アストレス
リサ、その星の名前は?
リサ
この星の名前は、水星、水の魔法から作り出した私だけのオリジナルです
アストレス
いいじゃないか。その感性を大切にね
リサ
はい。
リサ
師匠にはまだまだ敵いませんが
アストレス
そんなことはない。僕よりも遥かに成長が早いとても良いことだと思うよ
リサ
ありがとうございます。師匠
夜空に浮かぶ星空を眺めながら、僕たちは、村に出ることにした。
すると
老人
ほら、今日も綺麗な星が一つ増えているよ
子供
どれが増えたかわからないくらいあるよ、おじいちゃん
老人
そのうちわかるさ
雨に濡れた泥道を、僕たちはゆっくりと歩きながら村を後にした。
村を出てから数日が過ぎた。草の仄かな香りが、蜂を惹きつける甘い花の匂いと共に、そよ風に乗って漂ってくる
肌で感じるのは香りだけではない。
太陽がこちらに向かって挨拶をするかのように、柔らかな温もりを届けてくれている。
ふと、
草原の中で何かが素早く動くのを目にした。
アストレス
なんだ?
リサ
なんでしょうか?
草の中から飛び出してきたのは、黒い毛に覆われた、緑色の瞳を持つ猫だった。
猫 精霊
ニャア〜
リサの足元に勢いよく飛び込んできたその猫に驚いたリサは、思わず草の絨毯に転がり込んだ。
アストレス
おっと、精霊か?
リサ
この猫は精霊なんですか?
リサは猫をぬいぐるみのように抱きしめ、目を輝かせている。
世の中には人を襲う精霊もいるが、この精霊には悪意が感じられない。
精霊とは、この世界においては魔力を自ら生み出せる存在を指す。
一般的には妖精とも思われがちだが、精霊とは別格だ。
リサ
可愛い
リサは無邪気に笑う。