テラーノベル
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その日の夜、向井康二は仕事帰りに、ふと目についた飲食店に入った。
海外の人が経営しているらしく、店内には異国の音楽が流れている。 メニューも少し見慣れない料理が多かったが、向井はあまり気にしない性格だった。
向井
運ばれてきた料理を一口食べた瞬間、ほんの少しだけ違和感を覚えた。
向井
スパイスのせいなのか、それとも火の通りの問題なのか。 はっきり「まずい」と言えるほどではないが、いつも食べる味とは違う。
一瞬、箸を止めたものの⸺
向井
そう思って、そのまま完食してしまった。
家に帰った頃には、少し胃が重い気もしたが、疲れのせいだろうと深く考えなかった。
シャワーを浴び、着替えを済ませてベッドに入る。
向井
そう呟いて横になった、その数分後。
向井
腹の奥を、内側から一気に握り潰されるような激痛が走った。
向井
思わず身体を丸め、お腹を押さえる。 じわじわではなく、突然、強烈に襲ってくる痛み。
向井
冷や汗が一気に吹き出し、背中がびっしょり濡れる。 息を整えようとした、その瞬間。
向井
強烈な吐き気が喉元まで一気にせり上がってきた。
向井
向井は慌ててベッドを降り、口元を押さえながら立ち上がる。 トイレに繋がる廊下を、急ぎめに歩こうとするが、足元がふらつく。
壁に手をつきながら、必死に前へ進む。
しかし⸺
視界が突然、ぐにゃりと歪んだ。
向井
次の瞬間、膝から力が抜け、その場に崩れ落ちる。
廊下の冷たい床に倒れたまま、抑えきれなくなった吐き気が一気に込み上げた。
向井
激しくえずき、そのまま吐いてしまう。 腹痛と吐き気が交互に襲い、息をするのもつらい。
向井
頭がぼーっとして、意識が遠のいていくのが分かる。 その時、ズボンのポケットにスマホが入っていることを思い出した。
向井
震える手でスマホを取り出し、画面を開く。ほとんど無意識のまま、指が押した名前。
⸺深澤辰哉。
コール音が鳴る。
深澤
繋がった瞬間、向井は床に横になったまま、必死に声を絞り出した。
向井
深澤
深澤の声が一気に真剣になる。
向井
そこまで言ったところで、急激に意識が薄れていく。スマホを握る力が弱まり、視界が暗くなる。
向井
深澤
深澤の声が遠くで響いたのを最後に、向井の意識は途切れた。
電話が切れたあと、深澤は嫌な予感しかしなかった。
深澤
上着を掴み、すぐに向井の家へと向かう。
鍵を開けて中に入ると、部屋は静まり返っていた。
深澤
返事はない。
廊下に足を踏み入れた瞬間、深澤は息を呑んだ。床には吐いた跡があり、そのすぐ横で、向井が倒れている。
深澤
駆け寄り、肩を揺すっても反応は薄い。 顔色は悪く、冷や汗でびっしょりだ。
深澤
深澤はすぐに救急車を呼んだ。
白い天井が、ゆっくりと視界に入る。
向井
目を覚ますと、そこは病院の病室だった。腕には点滴が繋がれ、身体は重く、喉がひどく乾いている。
向井
深澤
横を見ると、椅子に座った深澤辰哉が、ほっとした表情でこちらを見ていた。
向井
深澤
深澤は大きく息を吐く。
深澤
向井はゆっくり思い出す。 夜ご飯、味の違和感、腹痛、電話…。
向井
深澤
深澤は苦笑しつつも、真剣な声で言った。
深澤
向井は小さく息を吐いた。
向井
深澤
そう言いながらも、深澤の声は優しかった。
深澤
向井はゆっくりと目を閉じる。
向井
深澤
深澤は立ち上がり、静かに言った。
深澤
点滴の落ちる音が、静かな病室に響く。
向井康二は、 “少しの違和感を気にしなかった結果”と、 “一本の電話に救われた夜”を、ゆっくりと噛みしめていた。
もんちっち
もんちっち
もんちっち
もんちっち
もんちっち
もんちっち
コメント
13件
最高だよぉ!! 最近コメントできてなくてごめんっ! 続き楽しみに待ってる!!
これもリクエストですか??

康二味変でもそのまま食べそうだよねwうち食中毒なったことないんだけど、どんな感じなん?