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回想〜第6章〜

吉田

……

_時刻は巻き戻り、受験前。

まだ前髪と共に「響」の名前も覆っていた時期。 _吉田は「パクドナルド」にて、鳴沢柚月の実父と邂逅していた。

吉田の機転と演技力で責任を孝太に転嫁させる事に成功したが

店を出た後。 吉田は単身で柚月の実父_宮原聡志の尾行に挑んでいた。

宮原聡志は誰かと電話しながら店を出た。そのまま大股で歩いて行く。

そのいかにも「俺仕事出来ますよ」感に内心で中指を立てながら吉田も後をつける。 スマホを弄るフリをしながら宮原聡志の声に耳を傾ける。

「俺出来ます」アピールする人は、糞兄貴もそうなのだが、こう言う時の通話の声がデカい。容易に聞き取れた。

宮原 聡志

_ああ。聞いてきたよ。山崎孝太の素性について

宮原 聡志

保身の為に柚月の虐めに加担していた。今は柚月のオトモダチだ。全く可笑しな話だよ

宮原 聡志

君ほどの人間が、そんな矮小(わいしょう)な人間を恋敵と見るなんてね。……敵じゃない?そうでないと困るよ、向こうは中学生の餓鬼なんだからね

宮原 聡志

_柚月には是非こちらに付いて貰いたいんだ。俺の利益の為…血の繋がった親としてね。俺の輝かしい未来に、トモダチ面する矮小な餓鬼は汚点だ

宮原 聡志

だから君に協力した。
俺は柚月さえ手に入ればそれでいい

宮原 聡志

山崎孝太の情報は送ったメール通りだ。有効利用して幼馴染の奪還を果たしてくれ

宮原 聡志

お互い健闘しよう

宮原 聡志

__高山くん

回想〜第8章 ファミレス(ヨッシーダくんとコラボしている)〜

山崎 孝太

俺は関西に行く

吉田 響

出たよ、主人公気取り

響はドリンクの氷をストローで沈めながら口をへの字に曲げた。 そして片手でメニューを掴む。

吉田 響

どうでもいいけどこれ孝太の奢りな

吉田 響

_奢る価値のある耳よりな情報渡してやる

響はメニューをパラパラ巡りながら淡々と話す。

吉田 響

柚月の実の親にお前売った時さー

高山 昴

えお前らどう言う関係?

吉田 響

ちょっと気になる事があって、柚月の親尾けたんだけど

高山 昴

尾け…え?お前ら………え?

山崎 孝太

_つまり柚月の実の親と高山サンは繋がってるのか…

山崎 孝太

確かに耳よりな情報かも、ありがとう響。でも…なんで?

吉田 響

…何で尾けたか?ちょっと気になったんだよ

吉田 響

あの時は責任転嫁するためにお前の情報渡したけど、その割にはやたら孝太の情報知りたがるなって

吉田 響

相手は柚月の親だし、用があんのは柚月の方だろ。だからたぶん後ろに誰かいるなって

山崎 孝太

…あ、いや、それじゃなくて………て言うか相変わらず洞察力高すぎ…なんでそんな大切な情報を提供してくれたの?

吉田 響

……

響はドリンクの氷に視線を固定した。まつ毛が目元を覆い隠す。

そしてストローを噛むと苦々し気に答えた。

吉田 響

別に。
俺は優等生が嫌いなだけ

吉田 響

「鉄道ムリオふぇす」然(しか)り。最終的に俺の利になるようにやってんの

吉田 響

他意とかねぇから

高山 昴

お前らどう言う関係なん?

回想〜孝太と柚月のライン〜

山崎 孝太

と言うわけで俺は関西に行くため

山崎 孝太

遊びに行こうって話は一旦白紙に。。

山崎 孝太

ごめん

鳴沢 柚月

大丈夫だよ

鳴沢 柚月

澪さん大変な事になってるんだね😶
頑張ってね

山崎 孝太

いやマジ寝耳に水すぎて🤯

山崎 孝太

ありがとう頑張る。。

山崎 孝太

柚月も食事会、頑張って

鳴沢 柚月

うん。ありがとう

鳴沢 柚月

鳴沢 柚月

それにしても意外だな。僕のお父さんと澪さんの幼馴染さんは繋がってたんだね

山崎 孝太

世界って意外と狭いな

鳴沢 柚月

うん

鳴沢 柚月

実は僕もびっくりする繋がり見つけたんだよ

大澤 貴志

や、や、山川さ…山川なごみさんと知り合いぃぃいいいいいぃ!?!?

鳴沢 柚月

は、はい。あの、えっと、なごみさんの妹とつ、付き合ってます

現在

日本料理店「里阿(りあ)」、春霞の間。 鳴沢柚月は叔父の大澤貴志に両肩を掴まれていた。

大澤 貴志

山川さんの噂はかねがね耳にしてるんだよ。まだ20代なのに世界を飛び回る優秀さ

大澤 貴志

一度山川さんの企業と「大澤ブランド」を提携させて貰ったんだ。大澤ブランドの認知度を飛躍的に上げたのは山川さんの企画のおかげと言っても過言じゃない

大澤 貴志

出来る事ならもう一度山川さんと仕事をしたいと思ってるんだよ。上手く行けば国内だけじゃない、世界に!大澤ブランドを知って貰えるかもしれない

鳴沢 柚月

なごみさんも、大澤ブランドの事は覚えてました

大澤 貴志

そう。そうか。…ならもう一度仕事を共に出来るかな…

大澤 貴志

いやコネとかそんな狡(こす)い事はするつもりはないよ。けど、そうか、君はなごみさんと知り合いなのか…その事実は単純に嬉しいよ

鳴沢 柚月

…畑のこと、大切にされてるんですね

両肩に仄(ほの)かに灯る熱を感じながら、僕は室内を見渡した。

お母さんとお祖母ちゃんが同じように口を半開きにしているのが、なんだか面白かった。

鳴沢 柚月

__きっとお母さんも、同じだと思います

鳴沢 柚月

お母さんは畑を継がずに家を飛び出した_一見したらそう見えるけど、でもお母さんが就職した所は

鳴沢 柚月

大澤ブランドとよく提携してる、食品製造会社だから。今まで提携した企業一覧が、ネットに載ってました

鳴沢 柚月

ちょっと調べたら誰でも分かります。きっとお母さんも、知ってたと思います

鳴沢 柚月

お母さんは、違うやり方で畑を

鳴沢 真由子

余計な事は言わなくていいわ

鳴沢 真由子

本当にあんたは父親そっくりね

頬杖をつき明後日の方向を向きながら、お母さんがぶっきらぼうに応える。

大澤 明代

………

お祖母ちゃんはそんなお母さんを一瞥し、長く、震える息を吐き出した。

そしてメニューの一片を見つめたまま貝のように口を閉ざした。

その光景を見て僕もようやく肩の力を抜いた。 従兄弟の蒼空くんが、はにかみながら僕の隣に移動した。

大澤 貴志

…立派な子供を持ったね姉ちゃん

鳴沢 真由子

五月蝿い

ようやく本来の食事会と

親戚付き合いが幕を開ける__

高山 昇

…………は?

電話越しの声は、喋り疲れたのか酷く掠れていた。

俺はその声に向かって、ゆっくりと頷き言った。

山崎 孝太

_そう言うわけです。俺と柚月は全部知ってました

山崎 孝太

たかが中学生だけど、貴方より強い「繋がり」を持ってます

山崎 孝太

恋人を取るか友達を取るか。その脅しは、俺と柚月には効きません

山崎 孝太

__貴方の、負けです

高山 昇

っ__ッだ

ギリギリと、耳障りな歯軋りの音が届く。

乱れた吐息。頭を掻きむしる音。

高山 昇

黙れ黙れっ
調子に乗るなよ糞餓鬼

机か何かを殴りつける音。

高山 昇

これしきで勝ったと思ってるんちゃうやろな。俺は大人や。何度でも澪を連れ戻す

高山 昇

何度でもアンタから引き離したるからな

もう、無理だ。

これ以上は我慢出来ない。

山崎 孝太

いいですよ。何度でも迎えに行きます。俺は彼氏ですから

高山 昇

ははははっだから!
大人の俺と違ってたかが中学生の餓鬼にそんな財力が

甲高い声が一瞬途切れる。 耳元からスマホを離したからだ。

キョトンとした顔で俺を見ている澪さんに一度会釈すると、

俺の声が届かない距離まで移動する。

再びスマホを耳に当てた時、自分でも分かるほど俺の声は低くなっていた。

山崎 孝太

_そんな事は問題じゃないんですよ。俺は彼氏ですから

山崎 孝太

貴方の元に澪さんを居させたくないんです

山崎 孝太

……貴方は澪さんに手を出しました。平手打ちして髪を引っ張りました。無理矢理でも独占したいと言いました

山崎 孝太

あの時からずっと我慢してたんですけど、もう無理です

山崎 孝太

_何度だって、闘いますよ。だから言わせてください

山崎 孝太

山崎 孝太

人の彼女に手出してんじゃねぇよ

大澤 明代

どうして

ずっと口を閉ざしていたお祖母ちゃんが、やっと言葉を発した。

視線は僕に向いておらず、かと言って机上に所狭しと並んだ料理も捉えていない。

「どうして」の後の言葉は続かなかったが、考えるまでも無いし考える必要も無い。

その声にあるのは狼狽、驚愕。 相手にしているのは中学生なのに、と言う動揺。

鳴沢 柚月

_当然の事をしただけです

鳴沢 柚月

僕は親戚の人と会うのは、初めてだから

「中学生なのに」。 今はその認識でいい。

だってこれはただの

高山 昇

どうして

長い沈黙を経て、ようやく高山は口を開いた。

その間は昂(たかぶ)っていた気持ちを鎮めるには充分な時間だった。

「どうして」の後の言葉は続かなかったが、考えるまでもないし考える必要もない。

その声にあるのは狼狽、驚愕。 「相手にしているのは中学生なのに」と言う動揺。

山崎 孝太

_当然の事をしただけです

山崎 孝太

俺は澪さんの彼氏ですから

「中学生なのに」。 今はその認識でいい。

だってこれはただの

「「挨拶です」」

西谷 春翔

知らなかった…うわー知らなかった………

_モンブラン行脚@関西の帰り、俺は孝太くんご一行様に出会った。

そこで、孝太くんは幼馴染と、柚月くんは親族と。それぞれ大変な状況にある事を聞いたんだけど、

俺はそれよりもっとタイヘンな事を聞いた。。。

お独り様生活を脱した事で、モンブラン山並みに気が大きくなっている俺だったが驚&愕した。

…あの2人超レベルアップしてるぢゃん………夜想曲(ノクターン)ぢゃん…

西谷 春翔

知らなかった…そんな事になってたなんて知らなかった…

…いやまぁ俺もリア充だから別にそんな気にしてないって言うかアレだけどs

「「…」」

親子連れとすれ違った。

見るからに高所得者の男性と、

息子らしき中学生くらいの__…

西谷 春翔

…あれ?

「知り合いか?」

「中学の、先生だよ」

「声をかけなくていいのか。向こうは立ち止まってるが」

「いいよ。産休に入った先生の代打で入っただけの、経験の浅い教師だから」

「そんな人が受験生を相手にしていたのか。信じられんな」

「大学卒業したての教師なんて最初から充てにしてないよ。僕は自分の力で蒼陽高校に合格した

…首席じゃないけどね」

「何を言う。蒼陽高校に合格するだけで俺は誇らしいよ」

「…僕はそんな小さい器に収まるものじゃない………

…僕は高校でも一番になる。ムカつく奴が同じ高校だけど、今の僕なら大丈夫だ

必ず父さんの会社を継いで見せるよ。………それはそうと父さん、」

「なんだ」

「今朝うちの郵便受けに面白い荷物が届いてたよ。封筒なんだけどね、いろいろ面白い事が書かれていた

履歴書在中、 差出人、

吉田 優一(ゆういち)」

「どこか…可笑しい所があるか」

「いや、興味深いなぁと。吉田優一…僕の記憶に間違いがなければ……なるほど。なるほどね。ははは

あははははははっ いやー、本当に世界は狭いね

………あぁ、違うんだこっちの話。…いやね、その吉田優一?

この作品はいかがでしたか?

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次回更新は4週間後、5月28日を予定しております。ごめんなさい!🙇 あ、「三津屋タンサン」で「サイダー」を連想した貴方は正しいです。 そうです、奴はボンボンだったのです!次回からカムバック篤の第9章が始まります!! サブタイトル読み:シンフォニー 読んでくださりありがとうございました❗️

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