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鮭盛り合わせ

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鮭盛り合わせ

26 - おともだち!(+zm)

♥

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2023年09月23日

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悪魔達が通う学校、バビルスには様々な師団がある。

魔具研究師団や遊戯師団、我々師団なんていう非公認師団まで存在しているが

私が所属しているのは白尾師団だ。

因みに我が師団も非公認である。

団員は6名。

今日はその中でも少し厄介な奴と2人きり。

シャークン

キリヤーン!

彼の名はシャークン。

何を隠そう戦闘中毒者である。

キリヤン

何?

シャークン

暇!遊ぼ!

尻尾をブンブン振って魔具の開発をしている私の後ろをぴょこぴょこしている彼には申し訳ないけど丁重にお断りしたい。

友達だし遊んであげたいのはやまやまなんだけど、ナイフを持ち出してくる未来しか見えないんだもん。

てか収穫祭で直接攻撃しに行こうとした彼は今ナイフ使用禁止の罰が課せられている。

そのルールを破ろうものなら一緒に居た私まで怒られてしまうよきっと。

キリヤン

ごめん今忙しいから…

シャークン

いつ終わる?

キリヤン

うーん…もうちょっとかかる…かなぁ…

あぁそんな尻尾を垂れ下げないで。

罪悪感が募るけれど、私だってただ意地悪を言っている訳では無い。

これを機にお友達を作るべきだと思うんだ。

だっていつも白尾師団のメンバーとしか関わらないから。

キリヤン

外行って遊んでくれそうな悪魔探してきなよ

シャークン

え…

キリヤン

少しはメンバー以外とも交流しなきゃ

急にシャークンが静かになる。

その顔には大きく嫌だと書かれていた。

キリヤン

人見知りなのは分かるけど友達増やしなって

シャークン

何で…お前ら居るし別にいいじゃん

キリヤン

良くない!もっと交友関係広げなさい!

このままでは絶対に動かないだろうと思いシャークンの背中を押して無理矢理外に出す。

不服そうな顔を向けられたが無視して扉を閉めてやった。

彼の為にも心を鬼にしなくては。

とはいえ心配であることに変わりは無い。

私は窓から外に出てシャークンの様子をこっそり見守ることにした。

シャークンは廊下を少しウロウロしていたが、道中すれ違う悪魔と距離を取り見事に存在感を消していた。

友達を作る気がまるで無い動きだ。

そうだよね、戦闘にしか興味無いもんね。

どうにか助け舟を出してあげられないだろうか。

と私が1人で悩んでいると、前方から見覚えのある悪魔が歩いて来ていることに気づく。

収穫祭でシャークンがずっと闘いたいと気になっていた相手。

我々師団のゾムさんだ。

ゾム

あれっ?シャークンさんじゃないすか!

シャークン

え…あ、ゾムさん…

これはチャンスかもしれない。

這い寄る脅威の名で有名な彼となら、きっとシャークンも話が出来るはずだ。

だってほら、垂れ下がっていた尻尾が上を向いているもの。

シャークン

……

ゾム

……

ん?あれ?

どちらも黙り込んでしまった。

ソワソワしてはいるけれど、もしかして…。

ゾム

いやぁ…い…いい天気っすね…

シャークン

で、ですね…雲ひとつな…い…

いや全然曇ってますけど!

何なら白一色ですけど!

お前ら会話下手か!

もしかして、ゾムさんも人見知りだったりするのだろうか。

2人して窓の外を見たまま固まってしまっている。

これは流石に助けを出してやろう。

一旦師団室へ戻り私が開発したエメラルドとスケルトン人形を手に取る。

そしてシャークンのヘッドセットに通信を入れた。

キリヤン

あー、シャークン聞こえる?

シャークン

キ、キリヤン!

明らかに声色が明るくなった。

仲間からの連絡に喜ぶ所は可愛いと思うけれど、残念ながらゆっくり話をするつもりは無い。

キリヤン

ごめんミスってスケルトンがどっか行っちゃったから探して回収してくれない?

シャークン

え?

キリヤン

多分森の方に行ったと思うから!よろしくー

シャークン

ちょっ待ってキリヤ…

シャークンの言葉を最後まで聞かずに通信を切る。

さてさて、上手くいくといいのだけれど。

シャークン

えぇ…

ゾム

何かあったんすか?

師団室を出て再び2人の様子を見てみると、いい感じにゾムさんが事情を聞いていた。

シャークン

キリヤンがスケルトンを逃がしたみたいで…

ゾム

すけるとん?

シャークン

あ、スケルトンって言う骨みたいな人形なんですけど、矢を打ってくるんですよ

ゾム

人形が攻撃してくるん!?

シャークン

訓練用にキリヤンが作ったもので弓矢もオモチャだから痛くはないんですけどね

ゾム

何やそれ!めっちゃ面白そう!

よし。

ゾムさんなら興味を持ってくれると思っていた。

それにその後の言葉も想像がつく。

ゾム

お、俺も!俺も探す!

シャークン

え?いいんですか?

ゾム

だってそんな面白そうな人形見てみたいやん!

怖いくらいに順調だ。

やはり戦闘狂のシャークンと爆弾魔のゾムさんは言葉ではなく体を動かしてコミュニケーションを取らせる方が良いだろう。

ゾム

どこ探す?

シャークン

森の方に行ったらしいです

ゾム

ほんなら早く行きましょ!

シャークン

は、はい!

ゾムさんとシャークンが翼を広げ森に向かって飛び出す。

私も透明化ポーションを飲んでその後を追った。

ゾム

そのスケルトンってどんな感じの奴なん?

シャークン

真っ白で弓矢持っていて…見たらすぐ分かりますよ

森に到着した2人は辺りを見回しながら奥へ奥へと進んで行く。

よし、そろそろ良いだろう。

持ってきた緑色の石をスケルトン人形の中に埋め込む。

すると人形は魂が宿ったかのように動き出した。

シャークン

あ、居た!

スケルトンを地面に下ろし暫くするとシャークンが見つけ、ゾムさんはフードに隠れた目をキラキラさせた。

ゾム

おぉ!どうしたらいいん?

シャークン

壊すと中から緑色の石が出てくるのでそれを回収すればいいんです

ゾム

つまり爆破すればええんやな!

シャークン

まぁ、そうっすね

2人は同時に地面を蹴り走り出した。

それに反応したスケルトンが矢を飛ばすが、透かさずゾムさんがミサイルを飛ばし相殺する。

そして煙の中から飛び出したシャークンがスケルトンにナイフを突き刺した。

しかしヒビが入っただけでスケルトンはまだ動く。

シャークン

硬っ!

ゾム

どうなっとるん?

シャークン

体力多めに設定されてるみたいっす

ゾム

ならこれでどうや!

ゾムさんが丸い爆弾を3つ放り投げた。

スケルトンは爆弾に向けて矢を撃つが今度はシャークンがそれを弾き道を作る。

ゾム

どっかーん!

シャークン

うわっ!すげぇ!

見事に命中した爆弾によりヒビが割れ、崩れたスケルトンの中から緑色の石がポロリと落ちた。

それをシャークンが拾う。

ゾム

綺麗な石やなぁ

シャークン

エメラルドって言うんですよ、スケルトンの動力源です

ゾム

へぇ、そんなの有るんや

シャークン

キリヤンが作った魔具っす

ゾム

そんなん作れるん?凄いなぁ

ゾムさんが凄い凄いと無邪気な声で褒めてくれるものだからつい鼻が高くなってしまう。

しかしシャークンの興味は他にある様で

シャークン

ゾムさんの爆弾の方が凄いですよ!やっぱ火力高ぇな!戦いたい!

目の色が反転する。

するとゾムさんも尖った歯を見せてニッと笑った。

ゾム

シャークンさんの動きも速過ぎてびっくりしたで!反射神経良すぎやろ!遊びてぇ!

2人の動きがピタリと止まり、私が瞬きをした瞬間。

ゾムさんはミサイルを放ち、シャークンは地面を蹴った。

爆発の中から鋭利な刃物が飛び出す。

容赦無く振るわれたそれをゾムさんは後ろに飛び退くことで避けた。

ゾム

やっぱかわすの巧いなぁ!

シャークン

そっちこそ、やりますねぇ!

2人とも完全にスイッチが入ってしまっている。

シャークンが思い切り戦える相手が見つかったのは良いけれど、このままでは森を破壊しかねない。

仲良くなってもらいたいだけで環境破壊は望んでいないのだ。

水を差すようで悪いけれどヘッドセットに通信を入れる。

キリヤン

もしもーし、スケルトンは見つかった?

シャークン

キリヤン?えっと…エメラルド回収したよ

走りかけていたシャークンの動きが止まり、ゾムさんもキョトンとした顔をする。

キリヤン

お疲れー早かったね

シャークン

うん、ゾムさんが手伝ってくれたから

キリヤン

ゾムさんって我々師団の?

シャークン

そう、偶然会って

キリヤン

まさかとは思うけど戦ってないよね?

シャークン

えっ?

少し声色を低くすればシャークンは分かりやすく焦った声を出した。

キリヤン

直接攻撃禁止だってのに収穫祭で決まりを破ったのはどこの誰だっけ?

シャークン

いや…でも…

キリヤン

罰としてNakamuに何て言われた?

シャークン

…い…1ヶ月…ナイフの使用禁止…

キリヤン

首輪型魔力抑制装置の準備もあるんだよ?

シャークン

や、やだ!

キリヤン

なら分かるよね?スケルトンへの攻撃は認めるけど他はダメ!

シャークン

はい…

厳しいようだけど実際すぐ戦いたがる性格は直すべきだと思うし仕方が無い。

その後一言二言会話をし通信を切った。

さてさて、いい子に遊べるかな?

ゾム

何かあったん?

シャークン

キリヤンがナイフ使っちゃダメって…

ゾム

え、何で?

シャークン

この前の収穫祭でルール無視して直接攻撃しに行ったから…

ゾム

あぁーそういや俺もロボロに何か言われたわ

シャークン

言われるだけならまだマシっすよ

シャークン

ウチなんて魔力が使えなくなる首輪着けられますから

ゾム

そんなんあるん!?

シャークン

キリヤンが作った魔具です

ゾム

ほんま何でも作るなぁ

ゾム

でもじゃあ遊べへんね

シャークン

折角楽しくなってきた所だったのに…

ブツブツと文句を言いながらもシャークンはナイフを仕舞い、ゾムさんも戦闘態勢を解いた。

ゾム

続きはまた今度やな

シャークン

すいません…

ゾム

ええってええって!

ゾム

せや!いい天気…では無いけどちょっとお昼寝せぇへんか?

シャークン

昼寝?

ゾム

俺いい所知ってんねん!

そう言うとシャークンの返事も聞かずにゾムさんは翼を広げて飛び上がった。

シャークンもそれに続き私も慌てて後を追う。

しかし2人のスピードが速過ぎて途中で見失ってしまった。

一体何処へ行ってしまったのやら。

ゾム

ようこそ!俺の秘密基地へ!

森の奥の更に奥。

ゾムさんに連れて来られた場所は色鮮やかな花畑だった。

避けたのかと思うくらい見事にその空間だけ木が生えていない。

ゾム

凄いやろ?誰にも内緒やで?

イタズラっ子のように笑うゾムさんはその場にコロリと寝転がる。

確かに凄い。

凄く綺麗だ。

ふと後ろを振り返る。

ゾム

上手く撒けたみたいやな

シャークン

やっぱり気付いてました?

ゾム

さっき通話しとった時にやけど、白尾師団の?

シャークン

キリヤンです、ずっと見張られてたから助かりました

ゾム

俺もロボロとかトントンに見張られることあるからようわかるわ

シャークン

でも俺に秘密の場所教えちゃって良かったんですか?

ゾムさんが隣をポンポンと叩くから真似をして寝転ぶ。

ゾム

シャークンさんは友達だからええねん!

シャークン

え?

思わぬ言葉に間抜けな声が出てしまった。

シャークン

我々師団の人達は?

ゾム

彼奴らも友達やけど、何かシャークンさんは違う感じするんよ

ゾム

何やろ、上手く言えへんけど

ゾムさんはうんうんと唸り言葉を探すが出て来ない。

でもわかる気がする。

ゾムさんは白尾師団のメンバーとはちょっと違う。

シャークン

同類…みたいな…?

ゾム

あ!そう!それや!

ゾム

似たもの同士みたいな!

弾かれるように身を起こしたゾムさんの周りにキラキラと光るエフェクトが浮かぶ。

その屈託の無い笑顔に何だか心が軽くなるのを感じた。

友達って、いいな。

ゾム

そういえばずっと気になってたんやけど…

シャークン

何すか?

ゾム

尻尾…触ってもいい?

シャークン

え?別にいいですけど

ゾム

やったー!おぉ!もふもふやぁ!

シャークン

ゾムさんの長くて細い尻尾の方がカッコよくていいじゃないですか

ゾム

そうか?柔らかい方が手触り良くて気持ちええやん

シャークン

物掴んだりできる方が便利っすよ

ゾム

いやいや!

シャークン

いやいやいや!

ゾム

……

シャークン

……

ゾム

勝負やな!!

シャークン

負けません!!

そしてライバルというのも、またいいものだ。

後日。

シャークン

キリヤーン!

ゾム

キリヤンさーん!

キリヤン

な、何?

シャークン

スケルトン貸して!

キリヤン

え?

ゾム

エメラルドも大量に!

キリヤン

ちょっと…

シャークン

あ!魔重力ばらばらくんあったら面白いかも!

キリヤン

ま…

ゾム

いいっすねぇ!てかキリヤンさん尻尾の毛量多っ!触っていいすか!?

キリヤン

お…

キリヤン

お前ら仲良くなりすぎだろー!!!

厄介なメンバーに厄介な友達ができ、

そして私の苦労が倍になったとさ。

めでたしめでたし。

キリヤン

めでたいけどめでたくないよー

シャークン

キリヤン!

ゾム

キリヤンさん!

シャークン

一緒に遊ぼ!

ゾム

一緒に遊びましょ!

キリヤン

ナイフと爆弾を出すなぁぁぁ!!

END

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コメント

2

ユーザー

ここで魔主役出してくれるとは嬉しい てかゾムシャケが尊い そしてきりやんさんの過保護感がまた良い

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