書き綴るより
余程健全だ

小栗 虫太郎

フッ、黙れ売文屋め

中島 敦

虫太郎さん?

小栗 虫太郎

後は車を盗み逃げるだけだ

小栗 虫太郎

先ずは車を盗んだという窃盗罪の証拠を異能力で消す

小栗 虫太郎

すると、市街の監視映像も

小栗 虫太郎

盗難車を発見という警察通信も消滅する

中島 敦

本当に凄いな

泉 鏡花

之下水道を通れば

泉 鏡花

警備に見つからず駐車場に行ける

中島 敦

僕に任せて

中島 敦

僕が先に中に入ってチェックを...

プスッ

中島 敦

あっ...

小栗 虫太郎

おい‪!

泉 鏡花

(ダミー?

プスッ

坂口 安吾

困りますね

坂口 安吾

そう簡単に僕を出し抜けると思われては

白水 ユキ

…気配がしなかった

白水 ユキ

(私は元から体質で気配を消す事ができた)

白水 ユキ

(私の近くにいた者も気配を消す事が出来る筈なのに…)

白水 ユキ

(それにこの呑み込まれそうな気配…)

白水 ユキ

(私はこの気配を知ってる…)

小栗 虫太郎

馬鹿な、何故此処が...

中島 敦

安吾さん、聞いて下さい

中島 敦

た...探偵社は無実です

中島 敦

本当の敵は別に居ます

中島 敦

貴方なら解るはずです

中島 敦

信じて‪!

坂口 安吾

其の通り、僕なら解ります

坂口 安吾

僕の異能力は

坂口 安吾

物に残った記憶を読み取る
記憶抽出能力

坂口 安吾

之で貴方達の逃走経路も読み取った

坂口 安吾

之能力で現場を全て調べました

坂口 安吾

故に断言できる、犯人は探偵社だ

坂口 安吾

種田長官を刺したのも‪!

泉 鏡花

乱歩さんが云ってた

泉 鏡花

政府には記憶を読む異能力者が居ると

泉 鏡花

其れに捕まれば死罪は確実だとも

坂口 安吾

政府の秘密機関を相手に
” 信じて ”?

坂口 安吾

最後まで探偵社の冗談は笑えない

中島 敦

(甘かった

中島 敦

(之が特務課

白水 ユキ

ッ…!!

白水 ユキ

(天音さんの防壁には劣るけど、)

白水 ユキ

(凍らして止めるくらいならッ!!)

💥🔫

💥🔫

💥🔫

白水 ユキ

え、…

中島 敦

えっ?

中島 敦

うわっ‪!ぐえっ‪!

中島 敦

うう...

中島 敦

あっ

坂口 安吾

(しっ〜

中島 敦

えっ?

軍警

指令、ターゲットは?

坂口 安吾

逃げました

坂口 安吾

マンホールから出た敵は
虎の異能力を使い

坂口 安吾

之先の路地から西へ逃走

坂口 安吾

一帯の封鎖を

軍警

了解

坂口 安吾

之でフョードルは

坂口 安吾

我々が対立していると
思い込むでしょう

中島 敦

” 探偵社は無実 ”って僕の言葉を信じてくれたんですか?

坂口 安吾

君達は以前、フランシスの事務所で

坂口 安吾

太宰君からの伝言を見たのでしょう?

坂口 安吾

あのメッセージを送ったのは僕です

中島 敦

えっ?じゃあ...

坂口 安吾

最初から僕と太宰君は組んでいたのですよ

坂口 安吾

僕が獄中の太宰君との仲介役です

白水 ユキ

其して、今回我々を助けたのは別の者の指示、ですよね?

坂口 安吾

…!!

中島 敦

え、どういう事ですか?

白水 ユキ

恐らく、元より救助する予定が別の者の指示により

白水 ユキ

救助を優先しなければいけない状況に至った

白水 ユキ

其して、そのお方こそが天音さん、ですよね?

坂口 安吾

…其の通りです

中島 敦

あ、天音さんが!?

坂口 安吾

脅し迄されては救助せざるを得ない

坂口 安吾

本当に酷い人だ

中島 敦

でも、太宰さんはどうやって外に通信を?

坂口 安吾

ムルソーの囚人には脱走防止の為

坂口 安吾

生体信号センサーが埋め込まれています

坂口 安吾

そこで太宰君は伝言を数値化

坂口 安吾

心拍数を記録させそれを僕が政府権限で閲覧

坂口 安吾

解読しているのです

中島 敦

自分の心拍数を自在に操って?

坂口 安吾

元ポートマフィアの太宰君にしか出来ない芸当です

坂口 安吾

あれならバレようがない

小栗 虫太郎

信じられんな、貴様は敵だ

小栗 虫太郎

第一、何故あんな芝居を打つ必要が有った

坂口 安吾

フョードルの目は何処に有るか解りません

坂口 安吾

僕の物の記憶を読む能力を使えば

坂口 安吾

喩え盗難車でも追跡が可能です

坂口 安吾

其れを見逃せば敵に怪しまれます

小栗 虫太郎

敵?

小栗 虫太郎

フン、邪知なる七號機関が敵を恐れるのか

坂口 安吾

其れですよ、虫太郎さん

坂口 安吾

矢張り、貴方

坂口 安吾

僕を七號機関の人間と聞かされていましたね

小栗 虫太郎

だったら何だ

坂口 安吾

簡単です

坂口 安吾

僕は七號機関の人間では無いからです

小栗 虫太郎

何?

坂口 安吾

フョードルの嘘ですよ

坂口 安吾

貴方に僕を避けさせる為の

小栗 虫太郎

ぐっ...

坂口 安吾

其れだけ奴は恐れたのですよ

坂口 安吾

我々がこうして話すことをね

坂口 安吾

之話の続きは____

安全な場所で

ルーシー

ちょっと‪!何なのよ 貴方!

ルーシー

指名手配ってどう云う事よ!

中島 敦

痛い...

小栗 虫太郎

此処、大丈夫なのか?

坂口 安吾

之部屋は彼女が選んだ人間しか入れません

坂口 安吾

世界一安全です

中島 敦

抑、何でルーシーちゃんが安吾さんと一緒に?

ルーシー

うっ‪!其れは、其の大した理由じゃ...

坂口 安吾

保護したのです

ルーシー

ちょ‪!

坂口 安吾

彼女捜査本部に乗り込みましてね

坂口 安吾

” 敦君は悪人ではない ”
” 殺人犯なんて間違いだ ”と

坂口 安吾

其れは凄い剣幕で

ルーシー

辞めて〜!云わないで〜!

中島 敦

へぇ、親切だね有難うルーシーちゃん

小栗 虫太郎

其れより答えろ、坂口 安吾

小栗 虫太郎

私は以前ある組織に監され犯罪の隠滅を手伝わされていた

小栗 虫太郎

邪悪なるその組織の名は” 七號機関 ”

小栗 虫太郎

お前は本当に七號機関の人間では無いのか?

坂口 安吾

はい

小栗 虫太郎

では、七號機関の力を使ったことは?

坂口 安吾

…有ります

小栗 虫太郎

並ばお前に協力する理由は何も無い

坂口 安吾

但し、一度だけです

坂口 安吾

四年前、太宰君が…

坂口 安吾

ポートマフィアの外で
生きられるように

坂口 安吾

彼の過去の罪を消した

小栗 虫太郎

一度だけ手を汚した理由は?

坂口 安吾

もう居ない友への

坂口 安吾

責めてもの罪滅ぼしの為に

白水 ユキ

…!!

小栗 虫太郎

もう居ない友のため...か

坂口 安吾

虫太郎さん、貴方の云う通りです

坂口 安吾

七號機関は邪悪だ

坂口 安吾

規模、構成員、指揮系統

坂口 安吾

全て不明

坂口 安吾

僕ですら四重の仲介を経て

坂口 安吾

漸く、代理人に会える政府の犯罪組織

小栗 虫太郎

成程な、其れで御前は…

小栗 虫太郎

単独で行動しているのか

坂口 安吾

はい

中島 敦

どういうことです?

白水 ユキ

安吾さんは政府内にスパイが居るとお考えです

中島 敦

えっ?

坂口 安吾

誰も信用できない

坂口 安吾

種田長官の敵を討てるのは

坂口 安吾

僕しかいない

坂口 安吾

だから僕は貴方の知る情報を

坂口 安吾

聞く必要がある

坂口 安吾

フョードルが隠したかった貴方の知識を

中島 敦

僕からも御願いします

中島 敦

貴方に教える義理がないのは

中島 敦

解ってますけど

泉 鏡花

御願いします

白水 ユキ

御願いします

小栗 虫太郎

何から聞きたい

坂口 安吾

あっ...

小栗 虫太郎

だが、お前達

小栗 虫太郎

5分後には後悔しているぞ

小栗 虫太郎

何をどう尋ねても

小栗 虫太郎

最悪の気分にしか成らん情報だ

坂口 安吾

では、一番大事な質問から

坂口 安吾

天人五衰とは何ですか?

小栗 虫太郎

テロ組織、天人五衰

小栗 虫太郎

其の構成員は5名

小栗 虫太郎

魔人フョードル
道化師ニコライの他に

小栗 虫太郎

凄腕の異能力者が2人

小栗 虫太郎

其して彼等を束ねる
創設者が一人いる

坂口 安吾

あのフョードルの更に上?

小栗 虫太郎

連中の最終目的は知らん

小栗 虫太郎

だが、其の一歩手前の目標なら知ってる

小栗 虫太郎

” 星乃 天音 ”だ

白水 ユキ

なッ…!!

中島 敦

天音さん?

小栗 虫太郎

其奴の異能力を使い奴等は

小栗 虫太郎

国家の消滅を目標としている

坂口 安吾

消滅?転覆ではなく?

白水 ユキ

無茶苦茶です、出来る訳が有りません

中島 敦

天音さんがそんな事をする筈が‪有りません

小栗 虫太郎

連中には頁が有る

中島 敦

えっ、でも、頁は一枚きりで…

中島 敦

探偵社を陥れる時に使った筈じゃ...

小栗 虫太郎

だが、使えるもう一度だけな

白水 ユキ

…裏の頁ですね

小栗 虫太郎

そうだ

小栗 虫太郎

頁は一面全てに文章を書き終えた瞬間

小栗 虫太郎

効果が発動する

小栗 虫太郎

其して、頁は元々表裏共に白紙

小栗 虫太郎

詰り、連中は残しているのだ

小栗 虫太郎

もう一度だけ

小栗 虫太郎

あの惨劇を起こす力をな

中島 敦

だったら、何故直ぐに書き込まないんです?

白水 ユキ

頁が発動するには

白水 ユキ

書いた内容が

白水 ユキ

物語的な因果整合性を保っていなくては成らないから

白水 ユキ

...ですね

小栗 虫太郎

そうだ

小栗 虫太郎

其の制約故

小栗 虫太郎

遠大な陰謀は文章量がどうしても多くなる

小栗 虫太郎

そこで頁には重要な事柄だけを書き

小栗 虫太郎

些末な部分は連中自身が動く事にしたのだ

小栗 虫太郎

今は其の段階だな

小栗 虫太郎

其して、今度は世界的テロを起こし

小栗 虫太郎

其の後、計画の最終段階として裏頁と其奴の異能力を使えば

中島 敦

国家が消滅する...ですか

小栗 虫太郎

裏頁への書き込みは

小栗 虫太郎

次の満月の夜だそうだ

坂口 安吾

後10日

坂口 安吾

坂口 安吾

慥かに最悪な気分にしか成らない情報だ

坂口 安吾

僕は虫太郎さんを護送し

坂口 安吾

今の情報を太宰君に伝えてきます

ルーシー

…ねぇ、大丈夫?

中島 敦

うっ...

中島 敦

よし‪!

ルーシー

えっ?

中島 敦

やったよ、鏡花ちゃん

泉 鏡花

うん

ルーシー

えっ、何?

ルーシー

な...何なのよ、一体

中島 敦

裏頁への書き込みは10日後

中島 敦

詰り、其れ迄は何も書き込めない

泉 鏡花

そう、最終段階に至る迄の用意に

泉 鏡花

最低10日は掛かるって事

中島 敦

探偵社は頁の現実改変のせいで

中島 敦

犯罪者にされた

中島 敦

其れは絶対に覆せない

中島 敦

そう思ってた

中島 敦

でも、違った

中島 敦

頁を奪って” 探偵社は無実 ”と書き込めば良い

中島 敦

其れで全部戻る

泉 鏡花

10日以内に天人五衰を見つけ出して倒し

泉 鏡花

頁を奪う

中島 敦

其れだけたった、其れだけ

中島 敦

やろう、鏡花ちゃん

中島 敦

希望が見えてきた

中原 中也

星乃 天音

中原 中也

どうした、天音

中原 中也

こんな所に呼び出しておいて

星乃 天音

御免、中也君

星乃 天音

お願いが有るの

星乃 天音

(ナイフをスカートの中から取り出す)

中原 中也

御前ッ…!?

星乃 天音

私の為に、死んで

私 の 異 能 は 最 強 _ 。

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