森の奥から、小鳥の声がかすかに戻ってきた。
悠翔
悠翔
悠翔は既に起きて装備を確認していた。
クロスボウの弦を引き、矢先をひとつずつ点検。
その頃、陽葵が寝袋から出てきて、髪に少し寝癖がついていた。
陽葵
悠翔
悠翔
陽葵
悠翔
彼女は小さく息をつき、笑った。
陽葵
そのやり取りを聞いて、あらたろが背後から大きなあくびをした。
あらたろ
あらたろ
あらたろは背負い袋を締めながら、子どもたちの寝ているテントをちらりと見た。
あらたろ
悠翔
few minutes later
悠翔
陽葵が頷き、Kanadeが医療袋を背負い、あらたろが斧を肩にかけた。
高台まで来た頃、霧が全体を覆っていた。
空の色は灰に近く、湿った空気が肺にまとわりつく。
悠翔
Kanade
あらたろ
昼過ぎになっても霧は晴れなかった。
4人は森を見下ろせる唯一の場所である観測塔に向かった。
だが今日は、その景色すら濃い霧に沈んでいた。
陽葵がランタンを持ち、慎重に岩の上へ出る。
Kanade
あらたろ
Kanade
陽葵
陽葵
悠翔は覗き込む。霧が一瞬、風に削がれて、黒い影が覗いた。
頭部の上には、巨大な角があった。
悠翔
悠翔は望遠鏡で観察した。
悠翔
あらたろ
悠翔
悠翔
悠翔
悠翔
だが次にまばたきをした瞬間、さっきよりも一本手前の木にいた。
あらたろ
悠翔
The Deerがわずかに首を傾けた。
悠翔
陽葵
だがその瞬間、霧がふっと濃くなった。
––––The Deerの姿が消える。
あらたろ
悠翔
あらたろ
あらたろ
Kanade
悠翔
悠翔
あらたろ
Kanade
陽葵
悠翔
悠翔
あらたろ
Kanade
Few hours later
悠翔
木々の葉を叩く音が聞こえた。
悠翔
雨はあっという間に強くなり、地面を打つ音が耳を塞ぐほど響く。
悠翔
悠翔
陽葵
悠翔
二人が駆け込んだのは、岩肌の奥にぽっかりと口を開けた小さな洞窟だった。
中は乾いており、風も遮られている。
陽葵
外では雨の音が続いていた。
洞窟の中に、ぽつりと焚き火の光が灯る。
陽葵
陽葵は笑いながら指で髪を絞った。
悠翔
雨の音と焚き火の音だけが混ざり合う。
洞窟の奥で水滴が落ちる音が遠く響く。
陽葵
陽葵がマントを脱いで悠翔に差し出した。
陽葵
悠翔
陽葵
悠翔はわずかに視線を落とし、マントの端を手に取った。
雷が遠くで鳴った。
悠翔
陽葵
洞窟では、火が静かに揺れていた。







