私の額に向けられる 刃の先。
突き刺すために 一度刀を引いた、その時。
寺の中に陽の光がさした。
獪岳
太陽の光を受け、 獪岳の頬が焼ける。
獪岳
そう吐き捨て、 獪岳は寺から出て行った。
染井桃子
力が抜けてドサリと倒れ込む。
木の床にはすっかり 自分の血が染み渡っていた。
染井桃子
染井桃子
どうせ殺すならトドメを 刺して欲しかったものだ。
痛いし苦しいし、 嫌になる。
染井桃子
染井桃子
獪岳を倒せなくてごめん。
素直になれなくてごめん。
大好きって、 伝えられなくてごめん。
頬にとめどなく雫が伝う。
次第に痛みが無くなって、 指先が冷たくなっていった。
善逸、大好きだよ。
優しい友人に出会って、 素敵な家庭を築けますように。
そんなふうに願って、 私は目を閉じた。
前略
桃の花が咲く季節が 今年もやってきましたね。
俺は炭治郎や伊之助と 任務に行ったりたまに出掛けたりして、 なんとかやってます。
桃ちゃんも上手くやってますか?
また爺ちゃん達と会って ご飯を食べたり話したりしたいです。
数週間後には柱稽古なるものが 始まるらしいです。
その時に会えたら嬉しいな。
もう一年半も会っていないから、 早く会って話がしたいです。
機会があれば甘味処に行って 餡蜜やみたらし団子を食べて、
小物屋にも寄って、 桃ちゃんが欲しい簪も買おうね。
また会える日を 心から楽しみにしてます。
草々
大正五年 △月△△日 我妻善逸 染井桃子 様
雷 撃 受 ケ つ 桃 ノ 花
fin
コメント
7件
はわわわ、悲しすぎる😭主さんの話全部深くてすごくお気に入りです🤩🤩完結お疲れ様でした💖
わああ完結おめでとうございます😿😿💖 最後はももちゃんがしんだって 善逸は知らないのかな、、 悲しすぎます🥲🥲🥲💧 最高でしたお疲れ様でした!! 次回の新連載も楽しみにしてます🥹