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ゆう

目覚めた?

ゆう

…ここは?

お寺よ。今日は村の集会があるの

ゆう

子供たちもここに来ないとダメなの?

そうよ。絶対にね

お隣さん

ゆう

あ、お隣さんだ。

お隣さん

あら、ゆうくんも来てたの?まぁそりゃあそうよね。

お隣さん

今日は集会だもの。

ゆう

(お母さん?…どうしてそんなに悲しい顔するの?)

村の子供たち

あ、ゆうくんだ。

村の子供たち

ゆうくんもここに来たの?

ゆう

そうだよ。

村の子供たち

どうしてこんな所に来ないとダメなんだろ

ゆう

みんなも分からないの?

村の子供たち

ゆうくんは?

ゆう

僕も分からない。お母さんは集会だって言ってたけど。

村の子供たち

集会なんて子供たちはいつも外で遊んでたじゃないか。どうして今日に限って。

村長

ゆう

あ、村長さんだ

村の子供たち

ほんとだ。じゃあまた後でね

ゆう

うん。

村長

皆さん。お集まりいただき誠にありがとうございます。本日は5歳になった、お子様たちを連れて来られましたか?

村長

お子様がいない方もご参加してくださり誠に感謝しております。

村長

それでは毎年恒例の

子渡し

の、方を進めて参ります。

村長

それではお母様方席をお外しください。

村長

お子様たちはここへ残してください。

ゆう

お母さん?

…ごめん、ね。

ゆう

どうして泣いてるの?どこに行くの?

ゆう

お母さん!

ついてこないで!

ゆう

ゆう

痛いよ…

さようなら…

ゆう

どうして。
こんなの集会じゃないよ。

ゆう

子渡し
ってなに?

村の子供たち

ゆうくん!

ゆう

みんな、お母さんが…

村の子供たち

僕達もだよ。みんなのお母さんが帰っちゃった。

村の子供たち

僕達を残して。

ゆう

帰ってないよ。

村の子供たち

え?

ゆう

ほら、あそこに大きな車があるでしょ。あそこにみんないるよ。

村の子供たち

ほんとだ。こんな田舎にどうしてあんなに大きな車があるんだろ?

ゆう

わかんない。

村長

それでは皆さん落ち着いてください。皆様はいまから、あの大きなかっこいい車に乗ってもらいます。

村の子供たち

ほんと!?やったー!!

村の子供たち

わーい!

ゆう

…あの!

村長

ん?どうしたのかな?

ゆう

お母さん達も、乗るんですか?

村長

…はい。乗りますよ。…

村の子供たち

お出かけかな?

村の子供たち

このまま東京に行くのかな!?

村の子供たち

楽しみ!!

ゆう

(おかしいよ。なにかおかしい。胸がドキドキしてる。僕も楽しみなのかな?いや、そのドキドキじゃない。すごく怖い感じがする。)

村長

では皆さん。移動しましょう。

村の子供たち

はーい!

村の子供たち

ゆうくん?いこ!

ゆう

う、うん。

男の人達

これで全員ですか?

村長

はいそうです。

村長

では皆さん乗ってください。

村の子供たち

はーい!

村の子供たち

お母さんいこ!

村のお母さん達

村の子供たち

どうしたの?

村の子供たち

はやくいこーよ

村長

…よろしくお願いします。

男の人達

はい。

男の人達

さぁ入りなさい。

村の子供たち

お母さん達は?

男の人達

いいから。

村の子供たち

いやだ!!

村の子供たち

お母さん!

村のお母さん達

ごめんね。

村のお母さん達

ごめんなさい。

ゆう

お母さん。

ゆう。はやく行きなさい…

ゆう

いや

わがまま言わないの。

ほら、

ゆう

いや、いやだ。

こら、離れなさい…はやく、はなれて…。

ゆう

いやだよ。いやだ!!

村長

何をしているのかな?大人をあまり困らせないでくれ。

村長

頼んだよ

男の人達

はい。

男の人達

さぁ来なさい。

ゆう

いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!お母さん!!

ごめん…なさい…。

ゆう

はなせぇえええ!!

男の人達

暴れるな!

ゆう

ゆう

痛っ!

男の人達

では、発車します。

村長

あぁ。よろしくお願いします。

村の子供たち

お母さぁあああああああああああん!!

村の子供たち

いやぁだぁあ!

ゆう

お母さん!お母さん!…いや、いやだ。うわぁああああああああぁぁぁ!

村長

それでは。これで

子渡し

を終わります。お疲れ様でした。来週に報告の集会がありますのでよろしくお願いします。

村のお母さん達

はい…。

…ゆう。…ごめんね。

1週間後…

村長

皆さん。お集まりいただきありがとうございます。それでは子渡しの報告を致します。

村長

まず、 今田秋樹 君は、心臓の提供をしました。

村長

鈴木風太 君は、肺の提供をしました。

村長

鏡見凛花 ちゃんは、髪を提供しました。

村長

藤沢春樹 君は、大腸と小腸を提供しました。

村長

石垣ゆう 君は、脳の提供をしました。

…。

(本当にごめんなさい。ゆう。村の掟なの。決まり事だから。ごめんなさい。。)

村長

それでは以上で、子渡しの報告を終わります。

村長

皆様のお子様たちが全国のお子様たちの役にたてている事を願い、亡くなった子供たちにご冥福をお祈りしましょう。

朱音

って言うことが今私たちが住んでる所の昔にあった村の掟なんだって。

静花

こっわ。

静花

でももう 子渡し ってやつは無くなったんでしょ?

朱音

そりゃそうよ。今もあったら私たち確実内蔵とかの提供しないといけないからね。

静花

よかったこの時代に生まれて。

朱音

でも、ここから山を超えたところの村ではまだ 子渡し をしてるかもって話。

静花

はぁ?まじ?

朱音

うん。

朱音

いってみる?

静花

冗談でしょ

朱音

静花が行くって言うならお父さんに頼んで車で一緒に行こうよ。

静花

絶対面白半分で行くところじゃないでしょ。

朱音

いいじゃん!いこーよいこーよー

静花

はいはい。

朱音

よっしゃあ!じゃあ、今週の土曜日ね!

静花

はいはい。

静花

(どうせそんな村あるわけないじゃない。ま、無くてもお散歩気分でいればいっか。)

静花

(でも、もしあったら?…)

静花

あー!もう何も考えない!気味が悪いよ。

2日後…

朱音

わぁ楽しみ!

静花

ほんとに行くんだ。

朱音のお父さん

朱音はほんと行動力があるな。はは

静花

ほんとですよ。いい迷惑。

朱音

なによ〜自分だって楽しそうじゃない。日焼け止め塗ったり虫除けスプレーしたりさ。

静花

そ、それは!山に行くからよ!

朱音のお父さん

まぁサンドイッチも買ってるし山登り感覚で楽しもう!

朱音

静花

どうして。こんな山の所から大きな車が降りてきたの?

朱音のお父さん

…まさか。

私たちはその後すぐに引き返しました。

あの大きな車はもしかすると、村の子供たちを乗せていたのかもしれません。

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