"物には魂が宿る"という言葉をご存知だろうか
私は、この言葉が嫌いだ
嘘なのだろう
とか
そんなわけあるはずが無い
とか
疑っているから嫌いという訳では無い
本当に魂が宿ってしまうから嫌いなのだ
奏雨
身体がとてつもなく重く、どこからか悪臭がする
意識がはっきりとするにつれ、悪臭が鼻に強く刺さる
思わず飛び起きた
あまりいい目覚めとは言えない
奏雨
さっきまでの寝床を見下ろすと、沢山の紙やら小さな袋やらが思い思いに詰め込まれている大きな袋が無造作に置かれていた
まぁいわゆるゴミの入った袋だ
奏雨
奏雨
スカートについた泥を払い落とし、辺りを見渡した
みたこともない豪華な家が沢山建ち並んでいる
奏雨
私は必死に今までの記憶を遡った
私は
人形だったはず
捨てられたんだ
葵に
それより前の記憶は思い出せない
私は黒い綺麗な髪で
綺麗な黄色の瞳をしていた
とても美しい人形だった記憶がある
だが今は、葵と同じ体をしている
自由に動ける
奏雨
奏雨
奏雨
どうして葵が私を捨てたのか
それは私にも分からないこと
葵にしか分からないのだろう
なら
奏雨
コメント
2件
尊敬しかないっす…好き❤️