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涙は流れ星

第4話 - 《はじまりの予兆》④

2019年11月17日

#友情

#学園

#恋愛

#不思議

詩

雫

何か見たの？

海

…い〜や。

雫

（絶対何か見たでしょ、
これは…。）

雫

（私は、疑いの目で絵をじーっと見つめる。）

雫

何見たの？

雫

（これでも私は諦めが悪いのだ。）

海

…。

雫

ねぇ、何見たの？

海

……本っ当にごめん！
実は雫の両親についてを…見てしまいました。

海

本当に本っ当にすみませんでした。

雫

（あ…見ちゃったか。）

雫

別にいいよ。じきにわかることだし。

雫

でも、あんまり人には言わないでよね。

海

了解、じゃあ帰ろっか。

雫

やっぱ一緒に帰るんだ…。

海

うん、そうだよ。何か？

雫

別に〜…。

正門を出て気づいた

雫

（帰る方向が同じだ。）

雫

（どうして家の場所を知っていたのだろう？）

雫

（やっぱり過去で見たのかな？）

雫

（…元々知ってたとか？）

まさか…ね

海

なぁ雫？今日家帰ってもどうせ1人だろ、俺の家こない？暇なら。

雫

（…普通無理でしょ。）

雫

（家知らないし、まさか家までついてこいなんて言わないよね？）

雫

家知らないから無理。

海

何言ってんの、雫？
俺の家、雫の家の前だよ。

雫

嘘だ…！

海

嘘だと思うなら確かめてみな。
もうすぐ家つくしさ。

坂を駆け上がった

雫

…。

雫

ほんとだ…。

海

ほらね。

雫

…。

雫

（私は今どんな顔をしてるんだろう。多分…いや絶対、凄く嫌そうな顔をしていると思う。）

海

そんな嫌そうな顔しないでよ。すっごい傷つくんだけど？

雫

（やっぱり。）

雫

仕方ないでしょ、嫌なんだから。

雫

（あーもう最悪。
人生で“2番目”に最悪な日だった。）

海

そうだ、
家来る時配られた教科書とサインペン持ってきて。名前書いてよ？字綺麗なんだから。ね？お願い。

雫

別にいいけど…

雫

（手を合わせて言う海に、私は呆れすぎてそう、答えてしまった。）

雫

（バカバカしい。）

雫

（自分で書けばいいのに。）

海

じゃあから準備してきてよ。

雫

ハイハイ。

ガチャ

雫

ただいま。

シーン…

雫

（誰もいない。）

雫

（そういえば）

雫

（おじいちゃんとおばあちゃんは今日友達と出かけてるんだった。）

雫

全部お見通しじゃん…。

雫

（過去が見えるなんて本当にすごい。）

雫

（あ、外で海が待ってるんだった。）

雫

（急がなきゃ。）

教科書とサインペンを詰め込んだ

雫

（そうだ…クッキー持って行ってあげよ。）

ガチャ

雫

おまたせ。

海

お〜、きたきた…ってなに？
クッキー？くれんの？

雫

まぁね。てか
何で分かったの？

雫

カバンに入ってるのに。

海

だって、カバンが凸凹だし
昨日クッキー作ったんでしょ？

雫

本当、何でもお見通しだね。

雫

（だんだん嫌になる…。）

雫

（海は私の事、
お見通しなのに、
私は海のこと
何も知らない。）

雫

（いや、別に知りたい訳では無いけど…！）

雫

（なんか嫌なんだ…！）

頭を抱えた

海

大丈夫、雫？
まゆみないとドアに頭うつ…。

雫

へ？

ガンッ！

雫

いった〜〜！

思いっきり海の家のドアにぶつかった

海

ほ〜ら
言わんこっちゃない！

雫

…あーもぉ！
全部海のせいだ！

海

それ八つ当たりだよ〜。

トホホ… としながら言った

海

ささ…上がって上がって。

雫

うん…おじゃまします。

ガチャ

雫

（あれ…なんかこの家…懐かしい感じ…。）

雫

（どーして？）

リビングと繋がってる和室洋室にはカウンターのついた台所がある

急な階段一階と二階の間にある 8畳ほどの部屋

雫

（あぁ…そっか。）

雫

（似てるんだ…。）

雫

（“前の家”に。）

雫

（お父さんお母さんと一緒に住んでいた…あの家に。）

海

俺の部屋、二階に上がってすぐの右側。先に上がっといて。

雫

うん…。

雫

（あ、ちょっと違う。）

雫

（そりゃそうか
全く同じなんてないしね。）

ガチャ

涙は流れ星

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