体育祭の練習中

俺は

…まぁ、正直etさんのことしか考えてなかった

位置について

用意

ドンッ

スターターピストルが打ち上げられ

走り出す

が、その時

etさんを見かけてしまい

走りながら見つめてしまう

前を向いてなかったからなのか

足がふらついて

視点が横に

そのまま倒れる

倒れる時地面に手を付けなかったから

余計痛い

仰向けになり

顔を横に向かせると

さっきまで眺めていたetさんが

こちらに向かって走ってきて

急いで立ち上がって

平気平気！

と、言おうとしたが

手を差し伸ばされる

そういえば

俺が転けた理由って…

etさん眺めてたからじゃね？

…なら

ギュッとetさんの手を握り

そしてそのまま引っ張る

etさんが俺の方へ倒れる

パシッ…

そっと横を見てみると

yanくんがetさんの腕を掴んでいて

etさんがyanくんの方を見る

俺は握っていたetさんの手を

名残惜しいが、そっと離し

yanくんが俺の手を取り

引っ張ってくれる

etさんの頭を撫でようと

etさんと握ってない方の手を伸ばしたら

その手をぐいっと引っ張られ

保健室に向かっている最中

さっき、etさんと握った手を見る

思ったより、手が小さくて

温かみがあって

その温かみがまだ、手の中に残っているような気がする

その手をギュッと握る

そっと、後ろを振り返ると

etさんがまだ俺たちのことを眺めていて

だから俺は

そっと手を振って

目線をまた前に戻す

ただ

一瞬だけ、脳裏によぎった

今さらetさんに

ずっと前から好きだった

だなんて伝えること

今さら伝えても

なんだか俺…

だっせぇなぁって、笑